俺としおりんちゃんと時々おっぱい。   作:Shalck

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予定より1日遅れました……
お久しぶりです。
まだ卒業研究などで忙しく連投は出来そうにありませんが、よろしくお願いします。
今回は調子を取り戻す為に番外編と言うことにさせていただきました。



番外編001

 

「はい、生レバーお待ち」

 出された生レバーを前にして、みゆきちちゃんが唾を呑む。

「生レバーがある食堂……」

「実際、生レバーがある食堂って相当やばいよね」

「タッ君も相当やばい奴だけどね」

 俺、みゆきち、しおりの三人で食堂に来ているけれども、まさか本当に生レバーが存在しているとは思わなかった。

「んで、本当にやるんだ」

「勿論だよタッ君!」

 指さしたしおりに対して、俺は何とも言えない空気になる。

 いやもうこれ完全に失敗するオーラ満載じゃん。

 俺はちらりとみゆきちちゃんを見て、ため息を吐いた。

 絶対に失敗するってわかってるのに、俺達は協力しなければならないのか……。

 

 

 

「皆にはゴールデンウィークにピクニックに行って貰うわ」

 まーたゆりちゃんの思い付きなんだろうなぁ。

 でもまぁ面白そうだし、いいかもしれない。

「ピクニックなんて、すごい学生っぽいなぁ」

「何言ってるの? 普通のピクニックなんてさせるわけないじゃない」

 うわ、絶対何もしたくねぇ。

「ここでみんなには悪魔になってもらうため、殺し合いをしてもらうわ」

「あ、俺が得意な奴だ」

 一瞬で全員が俺から距離を取ったところを見ると、さては俺は信頼されていないな?

「多々君は武器禁止よ。それに誰かに物事を頼むことを禁止で、生き延びることだけに特化してもらうわ」

「えぇ……」

 当たり前でしょと言われてしまえば、まぁそうとしか言いようがない。

 これでも一番強い自負はある。

「ふん。貴様如きが俺に勝てるとは思わんがな」

 野田君がほざくのはいつものことなので放置して、俺は少し考える。

 生き延びることだけに特化するなら、まぁやりようはあるか。

「今回はガルデモにも参加してもらうわ」

「ナズェナンドゥエスカ! ゆりちゃん!」

「いきなりオンドゥル語にならないでよ。仮面ライダーにでもなるつもり?」

「だってそんな……ガルデモのメンツを殺し合いに参加させるなんて……俺が全員殺すしかないじゃないかぁ!」

 全員がさらに俺から距離を取った。

「だから貴方は殺すの禁止よ。殺さず、死なず、貴方は彼女達を守ることが出来ないのかしら?」

「くっ……」

 この時点でガルデモ+俺メンツと言う謎の状況が出来てしまったことは置いておいて、言われたからにはやって見せるのが男だろう。

「むしろ関根さんとかは嬉々としてやりそうだけどね」

 下剋上だと叫ぶしおりの姿を空想し、まぁあり得そうだと思ってしまった。

 そうなると相手はまさみちゃんとひさ子ちゃんか……。

 とてもやりづらいなぁ。

 ちらりと見ると、気が付いたのかまさみちゃんはきょとんとした後に苦笑いしてきた。

 音楽キチではあるものの、おおよその予測は着いたのだろう。

「……なんか思ったよりもすごい対決になりそうね」

 ごくりと息を呑んだゆりちゃんは、俺とまさみちゃんを交互に見ていた。

 ガルデモ初なんじゃないだろうか?

 メンバー同士のガチバトル。

「ひさこさんは岩沢さん側だとして、関根さん入江さんペアに問題児多々君か。面白そうじゃない」

「最早メインがガルデモメンバーに移っていて俺は驚きを隠せません」

「いいじゃない。面白そうでしょ? 男同士が殺しあうよりも女子がくんずほぐれつ殺しあったほうが見栄えがいいじゃない」

 くんずほぐれつ殺しあうってなんだろう?

 俺そんな言葉知らないよ。

「じゃあ一週間後に裏山でピクニックもとい連続殺人事件を行うわよー!」

「題名が恐ろしく怖いわ!」

 

 

 

 

 裏山でピクニック殺人事件を行う為に、俺はしおりとみゆきちちゃんと一緒に食堂に出向いていた。

 きっかけはしおりの下剋上発言である。

「どうせひさ子ちゃんに殺されて終わりだと思うんだけどなー」

「私だってそう思うよ。でもッ! やらないよりはやった方がマシだ!」

「発言だけならカッコいいのに」

 最早俺達の言葉が通じるしおりではない。

 今のしおりはダークしおり。通称馬鹿をするときの恐怖を乗り越えた突き抜けたモードである。

 尚、俺達には害しか持ってこない最悪のモードでもある。

「第一、そんなにひさ子ちゃんに恨みは無いのだけど?」

「そりゃ勿論あたしだってそんなに恨みはないよ! 精々いつも怒られたり、殴られたり、怒鳴られたりされてるだけだよ!」

 絶対それが原因で言い出しただろと言う言葉は飲み込んで、何とか説得しようとするけれどやはりだめそうだ。

 全く、間違えたことをしている彼女を止めるのも彼氏の役目だとは思うのだけれど、そこまで踏み込めないのは俺の悪い癖なのかなぁ。

「ひさ子ちゃんを怒らせるのはいいけど、殺す様なことは無いようにね!」

「もちろんさタッ君! 最高のエンドを迎えて見せるぜ!」

 仕方ないけれどここは引くこととしよう。

 うーん、ゆりちゃんには関根派って言われたけれど、これについてはちょっと迷うなぁ。

「じゃあ、俺はここで」

「え? タッ君は手伝ってくれないの?」

 不安気に聞いてくるしおりに対して、俺は勿論手伝うと返しそうになるけれど我慢だ。

 ここで耐えなければ男じゃない。

「俺はあれだよ。ソレスタルビーイングするよ」

「武力介入じゃないですかやだー」

 つまりどちらにも属さないということだ。

 教えてくれゼロ。俺は何人殺せばいい?

 あ、殺すのは禁止されてるんだった。

「タッ君も敵だというのならば、私は――撃つッ!」

「しおりぃぃぃぃぃ!」

「たおぉぉぉぉぉ!」

 それなんてガンダムと言うネタはさておき、俺はしおりと敵になってしまった。

 いや、なりゆきで敵対したみたいなセリフを吐いたものの、実際は味方なのだけれど。

 ガルデモのメンバーを全員殺させないためには、第三勢力になるのが一番手っ取り早いのだ。

 男子組は崩壊させる……前に崩壊しそうな気がするから、問題となるのはひさ子ちゃんVSしおりだろう。

 あの二人はやり始めたら絶対止まらないタイプだし、ひさ子ちゃんを怒らせれば悪魔として覚醒すること間違いなし。

「んじゃまぁ、取り敢えず注意喚起でもしとかないと」

 最初にやるべきこと、しおりとみゆきちちゃんがまさみちゃんとひさこちゃんを狙っていることを伝えるという大事なこと。

 でも実際ストレートに伝えちゃうと、開幕ひさ子ちゃんが殺しに来るよなぁ。

「よーし」

 こういう時に行く場所は決まっている。

 

 

 

「と言うわけなんだよ文人」

「なんで僕に言いに来るんだ……」

 ため息を吐く文人に対して、俺はけらけらと笑った。

 中二病を拗らせている文人ならば、何かいい案を持っているのではないかと思い尋ねたが流石に唸るらしい。

「いや、でも僕の中に君をどうするかは考えている」

「流石文人は優秀だね」

「ふっ。褒めるな。お茶しか出さんぞ」

 出すんだと思いながらも、こういう時に頼りになるのはやっぱり文人だ。

 まぁちょろいからってのもあるけれど。

「お前は、忍者になるんだ」

「アイエエエ!? ニンジャ、ニンジャナンデぇ!?」

「違う。そうじゃない」

 まあ文人ってNARUTOとか好きそうだし。

 どうせ人がいない所だと万華鏡写輪眼とか言って遊んでるんだろ。

「忍者の様に身を隠し、適度なところで参戦してお前が愛する奴を守ればいい」

 思ったよりもまともな意見が出てきて驚いたけれど、確かに忍者は素晴らしい案だ。

「そして昔僕が作らせた忍者衣装がある」

「お前本当にすげぇよ」

 やっぱすげぇよ文人は。

 俺達じゃできないことを平然とやってのける。

 そこに痺れる憧れるゥ!

「褒めるな。茶菓子しか出ないぞ」

「どんどん出てくるなお前」

 お兄さんちょろすぎて心配だよ。

 そんなんじゃ将来騙され続けそうで。

「この衣装は用意してもらったはいいが、僕は一切使う予定がない。使う奴がいるならばこの服も本望だろう」

 絶対にそんなことは無いと思うけれど、そんなことを行ったらその衣装を貰えなさそうだから言うのは辞める。

 男たるもの、忍者の恰好をしたいかしたくないかと問われればしたいのだ。

「ならば契約成立だな。僕が渡す服を着て、数多の敵からガルデモを守るのだ!」

「ノリいいなぁ」

 だからこその文人なのだ。

 と言うわけで忍者の衣装を受け取ると、まぁそれなりにフィットしたので軽く運動をして着心地を確かめる。

 とても動きやすそうな素材なのはこだわりなのだろう。

 楽に動けるならばそれに越したことは無いし、この後ろについているうちわの紋章もきっと見間違いなのだろう。

「モデルは木ノ葉の里に存在するうちは一族だ」

「だと思ったよ」

 お前好きそうだもん。

 そろそろ目を赤色にするためにカラコンとか入れ始めるんじゃないかと思ってるし。

「はいはい。写輪眼写輪眼」

「何だ貴様。僕とNARUTOトークをするか? 恐らく一年みっちり出来るぞ?」

「勘弁してください」

 そこまでガチ勢になった覚えはないので死んでしまいます。

「まぁいい。動きやすいのならばそれで行動すればいい。お前ならば使いこなせるだろう?」

「OK」

 小さな玉を下に投げると、煙が部屋を包み俺は部屋から逃げ出した。

 文人の部屋にいたため、煙は感知器に反応する。

 感知器が反応した為けたたましいサイレンと共に文人の部屋のスプリンクラーが作動し、先生達が文人の部屋めがけて走っていく。

「多々ォォォォォ!」

「ゆるせサスケ。これで最後だ。……まぁ文人はサスケじゃないから最後じゃないけど」

 ぶちぎれた声が聞こえたが無視し、俺は誰にも見つからない様に廊下を走っていく。

 誰かが来ればこっちを見る前に意識を奪い、戦線の誰かがいれば息の根を止めてでも目を潰す。

「ふはははは! 体が軽い! これが若さか!」

 自分の部屋に戻ると、すぐに服を着替えてロッカーの中にしまう。

 思い出してみると相当ひどい忍者がいたもんだと顔を若干赤くし、布団の中に潜り込む。

 やばい、愉しみだ。

 ピクニックは俺の独壇場にしてやる!

 ……あ、ひさ子ちゃん達に伝えるの忘れてた。

 


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