緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第136弾 戻ってきた日常と幽霊

「へへへへへへへ」

 

東京に戻って2日が過ぎた朝7時、俺は早朝トレーニングを終えてごまかすように笑った。

なぜなら……

 

「ゆ、優あんたって」

 

今まさに下着を身に付けようとしているアリアさんと風呂場の脱衣場で出くわしたんだからな。

 

「ま、待て!アリアあ!」

 

「風穴ぁ!」

 

「ぎゃああああああ!」

 

降り注ぐガバメントのフルオート射撃から命からがら逃げ出すのだった。

銃で撃たれてるのに日常だなぁと思う俺の頭はもう、末期なんだろうよ……

とまあ、この2日もいろいろあったんだよ。

死にかけの重症だったのに目が覚めるとぴんぴんしてたんだ。

医者も驚愕してたしアリスは覚えていないんですかと教えてくれた。

 

「緋刀ねぇ……」

 

武偵高の屋上で紫電を見ながら呟いた。

この紫電もそうだ。

流石に返さないとまずいと思い実家に電話したら

 

「今はあなたに預けます」

 

と紫電を預けられてしまった。

実家が襲撃を受けて後継者争いどころではなくなったらしい。

てはいえ、暫定的に鏡夜に決まったらしいが本人は俺に負けて納得できてないらしい。

まあ、そうだろうなぁ……

咲夜に関しては俺が実家によらずに東京に戻ったもんだから怒りのメールや電話をなだめるの苦労したぜ……

 

魔女連隊の方は公安0が片をつけたらしく東京や各地で起こった木偶人形事件は闇に葬られるらしく関係者には司法取引の紙が手渡された。

俺達も例外ではなく慣れたもんでさらさらと書いて送付した。

司法取引になれる武偵ってなんなんだよと思うがな……

まあ、とりあえず今回の護衛はやばすぎたがとにかく終了だ。

いやぁ、日常って素晴らしい

 

「優君ここにいたんですか」

 

うん、秋葉がいるわけないよな。

あいつは実家の人間なんだから

 

「理子さんが呼んでますよ?行きましょう」

 

幻じゃないよな……

 

「なんでお前がここにいるんだ秋葉!」

 

秋葉は首を傾げて

 

「私はここの生徒ですから」

 

まじかよ母さん!本気でこいつを送り込む気か!勘弁してくれ!明らかに監視役だろ!

 

「心配しなくても大丈夫ですよ優君」

 

無表情だが口数はレキより多い秋葉は

 

「あなたを見ることはしますが私はここでもう一度人生を考えてみなさいと月詠様に言われました」

 

人生って……おい、月詠

 

「まあ、閉鎖的だったからな椎名の家は」

 

秋葉はめちゃめちゃにされた人生をちょっと異常だが学校で見つめ直すのもいいのかもしれない。

近衛に生まれたから近衛になれと言うのもおかしな話だからな。

 

「だから、優君は失礼を承知で言いますがここでは私を友達として見てくれませんか?」

 

監視役や主従ではなくあくまで同級生として見ろってことか……

答えは決まってるな

 

「了解。じゃあ、行くか理子が呼んでるんだろ?」

 

微かに秋葉は微笑みながら

 

「はい!」

 

と俺の横に突くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで理子の用事とは

 

「なぜなんだ……」

 

俺は女装バージョンで理子と歩いていた。

しかも、武偵高女子制服を着て

 

「わぁユーユー似合う似合う!秋ちゃんもそう思うよね」

 

「……はい」

 

おい!秋葉ドン引きするな!友達だろ!

 

「よーし!次はこれ行ってみよう!」

 

と、取り出したのはお嬢様が着るようなワンピースだった。

ご丁寧に麦ワラ帽子まで用意している。

 

「もう、いやだぁ!」

 

「あ!ユーユー!」

 

くそ、ドリスとの戦いであんな約束すんじゃなかった!やらないと言ったはずだがなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばいぞ……

理子達からは逃げられたがこんな格好でどうしたらいいんだ……武偵高のさっきとは違う屋上に来たが女子制服のままだ。

どうやって帰ろう……

キイイイという音に振り替えるとレキとハイマキだった。

 

「ぐる?」

 

ハイマキは臭いで俺と察知したのか困惑した声を上げる。

そういや、戻ってからレキとはあんまり喋ってなかったな……不知火達には見られたくないがレキ達ならまあ、一度神戸で見られてるから問題はない。

諦めて座るとレキも横に座ってきた。

ハイマキもレキの前でお座りし、丸くなる。

こうしてると本当に犬だなハイマキ狼だろ?

 

「優さん。怪我は大丈夫ですか?」

 

無表情にレキが聞いてきた。

 

「完全に治ってるよ。じゃなきゃこんな格好してないさ」

 

半泣きしながら武偵高女子制服を見て言う。

 

「レキこそ大丈夫か?結構大変だったんだろう?」

 

「大丈夫です」

 

とは言え短いスカートから見える生足に張られたバンソコウとか見えるとな……

「ぐるおん」

 

うお!ハイマキめ!まるでいやらしい目で見るなとか言いたい声だ。

誤解だお前!

あ、そういや一度レキに聞きたいことあったんだった。

 

「なあ、レキ」

 

「?」

 

「俺達昔、どこかで……」

 

「見つけたぞ!椎名優希だぁ!」

 

いきなり扉からデブの男が出てきて叫んだ。

 

「よくやった会員No.109」

 

そう言って出てきたのは……げ!村上かよ!

そう、レキの熱狂的なファンクラブレキ様ファンクラブRRR(正式名称、レキ様のレキ様だけのレキレキファンクラブ)だった。

 

「貴様、椎名優希!生還するとは運のいい奴だ!とうん?椎名優希ではないぞ会員No.109」

 

「し、しかし発信器は確かにここを」

 

てめえらもか!いい加減に発信器とかやめろ!

 

「失礼お嬢さん。椎名優希を知りませんか?」

 

「あ、あの……」

 

やばいなんとかして切り抜けないと女装がばれる!冗談じゃねえ!

 

「優さんはあそこにいます」

 

ってレキ!

レキが指差したのはマスターズのある場所だった。

 

「ありがとうございますレキ様!この村上正感動で身が引き裂かれそうです!必ずやあなたの幸せのために!みんな続けぇ!」

 

「「「おおおおおおお!」」」

 

どたどたと村上達はマスターズに突っ込んで言った。

いやいや!助けてくれたのは嬉しいけどあいつら死ぬよレキさん!本当はあいつら嫌いなんじゃないのレキぃ!

 

「ぐふ」

 

満足そうにハイマキが唸った。

 

「ありがとうなレキ」

 

とりあえずお礼は言わないとな

 

「はい」

 

結局、レキは無表情なままだった。

ちなみに、村上達はマスターズを走り回り俺を捜索したため蘭豹に半殺しにされてレキ様ファンクラブは一時、壊滅状態になったそうだ。

そのまま潰れろお前ら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「椎名優希!……先輩」

 

ん?

隼で帰るかとレキと別れ、村上達の世紀末のような悲鳴を聞きながらロジの駐輪場に向かう途中聞いたことある声がした。

ちなみに、服は仕方ないからワイヤー使って強襲し理子から奪還した。

まあ、理子は飽きたのか部屋にいなかったが……

見たくないものをみたという顔をしてるのは後輩でありアリアのアミカの間宮あかり、ちょっとしたことから刀をぶつけた同じく後輩の佐々木志乃、以前ラーメン食った二人もいるな。

島麒麟に火野ライカ

「ようお前らも帰りか?あれ、マリは?」

 

「マリは今、クエストでいません。椎名優希先輩こそまた、女遊びですか?」

 

へ?あれ?おかしいな……土方さんの話では結構都合よく記憶改竄したはずなんだけどステルスで……

 

「ふっ」

 

佐々木志乃がヤンデレ目であかりの後ろから鼻で笑った。

ああ……なるほどお前か……俺が隼であかりを半分拉致したのを根に持ってあることないこと吹きこんだんだろうな……

「女遊びって……俺今日、普通に過ごしてただけなんだけど……」

 

まあ、理子やレキ達と話ぐらいはしたがな

 

「……」

 

疑うような視線。

うーん、実は俺間宮のこと嫌いなんじゃないんだけどな……努力家だしなんだかんだでランクもあげている。

実力を隠すと3年みたいなことしてる俺だけどな……

 

「椎名様、あきらめた方がよろしいですわ。間宮様は完全にあなたを敵と認識してましてよ」

 

麒麟が微笑みながら言ってくる。

 

「同情はさときますけど」

 

と火野ライカ

 

「ああ……じゃあ、帰るわ俺」

 

とぼとぼと歩き出すと後ろからあ!そう言えばアリア先輩がと間宮の悲鳴が聞こえてきたが俺は振り返らなかった。

女は怖いなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に途中で拾ったキンジと隼で帰るとアリアが外出の準備をしていた。

 

「キンジ、優!」

アリアはハイテンションに指ピストルで俺たちを撃つような仕草をしてからウインクしてきた。

かわいいすぎる仕草だ。

 

「きのう理子からメール来てねまだ疑ってたから黙ってたんだけど……いま、理子が台場でママの弁護士に会ってるんだって!あたしも行ってくるわ」

 

アリアは制服のまま、俺たちを押し退けるようにして靴をはく。

 

「弁護士から電話があったの!理子の証言を使えば差戻審が確実になるって!土方さんも非公式にだけどママの弁護士に協力してくれてるし!」

 

おお!最高裁じゃなくて高等裁判所に証拠が問題だからやり直せとできる状態か!

ごたこたはあったが理子約束守ったんだな

 

「やったな……よかったなアリア」

 

とキンジ

 

「おめでとう」

 

「やったわやったわ!」

 

三人でハイテンションに手を繋いで笑いあう。

はっと我に帰ったアリアはニコニコしたまま、

 

「じゃあ行ってくるね」

 

パタンと扉を閉めてアリアが出ていったのでキンジも俺もパソコンのメールチェックをするために部屋に入る。

実は理子からメールが来ているのだ。

パソコンに送ったから見てねとウインク画像つきのメールだ。

理子のファンが見たら売れるかもしれんが……

やらないけどな

 

「お!」

 

開いてみると理子の前にメールが来ていたのはWEのイニシャルおお、なんか久しぶりだな。

 

題名 久しぶりだな椎名

 

本文 いろいろあって最近はメールを出せずにすまなかった。

さっそくだが、死にかけたらしいけど体を大事にしろ。

僕が近くにいたら治してやれるがいない場所で死なれても目覚めが悪い。

大体君は……

 

長々と嫌味というか心配する内容だったのですっ飛ばして最後に至る

 

本文 追伸、未確認情報だがRランクが日本に密かに入国したという情報があり。関係ないかもしれないが一応、注意しておけ以上だ。

また、暇を見つけてメールする。

 

 

 

相変わらずだねあいつも……

そういや、暫く会ってねえな……

メールの相手は俺の海外の友人だ。

何人か記憶がある友人がいるがこのメールの相手は組織を動かせる立場の人間だ。

昔、姉さんに紹介されて友達になったんだ。

ま、たまにメール送る仲だけどな。

さて、次は理子のメールか……

フラッシュファイナルが添付されてたので開くと

 

『ユーユーは大変なものを盗んでいきました。あなたの心です』

 

首吊りしているアリアの後ろ姿、本を読む白雪、妖精みたいに飛ぶレキ、音楽隊の武藤、不知火などがめぐるましく出てきて消えていく。

すげえな理子が作ったのか……

 

そして、メールが差した場所は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工浮島

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キンジも同じメールを受け取ったらしく共に飛行機の残骸が残る人工浮き島に行くと俺とキンジは絶句して止まった。

一人は髪の長い綺麗な女性だった。

優雅に左の翼に座っている反応的にキンジの知り合いか……

だが、俺が驚いたのは胴体中央に腰かけて不適に笑っている少女の姿。

 

「くっ!」

 

ワイヤーで一気にもう一人の女性と離れた場所にいる彼女の前に降り立つ。

怒り、悲しみ、喜び、困惑が俺を支配する。

 

「なんでだよ……」

 

「?」

 

不適に笑いながら彼女は顔を俺に向けている。

 

「なんで生きてるんだよ!姉さん」

 

 

「ローズマリーはRランクだ。それを倒した実力、姉として弟の成長うれしいぞ」

 

彼女は立ち上がると

「なあ、優希」

 

間違いないこの圧倒的な威圧感。

彼女は……

 

「じゃ、殺しに行くか?アリアを?」

 

「なっ!」

 

かつて、世界最強として大国すら震撼させた存在。水無月 希……いや、姉さんは言った。

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