「おはようパクチー。よく眠れたかしら?」
「私達、は、寝ない。睡眠、を、必要と、しない。」
「ふぇっ!?」
とりあえずヤシの木を何本か張り倒してシェルターを作った。アカツキはゆっくり眠れたようでよかった。
「じゃ、じゃあ一晩中なにしてたの?」
「星を、見てた、の。きれい、よ。」
「そ、そう・・・」
「さ、今日、も。資材、集め、に、行くわ。」
「あ、待って!私も行く!ちょっと!立ち上がったら私の声届かないんじゃないの!?ねぇったら!」
アカツキが何か言っているけど、まぁ、いいか。まずは島中心部の山、火山みたいだけど・・・しずかだし。ここで鉄鋼とボーキサイト・・・次は湾岸沿いに、弾薬と、燃料を集めよう。
「うん、大漁、大漁。」
後ろからのしのし付いてくる私の艤装へ資材を放り投げて食べさせる。また大きくなったわ。ぶい。
「アカツキ、補給、させないと。」
帰りは艤装に乗って。あ、これ、森がそのうち荒れ地になるわね。あまり環境を変化させると採れるものも採れなくなるかも。
「ただ、いま。アカツキ。」
「置いてきぼりにするなんてひどいわ!ぷんすか!」
「とりあえず、補給、アカツキ。」
「へ?燃料も弾薬も使ってないし。破損してもいないから鉄鋼もいらないわ。」
「どう、して。お腹、空かない?」
「あ、そうね。べつに艦娘はお腹空かないわ。別に食べ物が食べられないわけじゃないけど。そうそう、だからっておやつばっかり食べてたら鳳翔さんに怒られるのよ?」
「おやつ・・・?」
「羊羹とか、アイスとか、プリンよ!甘くて美味しいの!」
「甘くて、美味しい・・・知らない、わ、ね?」
「じゃあ私がご馳走して・・・って、この島から出られないのよね。それにパクチーは深海棲艦だし、すっごくおっきいからラバウルには連れていけないわね。」
「私は、この島、から、出ない。資材、あるから。」
「海はもっと広いのよ?もーっといっぱい資材があるかもしれないじゃない。」
「この、島、から、出たら、艦娘と、戦う。戦う、と、資材、減る。だから、出ない。」
「そうね・・・でも、もったいないわ。プリンやアイス、おやつを知らないなんて。」
「おやつ、そんなに、いい、資材?」
「資材・・・うーん、しれーかんはよく、間宮券を渡しておやつにするから、ある意味資材・・・?」
「欲しい、おやつ、欲しい。聞いた、ことの、無い資材だ。是非、欲しい。」
おやつ・・・甘くて美味しい資材だそうだ。甘いのはよくわからないが美味しい資材なら是非とも欲しい。
「わ、わかったわ。か、顔が近いと怖いわね。食べられちゃうかもと思ったわ。」
「・・・艦娘、食べても、少ししか、資材、無い。私達、と、一緒。」
「ぴっ!?た、食べたこと、あるの!?」
「昔、私の資材、奪おう、と、した。倒して、艤装、に食べさせた。資材、弾薬、と燃料、少し、しか、持って、なかった。」
「・・・やっぱり、パクチーも深海棲艦なのね。」
「アカツキ?どう、した?」
アカツキがそっぽを向いてしまった・・・何か悪いことしたかな?
「アカツキ、もう、おしゃべり、終わり?」
「ごめんねパクチー・・・しばらく一人にして・・・」
アカツキは砂浜を歩いて離れていってしまった・・・今日はおしゃべり終わりか・・・少し、寂しい・・・ん?寂しいってなんだ。
「アカツキ、待って、ひとり、嫌。」
「パクチー!一人にしてって言ったじゃない!」
「!!」
「あ・・・」
「・・・わかっ、た。今日は、島、の、反対側、に、いる。明日、戻って、くる。」
アカツキ・・・しかたない・・・艤装に乗って、反対側まで、泳いで行こう。海の中に何か落ちてないかな・・・
「ごめんね・・・パクチー・・・やっぱり、艦娘と深海棲艦って仲良くなれないのかしら・・・」
小ネタ
「資材ってどんな味がするの?」
「ほんのり塩味」