「はぁ・・・ひまね・・・」
「今日、は、資材、あんまり、取れなかった・・・」
「そういうときもあるわ。」
「知って、る。」
「もう!!」
だが実際資材集め以外のことをしたことはない。島を回っても花畑以外に興味を引く物はなかった。たまに流れ付く漂流物も大体ボロボロでそのまま捨ててしまう。
「・・・そうだわ。この前拾った空き瓶を使って手紙をだしましょう!」
「・・・?」
「暁は生きてるわよって手紙を書いて空き瓶に入れて海に流すの。前に読んだ本にそうやって遠くの国の人と文通するシーンがあったわ。」
「なる、ほど。」
「じゃあ早速書いて見ましょう!えーっと紙とペンないかしら・・・ってないかぁ」
「ある。」
「え!?」
「これ、で、いい?」
艤装が地響きさせながら近づかせて口を開けさせる。一瞬えづいたがまぁ気にしない。前に丸呑みにしたコンテナに紙がいっぱい入ったやつがあったはず。
「ヴォエ!ヴェェエエ!!」
「ぴぃっ!?」
「たぶん、この、コンテナ。」
「うわぁ・・・」
「開ける、わ。」
「ダンボールがたくさん・・・中身は・・・新聞?」
「しんぶん・・・?」
「12月10日・・・大分前の新聞ね。書く物、書く物・・・ボールペンみーっけ!」
「楽しそう、ね。アカツキ。」
「当たり前じゃない!うまくいけばおうちに帰れるのよ!」
「そう・・・か・・・アカツキ・・・帰りたい、だった、な。」
「あ・・・だ、大丈夫よ!パクチーのことも連れて行くわ!しれーかんやみんなには私が話すから安心しててよね!大船に乗った気持ちでいなさい!」
「いや、ここ、出たら、資材、ないから、けっこう。」
「えぇーっ!?そこはありがとう・・・ってならないの!?」
「それに、どんな、に、大きな、船で、も、基地、は、乗れな、い。アカツキ、ちんまい、し。」
「もぉぉぉーーーっ!!!」
「フフ・・・」
「あ・・・笑った。笑ったの初めて見たわね。」
「・・・?今、わたし、は、笑った?」
「そうよ。意外と可愛い笑い方するのね。」
「・・・笑う・・・笑う、のか・・・」
「ねぇ、やっぱり帰れるようになったら一緒にいかない?絶対、みんなを説得してみせるし、資材も私が遠征して持ってくるから。」
「・・・わか、らない、アカツキ、は、今、敵意、が、わかない、けど。たくさん、艦娘、いたら、どうなる、か・・・」
「きっと、乗り越えられるわ。だってパクチーは私を助けてくれたじゃない。出会ってから少ししか経って無くてもパクチーは大事なお友達だもの。パクチーも最初に仲間だって言ってくれたじゃない。だからパクチーが大変な時は私が助けてあげるわ。」
「・・・わか、った。」
「ぜーんぶレディにお任せよ!さて、お手紙書くわ!」
「・・・ありがとう、暁。」
「・・・?」
暁は新聞をビリビリと破り、白紙部分に一言ずつ書いてはビンに詰めた。残ったコルクで蓋をして海岸から海に流す。・・・嵐の壁の中でバラバラに割れてしまうのではないかと思ったが・・・アカツキの希望に影をさすわけにはいかない。今日することはそれで終わった。あとは散歩して、お昼寝して・・・1日を終えた。