緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第24弾 ヤンデレ強襲

深々とその金属は肉を貫いて彼女の意識を奪っていく。

目を見開く少年は泣き叫びながらその相手の名前を呼び続ける。

相手は口元に微笑みを作り俺の頭をなでて力なく崩れ落ちた。

そして、相手の背後には炎の中たたずむ紅の瞳を持つ銀の髪をした魔女がいた。

妖艶な笑みを浮かべながら女は笑う。

 

「おいしそうですわ。 でも、今は食べ頃じゃありませんの。 いつか、会いにいきますわ。優希」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイジャック事件から5日後、救護科にOKの診察を受けてから俺はクエストを受けて学園島の外、東京の街中に来ていた。

どこぞの金持ちの坊ちゃまの護衛任務だったのだが特に何かおこるわけもなく。

終わってしまった。

アリアやキンジを誘いたいところだったが募集はアサルト1名だったのでやむおえず来たのだが・・・

 

「さて、これからどうするかな?」

 

腕時計を見ると午後6時、空も暗くなりつつあるこの時間、珍しいのかどうか知らんが武偵高の制服に身を包む俺をちらちらとみてくる人を適当に無視しながら歩き出す。

晩御飯どうしようかな?

うーん、さっさと帰ってコンビニ弁当ですますか?

よし、そうしよう。

アリアもいるだろうしな。

実は、アリアはあのハイジャック事件の後、キンジの部屋に戻ってきてしまっている。

俺とキンジの切り替えモードの鍵を探るのが目的らしいが・・・

ああ、いいたくねえ

切り札は隠すからこそ意味があるんだからな。

同居は勘弁してくれと言うキンジに理子を捕まえてないから武偵殺しの件は解決してないと言われてしまいキンジはしぶしぶ納得したのだ。

 

「や、やめてください!」

 

ん?

そんな声が聞こえた俺は路地の裏の方から聞こきえた方を見る。

断片的だが男の集団と女の声が聞こえてくる。

なんだよ

一瞬、無視するという選択肢がよぎるがこういう時、俺は動かずにはいられない。

路地に入ると予想通り3人の柄の悪そうな男たちが女の子を囲んでいた。

 

「おい、お前らやめろよ」

 

「ああ? なんだてめえは?」

 

鼻にピアスを開けてサングラスをつけモヒカンというあり得ない格好の男が俺に酒臭い息を吹きかけてくる。

くせえな

 

「その子、嫌がってんだろ? やめてやれよ」

 

「ハハハ、勇敢な子でちゅね。 でも、正義の味方ごっこなんかしたら死んじゃいまちゅよ」

 

馬鹿にしたようにUSAと帽子をつけた髭の男が俺に向かいいきなり、メリケンをつけて殴りかかってきた。

理子のナイフの一撃と比べりゃ止まって見えるな。

最低限の動きでそれをかわすと俺は男の後ろに回り込むとワイヤーで男の首を軽く絞めた。

 

「ひっ!」

 

男が小さな悲鳴を上げる。

 

「の、ノリちゃん!」

 

モヒカンの男が仲間を助けようと動こうとする。

 

「お前らが動くよりこいつの首を千切れ飛ばすほうが早いぜ?」

 

「や、やめ・・・」

 

ノリちゃんという男が仲間を止める。

そうそう、いい子だ。

ぎりぎりと力を強め、首を絞めながら

 

「なあ? 帰ってくれないか? お前らが束になっても武偵高のアサルトの人間には勝てねえよ」

 

「こ、こいつ武偵か?」

 

今更気付いたらしくモヒカンが悲鳴を上げる。

 

「なあ?まだ、やるか?」

 

戦闘狂の笑みを浮かべる。

あの暗示はかけてないが顔だけなら演技は可能だ。

この手合いは圧倒的な戦闘力を見せつければ逃げるからな。

ぎりぎりと力を込めるとノリちゃんはこくこくと頷いてきたので解放してやる。

 

「げほげほ! ちくしょう覚えてろ!」

 

慌てて逃げて行ってしまう3人

おお、王道なセリフだな

さてと

俺は、女の子の方を見た瞬間、その子はいきなり俺に頭を下げてきた。

 

「あ、ありがとうございます!助けていただいて!」

 

「い、いや気にするな」

 

どもったのはこの子めっちゃ美人なんだよ。

大きな黒い瞳に栗色の髪は肩までのツインテール。

理子やアリアと違い、子リスを想像させる容姿だった。

 

「じゃあな。 後は一人で帰れるだろ?」

 

時計を見ながら立ち去ろうとすると

 

「あ、あの名前!」

 

「ん?」

 

「名前を教えていただけませんか?」

 

名前ぐらい構わんかな?

 

「武偵高アサルト2年、椎名 優希だ」

 

それだけいうとさっさとその場を後にする。

美少女との出会いは嬉しいんだがさっさと帰らないとアリアに逃げただのと言われるからな。

 

 

 

 

 

繁華街の喧騒の中、栗色の髪の少女は彼の後姿を見ながら

 

「椎名・・・優希・・・先輩・・・た」

 

小さくつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオオンバリバリバリ

な、なんだ!

ようやく、学園島に戻り、ものすごい音が聞こえたのでキンジの部屋に飛び込むと俺の目の前を45ACP弾が通り過ぎて行った。

 

「うお!」

 

慌てて、外に飛び出すと中から

 

「この泥棒猫!」

 

「なんなんなのよ!」

 

と、アリアのアニメ声と・・・

 

「し、白雪だと!」

 

あのキンジ大好き好き好き好き大好き!のヤンデレさんということは・・・

キンジとアリア同居→キンジをアリアに取られた→許すまじアリア抹殺!キンちゃんだまされないで!

分かりやすい。

なんてわかりやすい構図なんだ。

というかこれを止められるキンジは・・・

ああ、防弾物置に退避しやがったな。

一瞬、依頼人との護衛の話を思い出すがまあ、こいつは別に大丈夫だろう。

 

「うう! この泥棒猫! キンちゃん様から離れろ!」

 

「この!風穴あけてやる!」

 

ホームズVSバーサーカー白雪ね・・・止められるわけないだろ・・・

部屋の中は戦争のような銃撃戦と暴れる音が聞こえるし

命がいくらあっても足りねえよ。

俺はため息をついて戦いが終わるまで廊下で携帯をいじる。

ま、そのうち終わるだろ

 

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