この話は今回で最終話となります。
よろしくお願いします。
ぜぇ…ぜぇ…
病気はまだ? あとどれくらい?
足が重い。
元々運動は得意ではない。
それなのに自然と足が動いている。
そう、その理由はたった一つ。
「櫻子に会いたい!」
確かに、あの日は本当に腹が立った。
櫻子の話をよく聞かず、自分の事しか考えていなかった。
結局、私には櫻子がいないとダメなんだ。
櫻子のことが大好きだから…!
その想いだけが今の自分を突き動かしている。
あの時、櫻子は小さな女の子を庇って怪我をしたんだ。
櫻子らしいじゃない、良くも悪くも真っ直ぐでひたむきで…
櫻子はただの馬鹿じゃないんだ、自分に嘘がつけない正直者なだけなんだ。
病院が見えてきた。
足がちぎれそうな程に痛かったが、櫻子のいる病室へ急ぐ。
病室が見えてきた、あそこに櫻子が…!
病室の扉を勢い良く開けた。
しかし、そこに櫻子の姿は無かった。
どうして?
なぜいないの?
しばらく病室で呆けていた。
櫻子がいるはずの部屋、早く会いたいのに櫻子はいない。
「どう…して…?」
呆けてばかりじゃいられない。
櫻子のあの足では病院の外へは出られないはず。
病院の中をくまなく探し回る。
診察室、待合室、受付所、トイレ…
しかし、どこにもいない。
何でいないの、どこかで入れ違えてしまったの?
病室に戻ってみたが、それでも櫻子の姿は無かった。
「さ、櫻子…?」
〈櫻子ちゃん、リハビリ始めたみたいだよ。〉
〈止めておいた方がいいって言ったんだけど…〉
〈言うこと聞いてくれなくて…〉
そうか、リハビリ室!
きっとそこに櫻子はいる!!
咄嗟にリハビリ室へと駆け出した。
無我夢中に。
道行く人や看護師さんに注意されていたが、全く気にしなかった。
一刻も早く櫻子に会いたかった。
リハビリ室…!
床に崩れ落ちて泣きじゃくる女の子の姿が、そこにはあった。
~
向日葵…向日葵……!
何で来てくれないのさ?
最後にあんなこと言っちゃったから?
あのね、向日葵…私、本当は……
会いたいよ、向日葵……。
涙が溢れ落ちる。
理由はもう分かっていた。
でも今の自分にはどうすればいいのか分からない。
もうこれから向日葵とは会えなくなってしまうのかもしれない。
仲直りできず、喧嘩したまま離れていってしまう…。
そんなの嫌だ!
向日葵…寂しいよ……
「ふぇぇえぇん、向日葵…私、どうしたら…?」
その時、扉を開ける大きな音が響いた。
顔を上げると、そこには憔悴した向日葵がいた。
向日葵は駆け寄ってきて、私を強く、優しく、暖かく抱き締めた。
~
「ひ、ひま…わ…」
「櫻子、櫻子…!」
「ふっ…うっ…グスン」
「ずっと来なくてごめんなさい!」
「うわあぁぁぁああぁぁん、向日葵~!会いたかった~!!」
耳元で櫻子が泣き叫ぶ。
ずっと声が聞きたかった、顔が見たかった、この温もりを感じたかった。
「櫻子、あなたは本当に困った子ですわね。」グスン
涙がこみ上げてきて、抑えられない。
「向日葵だって…クッキー焼いてきてくれるって…言ってたじゃんかぁ~!」グスン
「本当、私もとても馬鹿でしたわ。櫻子、あなたに伝えたいことがあるのです。」グスン
「ひ、向日葵…?」
「櫻子、あなたのことが好きです。大好きです。愛していますわ。もうこれからひと時も離れたくない。ずっとあなたの隣で笑っていたい。今回のことでよく分かりましたわ。櫻子、私にはあなたがいないとダメみたいですわ。」
小刻みに震えていた櫻子の肩が止まる。
櫻子は泣き顔でありつつも、暖かい目で、どこかとても晴れた、太陽のような笑みを浮かべる。
「ありがとう、向日葵。私も向日葵のこと大好きだ。これからもずっと向日葵の隣にいたい。向日葵と一緒に助け合いながら生きていきたい。こんな私でよければ、お嫁さんにもらってよ。」
「なに、馬鹿なことを。お嫁さんは私ですわ。」
「いいじゃん、どっちも嫁でさ。」
「ふふっ。」
「な、何さ?」
「いいえ、お互いにお嫁さんとして一緒に生きていきましょう。」
「へへ、ありがとう。」
「先程は騒ぎ立ててしまって申し訳ございませんでしたわ。」
「でした!」
「こら、ちゃんと謝りなさい?」
「えへへ~。」
「何よ、不気味ですわね。」
院内を走り回ったこと、泣き喚いたこと、他にも、患者さんや看護師さんに迷惑をかけてしまった。
「もともと走り回ったのは向日葵だけじゃん、私はこんな足だから走れないし。」
「そういう櫻子こそ、さっきまで泣き喚いていたではありませんか。」
「な、向日葵だって泣いてたじゃん!」
「っ!…そ、それは………」
皆は笑って許してくれた。
どうやら、さっきの仲直りが見られていたようで、恥ずかしい……………。
「向日葵、お腹空いた~!」
「はいはい、クッキーを焼いてきますわね。」
〔 完〕
読んでくださり、ありがとうございました。
圧倒的語彙不足と、文章を書くのが苦手なもので、内容が伝わりづらい話になっていたと思います。
ですが、こうして無事、完結することができました。
ネタが思いついたらふらっと書こうと思いますので、これからもよろしくお願いします!