緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第153弾 封じられたRランク

アリアを助けられなかった……

また俺は……

 

「う……」

 

目を開けるとそこはどこかの建物の中のようだった。

 

「ここは……」

 

「優さん」

 

「うわ!」

 

いきなり、レキが俺の視界に飛び込んできたのでびくっとしたが、なぜかレキは俺の頭の上から覗き込むように……

 

「れ、レキ」

 

「桟橋で倒れていたキンジさんと優さんを見つけてみなさんとここに」

 

「ここはどこだ?」

 

「ロジの建物の廊下です。キンジさんは休憩室に」

 

「そうか……って!」

 

今、気づいたがレキに俺、膝枕されてるぞ!

しかも、武偵高の制服のスカートは短いから生足に

 

「?」

 

琥珀色の無表情のレキから慌て逃げるように起き上がった直後

 

「起きましたか優君」

 

絶対零度の声に慌てて振り替えるとステルスのエネルギー補給のためか、お菓子を山盛りにした秋葉が立っていた。

その横にはフフフと笑いながらアリスがいる。

 

「いやぁ、お兄さん毎回毎回、本当に怪我しますねぇ。そんなに私に診てもらいたいんですか?」

 

「そんなわけないだろ!」

 

「レキさんに膝枕されて優君気持ちよさそうに寝てました……あむ」

 

がぶりと板チョコをかじった秋葉

な、なんか怖い

 

「そ、それはそうと今、何時だ!あれからどれだけ時間が過ぎた?」

 

「今は午前6時30分、アリアが撃たれてから12時間と少しだ」

 

ガチャっと休憩室の扉が開いてデュランダルを杖にしながらジャンヌと右目にハートの眼帯をした理子、そして白雪が出てくる。

 

「なんだって!」

 

そこで、初めて気づいたが俺は女装ではなく、武偵高夏服に着替えさせられていた。

大方、秋葉か

 

「キー君はまだ、寝てるけど時間がないから説明するね」

 

と理子が説明を始める。

事情はレキ達に聞いたらしい

 

「アリアはね東経43度19分、北緯155度03分、太平洋、ウルップ島沖の公海。理子がアリアにこっそりつけといたGPSがそういってるよ」

 

日本からそれほど離れちゃいないな……

とはいえ2000kmほど離れているが……

 

「秋葉、実家に協力を要請はしたのか?」

 

形振り構ってられない。

月詠や土方さんにも協力を要請しよう

癪だが沖田にも……

「すでに、月詠様を含めた援軍が動いています。遠からず到着すると思います」

月詠は俺より強い。

これでパトラは倒せるだろう。

 

「その話し、俺らも乗るぜ優希」

 

「土方さん、沖田!」

 

廊下の向こうから公安0の土方さんと沖田が歩いてくる。

Rランク2人、これなら確実に……

 

「後は俺達公安0に任せろ。聞いた話じゃ、パトラはイ・ウーを退学したらしいじゃねえか。なら俺らも動ける」

 

「いや、土方さん俺達も……」

 

「邪魔なんだよ。パトラって僕が戦ったあの女でしょ?僕一人で殲滅してあげるよ」

 

沖田が微笑しながら言った。

 

「刹那、目的は神崎アリアの救出だ。忘れんじゃねえ」

 

「それは土方さんがやったらどうですか?僕は敵だけを相手にしますから」

 

「ちっ、パトラはなるべく生かして捕らえろ。それで……」

 

土方さんが白雪達を見回した時、土方さんの携帯が鳴った。

「ん?土方です」

 

相手が上役なのか、土方さんが敬語で話している。

 

「ええ、これから救出に……何?それはどういうことだ近藤さん!」

 

近藤?確か、今の警視総監は……

 

「待ってくれ近藤さん!ちっくそったれが!」

 

土方さん舌打ちしながら携帯をポケットに入れた。

 

「どうかしたんですか土方さん?」

 

不安になって聞くと土方さんは舌打ちしながら

 

「前言撤回だ俺達は動けねえ」

 

「なっ!」

 

「公安0が動くなら日本に核攻撃を行うとイ・ウーから非公式に通達があったそうだ……」

 

か、核攻撃だって!

「それは私達も同じです」

 

「月詠様」

 

秋葉の声に振り向くと和服姿の月詠は穏やかに微笑みながら一礼する。

 

「お久しぶりです。皆様」

 

「月詠……日本のもう一人のRランクか……」

 

ジャンヌが言うのを聞きながら

 

「月詠、やはり椎名の家というかお前にも……」

 

と、俺が聞くと月詠は頷きながら

 

「公安0に出された警告とほぼ同じ内容が私達にも届きました」

 

やられたな……核攻撃をカードに日本最強クラスの戦力は封じられた訳だ。

 

「椎名の家ってことは俺も含まれてるのか?」

 

月詠が首を横に振った時

 

「貴様は含まれていない」

 

「鏡夜!」

 

月詠に遅れて廊下から歩いて来たのは俺の弟鏡夜だ。

 

「お前も来てくれたのか?」

 

「勘違いするなクズ、俺はお前を助けに来たんじゃない。あのパトラは俺達椎名にスカラベを差し向けた。倒す理由はそれだけだ。まあ、無駄足になったようだがな」

 

椎名の家ということは当然、鏡夜も含まれてる訳か……

 

「おい、優が含まれてないとはどういう意味だ?」

 

理子が男喋りで鏡夜に聞いている。

鏡夜のこと理子嫌いだからな

 

「ふん、ただ、1つの例外は椎名優希のみは椎名の家という枠から外すと通達があっただけだ。どういうつもりかは知らないがな」

 

「そうか……」

 

大方姉さん辺りが何かしたんだろう。

 

「ところでアリアが拐われた海域に行く手段はあるのか?」

とジャンヌに聞くと

 

「行く手段はある。だが問題は誰が行くかだが……」

 

「俺が行く!」

 

「私も行きます」

 

真っ先に俺と白雪が名乗りを上げる

 

「星伽はともかく、椎名、お前はその腕で行く気か?」

 

 

腕?

慌てて気づかなかったが左腕にはギプスが巻かれて固定されていた。

そうか、姉さんに折られた……

 

「山洞はまだ、ステルスが完全に回復していないし私や理子はこの有り様だ」

 

 

「その目どうしたんだ理子?」

 

「パトラのスカラベに呪いをかけられたんだ……完治には一週間はかかるよ」

 

「スカラベ?」

 

鏡夜も言ってたな

 

「あのジャッカル男達の中にいた虫です優君」

 

「恐らくはアリアも呪われていたのだろう。海の真ん中で水上バイクがエンストし、狙撃されたからな」

 

ジャンヌの説明に舌打ちする。

卑怯なやつだ

 

「行くのはアリアのチームメイトの遠山と星伽でいいな椎名?」

 

くそ……

 

「分かった……」

 

アリア救出に俺は参加できない……

こんなに、アリアを助けたいのに

片手でも戦えるのに……

 

「決まりだな」

 

ジャンヌは一同を見回し、

「アリア救出は遠山キンジが目覚め次第、星伽白雪と二人で行う」

 

今まではアリアの近くで護衛できた……でも、今は任せるしかないのか……二人に……

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