場所はタスマン海、嵐の内部にて・・・
高波に呑まれながら蠢く深海棲艦達は獲物を狙い爪を研ぐようにひしめいていた。
その中で一際大きな体躯も持つ深海棲艦が一体吠えている
「ーーーーーーーーッ!!!!」
咆哮すると同時に巨大な体躯を翻しとある方向へ向かって舵を切っていった。
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一方ラバウル
「これを見て。」
最新の情報が印刷された海図を広げ今後の指揮の参考にするべく鈴木提督はある場所に指を刺し、秘書艦の霧島に問うた。
「嵐の予想図ですか?」
「そう、タスマン海のものはここラバウルへ進路を取り始めてる。それだけじゃない。暁達がいたと思われる嵐も進路を示しつつある・・・」
「嫌な予感がしますね・・・」
「その嫌な予感が当たりそう・・・とにかく南方全域に非常事態を出さなきゃならないわ。」
「すぐに準備させます。」
「よろしく。・・・不安材料は多いけど頼むわ。」
「了解・・・。」
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『メガトラスマッシャー!!!』
『ギャオオオオオ!!!』
「・・・。」
暁は宿舎でお菓子を食べながらテレビを見ていた。遭難から帰ってきた差し入れにと大量のお菓子をもらっていたのだ。
『今日の怪獣も強敵だった・・・だがメガトラマンは負けない!』
「暁さん・・・いますか?」
「ん・・・はぁい。」
暁の元へ大和が訪れていた。その手にはカステラが乗っている。
「おやつを一緒にどうかと思いまして・・・」
「わかったわ。一緒に食べましょう!」
暁はテーブルの上を片付け大和のスペースを作る。カステラが置かれると大和は丁寧に切り分け暁に手渡した。
「そのお菓子・・・皆さんが?」
「そうなのよ。今まで食べられなかったぶんって。こんなに食べたら太っちゃうわ。」
「愛されてますね。かく言う大和もなのですが・・・」
「ご飯が食べられるくらいに節制しないと。」
「そうですね。」
2人でカステラを頬張りテレビを視線を向ける。
「これは・・・メガトラマンですか?」
「そうよ。電が録画しておいてくれたの。」
「海軍主導のテレビ番組と聞いていましたが・・・初めて見ましたね。」
「面白いのよ!」
「そうですね・・・」
『今日の脅威は去った・・・しかし再び怪獣が現れし時、メガトラマンは戦うだろう!』
「・・・パクチーさんは、」
大和が口を開くとぴくりと暁は動きを止める。
「なんだったのでしょうね・・・」
「わからないわ・・・私達の知る深海棲艦ではないと思うのだけれど・・・」
「不思議な感じでしたね。」
「そうね・・・でも悪い感じじゃなかった。」
「朧気ですが最後の・・・鬼気迫るあの感じは・・・」
「わからない・・・でも私達を外へ・・・家へ返す為にやったんだと思う・・・」
「そう、ですよね・・・」
2人は空になった皿を持ったまま・・・パクチーへの想いを言葉にしていた。
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この数日後、タスマン海で滞っていた嵐から再び深海棲艦が出現し緊急事態が布告された。