緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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お久しぶりです!生きてますよW


第259弾 壮絶なる修羅場

いつもの、早朝訓練。

俺が土方さんの家を拠点にしたのは理由はいろいろあるがそのうちの1つがこれ

 

「私は魔弾。魔弾はただ相手を貫くのみ」

 

 

鈴さんの声と発砲音と共に意識を集中しその感じた場へ紫電を振るうがそれは空を切る。

背中の防弾ジャージに衝撃を感じて前へ1歩出るがそれで、俺は死んだ。

ひたりと金属の感触が首筋に当てられたからだ

相手がその気なら首を切られて終わりだ。

 

「ま、参りました」

 

「・・・」

 

スッと無表情に10代と言われても通じそうな容姿の鈴さんがナイフを引っ込める。

鈴雪土月花の鈴の鈴さん。

土方さんの・・・正式にはまあなんというか・・・奥さんというかなんというか

今日の早朝訓練には鈴さんが付き合ってくれているのだが・・・

 

「私に参ったと言わせるか時間切れまでやります」

 

そう、4時から始めたこの早朝訓練で俺はすでに7度殺されている。

分かっていたがこの人めちゃくちゃ強い。

当然姉さんには及ばないのだろうが空間跳躍射撃だけでも厄介極まりないステルスなのに接近戦も半端なく強い。

これで狙撃手とか嘘だろというレベルだ。

それでいて、汗一つかいていないいう・・・

俺はすでに汗だくなのに・・・

 

「緋刀の力に頼りすぎたつけ」

 

鈴さんが言うには最近俺は緋刀の能力に頼りすぎて剣士としての感覚が若干弱まっているらしい。

耳の痛い話・・・

 

「雪羽なら見切る」

 

この人の言う言葉は少ないのだが言っていることはわかる。

雪羽さんなら空間跳躍射撃を弾き鈴さんの接近を撃退できるといいたいのだ。

というのもこの距離限定なら

 

「雪羽の方が強いです」

 

それが義手になる前か今もなのかは分からないがいずれにせよ俺はまだまだ、怪物のレベルには至っていないらしい・・・

 

「当然歳にも勝てない」

 

ですよねぇ・・・

鈴雪土月花全員伝説級の強さですし・・・

武の世界にいるのやめようかなと自信を打ち砕かれるレベル・・・

この人たち姉さんがいたとはいえ本気で侵略しに来たソ連軍を外国で撃退してるし・・・表の歴史にはそんな記述はないが裏の世界では伝説級の話として一部では語り継がれている。

直後にソ連が崩壊したためソ連はこの人たちに滅ぼされたとまで言われているが

これは偶然。

同じことを俺ができるかと言われれば絶対無理

何なのこのチート集団ってのがこの人たちわけなんだけど

 

「跳躍射撃もお話にならない」

 

「う・・・」

 

武偵弾であり俺たちの仲間限定のステルス内包弾。通称魔封弾の鈴さんのステルス。

ありえない場所に銃弾を撃ち込めるのだがこれを使うのはかなり大変だ。

これをメインステルスにして戦えと言われても正直俺には無理。

そもそも、この魔封弾は相手の虚を突くことは可能だが正規には勝てない。

炎のステルス使いに炎の魔封弾で戦っても絶対に勝てないというわけ。

付け焼刃のステルスではそれを極めた連中には通じないということだ。

当然、鈴さんにも空間跳躍射撃を見てもらっているのだがはっきり言えばまったく通じない。

まあ、当たり前なんだけど・・・

鈴さんの言葉はぐさぐさ来るものばかりだな・・・

 

「でも筋はいいし才能はある。多種多様戦闘スタイルを使いこなしてるのは相手にとっては脅威」

 

「ありがとうございます」

 

俺の戦闘スタイルは基本は刀だ。

それにワイヤーや銃を使い。切り札に緋刀という感じ。

 

「同世代が相手なら簡単には負けない」

 

同世代か・・・正直俺の世代の奴らって化け物だらけなんだけどな・・・

信冬や秋葉、それにキンジ達バスカービルのみんなだって本気でやりあいになったら勝利は簡単なことじゃないし

まあ、それぞれ戦い方が違うんだけど

そういえば・・・

 

「鈴さんはジサードと戦ったことありますか?」

 

「戦ったことはない。戦いを見たことはある」

 

「俺とジサードはどちらが強いですか?」

 

「どちらともいえない」

 

答えてはくれないか・・・

 

「サードのことを知りたいの優?」

 

振り返ると庭に武偵高制服を身に着けた紅葉が歩いてくるところだった。

っておい!

 

「武偵高に入学するのか?」

 

「そうよ。優の近衛になるんだから。学年も同じ2年。クラスも同じにしてもらった」

 

なんてこった・・・つうかまた、俺のクラス転校生がくるのかよ。何人目なんだ。

ここまでくると裏技的な何かを感じる・・・

水もそうだったし秋葉も・・・信冬も・・・

まあひとまずそれは置いといてはっきり言っておくか

 

「あのな紅葉、俺の近衛は・・・」

 

「サードと優。勝つのはサードよ」

 

秋葉なんだと言おうとしたら遮られた。

まあ、言う機会はいくらでもあるか・・・サードのことも聞いておきたいし

 

「緋刀状態で戦ってもか?」

 

「殺し合いなら多分、優が勝つ。武田信春に使ったあれを使えばね」

 

緋緋因光斬のことか・・・

あれはチートにもほどがあるが確実に相手を殺してしまう技なので武偵の俺には使い道が難しい。

殺しのライセンスは持っちゃいるが非殺傷バージョンの開発も今のところ形にはなっていない。

未だにあれは殺人技だ。

 

「武偵としてサードと戦うなら勝ち目はない。サードは対人戦では私の知る限り無敗、少なくて同世代では最強クラスかもしれない」

 

今までもぎりぎりの戦いの連続だったが・・・サードとは交戦は避けるべきなのかもしれんな・・・

 

「戦闘スタイルは接近戦。拳での戦闘スタイル。拳は剣より強いはサードの言葉」

 

格闘家ってことか・・・

あまり戦ったことがないタイプだな

 

「可能ならサードとは戦わないで。仲介が必要なら私が間に入るわ」

 

「考えとく」

 

強い相手には話し合いで解決・・・それも選択肢の一つだ。

サードもそうだがフォース・・・いや、かなめだったか?

その問題もあるしなぁ...

あ、そうだ一応聞いとこう

 

「姉さんとサードはなら?」

 

「そりゃもちろん希さん」

 

そうだよなぁ・・・ちょっと安心

これでサードが姉さん以上とか言われたら勝ち目なんてない

 

「あれ?そういえば紅葉なんでいるんだ?泊めてもらえなかったんだろ?」

 

昨日あの後、紅葉は泊まることを辞退し家を去った。

俺たちには止める理由も見当たらなかったので帰したのだが再び土方さんに許可をもらい入ってきたのだろう

 

「バイク通学なんでしょ?学校の場所教えてほしいの」

 

               ±

 

女子とバイク通学。

彼女のいない俺だが結構色んな子としている。

アリアやレキ、秋葉もそうだ。

そういやアリスともしたな。

 

「ありがとう」

 

駐輪場で フルフェイスのヘルメットを取り紅葉が言う。

隼で女子を載せて通学すると否応なく声が聞こえてくるのだ。

 

「おい、椎名また、女変ってるぜ」

 

「うわぁたらし椎名また?」

 

「今度はどこの子だよ?見た覚えねえなぁ」

 

「ちっ、しかも可愛い女子かよ」

 

「椎名ぁ!会長に報告しなくては」

 

と、あちこちから聞こえてくる声に俺はうんざりだよ」

 

「優って女をひっかえてるの?」

 

「あいつらの言うことは気にするな俺は彼女いない歴=年齢なんだ」

 

泣きたくなるセリフだが仕方ない

 

「彼女欲しい?」

 

「どうだろうな?欲しくないといえばうそになるが・・・」

 

今の状況で彼女作ったらどうなるか・・・

うーん分からん

 

「それよりマスターズに行くんだろ?ついて来いよ」

 

そう言って並んで歩きだすが

 

「私がなってもいいわ」

 

「いきなり何言うんだ・・・」

 

「近衛は場合によっては世継ぎを作るために・・・」

 

「ああ、分かった、。言わなくていい」

 

つまり、まだ認めてないけど近衛としてってことか・・・

 

「俺はそう言った目的で近衛の連中を見てないんだよ」

 

「誰か本命がいるとか?」

 

「ああ・・・」

 

一瞬、アリアの顔が浮かぶが残念がら失恋済みなんでな

 

「今はいない」

 

「今は?前はいたの?」

 

「はぁ?なんでそうなる」

 

「もしかしてあの子?」

 

この子があの子ってことは・・・

 

「いや、秋葉じゃないぞ」

 

「私は秋葉なんて口に出してないわ」

 

墓穴を掘ったわねという顔に少し慌てて

 

「ちょっ!違うぞ!秋葉はそんなんじゃない」

 

「じゃあどういう存在なの?」

 

「秋葉は・・・」

 

あいつは俺の命に代えても償いをしないといけない奴・・・

だが、それを言うなら紅葉もだ・・・

葉月さんとこの子は確かに親子だ。

そういった意味ではこの子も秋葉と同じ

そういう意味では

 

「紅葉と同じで俺にとってはかけがえのない子だよ」

 

「っ!」

 

ぼっと音がしそうなくらい瞬間的に紅葉が赤くなり顔を背けた。

あ、あれ?俺なんか間違った?

 

「私もかけがえのない存在なんだ」

 

「? あ、ああ」

 

「フフフ、そうなんだ♪」

 

なんか雰囲気が・・・

 

「紅葉?」

 

紅葉ははっとしたように慌てて

 

「なんでもないわ」

 

と元に戻る。

今の違和感・・・いや、確信がない状態で言う必要はないな

うお!なんか突風が後ろから・・・

 

「今のどういうことですか優君」

 

風が冷たくなっていくジャンヌの氷のように・・・

 

ギギギと機械のように振り返るとそこには武偵高制服姿で無表情に・・・だが確かに激怒している俺の近衛秋葉さんがいた。

う、うん曹操が逃げまくって関羽に遭遇した瞬間ってこんな気分だったんだろうなぁ・・・

げぇ!関羽ならぬ秋葉だけど・・・

 

「よ、よう秋葉戻ったんだな」

 

「さっき戻りました。連絡を受けていたので直接学校に来たのですが聞き捨てならない言葉が聞こえましたので」

 

「ち、ちなみにどこ?」

 

「紅葉は俺にとってかけがえのない子だよというところです」

 

微妙に違ってない!ねえ違うだろ!

 

「ま、待て!秋葉お前は誤解してるぞ!」

 

「誤解?何を誤解してるんですか?」

 

ごおおと風が荒れ狂う。

この周辺だけけが台風のように風が荒れ狂っている。

だが声だけが聞こえるのは調整しているのだろう

 

「く、紅葉はな」

 

「優のかけがえのない存在よ」

 

そういってそっと抱き着いてくる紅葉

おいこら!

 

「・・・」

 

ひいいい!無表情に風を強めないで秋葉さん!

 

「諦めたらどう秋葉?優は私を選んだの」

 

「どういう意味ですか?」

 

「分からないの認めてはいないけど姉なのに」

 

「事情は理解してます。ですが今は優君に聞いてるんです」

 

ぎろりと無表情ににらまれ俺は内心で悲鳴を上げる。

どうすりゃいいんだよ!

 




というわけで未だにサード編をさまよう男草薙です!

このサード編辺りから緋弾のアリアはいろんな方面に広がっていくんですが同じように優もこれまでと同じ原作沿いではなくたまに違う問題にぶつかることになります。

もちろん、原作とほぼ同じ戦いは起こるのですがそれはまた、違う場所。

今回のサード編はキンジ達はもちろん、サードやかなめと絡んでるルートを通るのですが優は山洞姉妹の問題でぶっちゃけますとサードやかなめどころではなくなりますW

まあ、もちろんなんの絡みもないわけではなく原作通りキンジとサードの戦いの近くにはいきますよ!

さて、もう見てくれてる人がいるのか疑問ですが(毎回いってるなW)
姉妹に挟まれて今回も大ピンチの優君の明日はどちらだ!

姉妹丼という幸せルートは次話にはありません!

ではでは

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