仕事がが終わり明日は非番。
そんな訳で庭にある物置から七輪を取り出し炭を入れて火をつける。
既に縁側には金属トレーに入っている焼き鳥(生)がありその横には氷の入った桶が冷気を漏らしながらも涼を出すべく励んでいた。
その中にはいくつかのビールが冷やされている。
既に網は熱くなっており何時でも行ける!
ジュッ
網の上に3本の焼き鳥を置いて俺は今のうちにと思い台所から予め作っておいた甘だれと塩を持ってくる。
火を見るとやはり少し弱いのかもしれない。
近くにあったうちわを手に取り七輪の排気口に風を軽く入れる。
今まで少し弱かった火が目に見える速度で炭に入る。
ジュゥゥッ
鳥肉から出た脂が炭に落ちてお決まりの音を出す。
ぐギュルルル。
「ん?」
俺以外の腹の虫が鳴り響くのを聞き俺は音のした方向に顔を向けると。
「「……………」」
そこには紅い髪の女の子と眼鏡をかけた女の子がこちらを見ていた。
「ふむ」
まあ、予備のために幾つか多めにあるし。
「食うか?」
俺は二人の女の子に焼き鳥を見せながら声をかける。
少し少しこちらに歩み寄ってくる二人の女の子に俺は心の中で苦笑しつつ今焼いている焼き鳥に甘だれをはけで塗っていく。
ジュゥゥゥと熱されたあみに甘だれが付着し水分をはじこうとする火が強くなる。
こんな時間にそれも女の子2人が普通外にいるわけがない。
見たところ外人さんの子かハーフだろう。
多分親と喧嘩したか道に迷ったかのどちらかだし職業上無視はできん。
「ほれ」
焼けた二本の焼き鳥を二人に手渡す。
「あ、ありがとうございます」
「あ、ありがと」
ちゃんとお礼が言えるんだな。
そのまま物珍しそうに焼き鳥を見ているふたりに話しかける。
「こうやって、食べるものだよ」
俺は焼けている焼き鳥を食べながら説明した。
「立って食うと行儀が悪いしそこで座って待ってな。飲み物でも持ってきてやるよ」
生の焼き鳥を3本のほど網の上に置いて俺は冷蔵庫にまだあったであろう果汁100パーセントのりんごジュースを取り出して戻る、その時に冷やしておいた水を忘れない。
「焼き鳥だけじや喉が乾くだろ?」
透明のグラスに3つ程氷を入れて俺はジュース6分目まで注いだ後8分目まで冷やしておいた水を注ぐ。
あっと紅い髪の女の子が声を漏らすがまあ、いいだろう。
「100パーセントのままだとあまり飲みやすくなくてな、少し水で薄めると喉越しが良くなるんだよ」
子供に分からない単語で説明した後に渡してやる。
「美味しい」
「だろ?」
「うん!」
笑顔でジュースを飲む女の子を見ながら俺は、置いてあるさらに幾つかの焼き鳥を入れる。
「話は後でいいから先に食べな」
「「うん」」
焼き鳥にを頬張る二人を見ながら俺はこりゃあ今日は飲めねぇなと少し残念に思いお茶をすする。
「あっ、そうだ名前だけは教えてくれよ」
でないと呼べねぇからな。
「リアス・グレモリーです」
「ソ、ソーナ・シトリーです」
「シトリーちゃんとグレモリーちゃんね。まずは、腹いっぱい食べな」
☆
少し焦げた焼き鳥を齧りながら俺は二人の子を見る。
二人とも顔も整ってるし着ている服も高そうだ。
ただ、靴はかなり汚れていた。
なにかから逃げていたのか?
まさか、どこかのおえらいさんの子供じゃねぇだろうな。
どっか外国の貴族とか王族に焼き鳥食わしてるってなったら色々とめんどいぞ。
主に俺の精神衛生的に宜しくない。
「…ん…」
満腹にったせいか瞼が下がってきている眼鏡をかけた女の子。
その横で紅い髪の女の子は、既におねむだ。
「はぁ」
いま、警察に渡しても仕方ないし、このまま放しておくのも何だし。
あーあと思う。
敷布団を持ってきて2人をその上に寝かす。
タオルケットを掛けているので大丈夫だろ。
ザリ、普通の足音ではない。
カタギではない足音が俺の耳に入る。
全くもう仕事は終わったってのによ。
溜息をつきながらも仕方ねぇなと思い庭から玄関先に向かう。
「はい、どちら様で?」
居たのはスーツ姿の紅い髪の青年と銀髪の女性と黒髪の女性。
両手に花かこの野郎?
「この当たりで紅い髪の女の子と眼鏡をかけた女の子を見なかったですか?」
どうやら面倒ことらしい。
「いや、見なかったね」
バレないように嘘を吐く。
「そうですか。晩酌時失礼しました」
後ろを向く青年。
もう終わったかと思い俺も後ろを向いた。
「待って!」
黒髪の女性に呼び止められる。
「何ですか?」
すっと黒髪の女性の手が俺の肩に付いていた何かをつまみとる。
それは紅の髪。
「これは?」
やべ。
「がっ!」
強いケリが俺の溝に入る。
急な事だったから後ろに飛んで衝撃を和らげることしか出来ないか。
「今は十分だ!」
蹴ってきた青年の足をつかんでそのまま寝技に持ち込む!
「貴様!リアスとソーナをどこにやった!」
口振りからするに親か?いやそれにしては若過ぎる年が離れた兄か?
迎えに来るには可笑しいだろう。
敵だな。
すぐに判断を下して戦闘に移るがために俺は唱える。
正義の味方の成れの果て、理想を追いかけその果に得たものは何も無い。
故にその生涯に意味はなく。
ただ1人で戦い続けてきた!
「投影開始!」
結界は張られているようだから心配はない。
☆
「すみませんでした!」
3人を天の鎖で動けなくした後話を聞くと喧嘩して家出してしまった二人の妹を探していたらしい。
それで俺の肩にについている髪を見て3人は最悪の事を想像したみたいです。
「いえ、いきなり蹴った私にも非はあるので顔を上げてくれませんか?」
紅い髪の青年、サーゼクス・グレモリーは声をかける。
人間相手と油断したとはいえ彼は自分と本気であったであろうセラフォールそして、こちらも本気であったグレイフィアを傷一つ負うことなく捕まえた。
自分は消滅の魔力も使った。
なのに傷一つ負うことなく我々を捕まえたのだ。
「彼は、本当に人間なのでしょうか?」
流石にグレイフィアも驚いているようだ。
欲しい。
切実にそう思った。
1人でこの戦力、他の勢力が知ったら取り合いになるのはわかっている。
だからこそいま一番弱いであろう悪魔にしたい。
「それでは、代わりと言ってはなんですが之を持ってもらえませんか?」
心の中でにやりと笑いながら私は悪魔の駒を渡した。
「ええ、別にいいですが」
だが、次に目のするものに私は目を見開いた。
「なぜ・・!」
「でも、なんですこれ?チェスのコマ?」
悪魔の駒は一切反応しなかった。
なぜだ・・・私の実力が足りないとでも言うのか?
それでも、一切反応がないのはおかしすぎる。
ここで反応してはまずい。
「いえ得には何もないのですが」
「そうですか。これお返ししますね」
彼は私に悪魔の駒を返した。
「いや、いろいろとご迷惑ををおかけしました」
「いえいえ、こちらこそ久々に数人での食事は楽しかったですよ」
にこやかに笑う彼の瞳には悲しさが感じられたが今私はそれどころではなかった。
「それでわ」
「はい、またご縁があったら」
お互いに会釈をして私はグレイフィアたちと冥界に帰る準備をする。
「アジュカに話すことができたな」