タスマン海の嵐がラバウル周辺へと進路をとって嵐より現れた深海棲艦が周辺海域に蔓延っているとの報せが届くのに時間は掛からなかった。
「すぐに当該海域へと出動!深海棲艦を食い止めて!!」
「嵐により羅針盤が乱れています!!妖精さんもこれにはお手上げのようで・・・」
「乱れていても目的地は一緒!出撃用意早く!」
「了解!」
嵐に僅かに近いショートランドとブイン基地への連絡と反復出撃の用意で執務室は慌ただしくなっていた。
「司令官!」
「暁!」
「私も出るわ!いつまでも休んでいられないもの!」
「私としてはもうちょっと休んでても良かったけどそうは言ってられないわね・・・お願い!」
「了解!」
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タスマン海周辺、そこはすでに出撃したショートランド泊地の艦娘が激戦を繰り広げていた。
「一匹も通すな!的はそこらじゅうにある!撃ちまくれ!!」
「伊勢さん!航空機が!!」
「構わん!空母は直掩の艦娘に任せろ!我々は水上艦だけを狙え!!」
「了解!」
伊勢の砲門が火を吹き深海棲艦の一体を屠る。しかし一体倒す間に二体、三体と次々と現れてくる。
「くっ・・・多勢に無勢だな・・・他基地からの救援も来る!それまで持ち堪えろ!!」
「伊勢さぁん!!!」
「どおした!!」
「あれを・・・!」
「なに・・・」
重巡が指し示した方向には雷鳴と共に蠢く巨大な影が存在していた。それは山よりも大きく海を割りながらこちらへ向かってきていた。
「・・・あたしたちは夢でも見ているの・・・!?」
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「これよりタスマン海へ深海棲艦掃討へ出撃する!無人高速艇より降りたらすぐさま作戦行動開始!現場にはすでに山尾中将指揮下のショートランド泊地の艦娘が戦闘に入っています!」
「みんなは到着次第山尾中将の指揮下に入って!いい!?」
「了解!」
「通達は以上!出撃!高速艇へ乗り込め!!」
ラバウルの艦娘たちが無人高速艇へと乗り込んでいく、高速艇を積んだ装甲艦へ鈴木提督も乗り込んだ。そこへすぐさま通信が入る。
『鈴木・・・聞こえるか?』
「聞こえるわ若林提督。」
『不確かな情報だが超巨大深海棲艦がいるとの報告が入っている・・・例の二人は・・・』
「大丈夫です。戦えます。」
『そうか・・・それならいいが。』
鈴木は内心は不安だった。超巨大深海棲艦といえば暁と大和が接触したと思われるものだと思った。友好的に接触したと聞いていたが今は海を進撃している。だが二人とも任務ならば・・・鈴木は頭を振った。大丈夫だ。二人ともよく覚えていない様だし。きっと戦える。今はそう信じるしかなかった。
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「無理矢理にでも後ろに下がって補給しろ!気を見てなんて遅すぎる!」
「伊勢さん!ラバウルとブイン基地からの増援が来ます!!」
「助かる・・・!すぐに隊列に入れろ!!」
「了解!」
暗い空、黒い海、蔓延る深海棲艦。ショートランドの全員でかかってなんとか戦線のスピードを抑える程度だったがこれで光明が見えそうだ・・・そう伊勢が思ったその瞬間だった。
「(あれ・・・?なんでみんなが下に見えるんだ・・・?あたしどうなって・・・)」
次の瞬間海面に叩きつけられ衝撃が伊勢を襲う。
「がはっ・・・げぼ・・・」
伊勢は空高く投げ飛ばされたのだ。巨大な手によって。伊勢が激痛に耐えながら見上げたその先には巨大な漆黒の深海棲艦がこちらを見下ろしていた。
「それは・・・反則だろ・・・」
同時に艦娘の増援艦隊が到着し、超巨大深海棲艦と人類は初遭遇した。