「完成だ!この装置があればノイ、君はあの第3刃に勝てるよ」
俺はノイに装置を見せびらかす。
「このヘンテコなのがかよ」
「ヘンテコではない。これは愛染様の力を真似て作ったものだ。試作段階のため数秒だけだが幻影を作り出す。そしてなんといっても素晴らしいのが十刃にも有効だということだ」
エルが機械の説明をする。
「俺はネリエルとノイの間にあるのは力じゃなくて経験の差だと思うんだ。この装置で傷を負わせて、傷が回復する頃にはノイも経験がついてネリエルに勝てるはず」
「………」
「数秒あればノイなら後ろに回り込んで攻撃出来るでしょ。そこには経験はいらず、力の差で決まるのだから」
「それで…どうすんだ?」
「あの女ってさ、虚とは思えないほど優しいでしょ。そこを狙おうと思ってさ」
「優しい?」
「そう、彼女が優しさを与えてる対象、従属官がいるだろう」
「従属官をやるのは俺がやるからエルは機械の準備、ノイはネリエルをやる準備しといてね。じゃあ早速行ってくるよ」
俺は第9宮から出ていく。
ネリエルの従属官、ペッシェとドンドチャッカをやりに。
あ!いたいた。
「そこの君たち〜ちょっといいかな?」
原作部分ではあの2人阿呆なキャラなのにあんなイケメンなんだ。
なんかムカつく。
「なんだ、貴様は。あと少しで晩御飯の時間なのだ。後にしてくれ」
「ネル様が心配するでヤンス」
こんなんなのに。
「大丈夫、時間は取らせない。ああ、自己紹介が遅れたね。俺は第9十刃アーロニーロ・アルルエリだ」
「これは十刃の方でしたか。申し訳ない。それで、用件は何なのだ」
「せっかちだな。ああ、用件だったな。用件は第3刃、君たちの主人を呼び出す為の餌になってくれないか?」
「っ!?」
「残念だけど答えは聞かないんだ」
ドンドチャッカとペッシェの胸から剣が生えている。
後ろから近づいてもらったルドの量産破面の刀が2人の体を後ろから貫通したのだ。
この量産破面なのだがルドが親ともいえる筈なのに俺の言う事を聞く。
っていうか命令を聞く順をピラミッドの形にしたら一番上に俺がくる。
ルドが俺を心酔しているからなのか灰化幼虫の性なのか未だ分からないがどっちもやっちまったという事には変わりない。
量産破面に2人の体を固めて跪ずかせる。
さて、やるか。
量産破面を周りに配置して、簡易結界を張る。
結界といっても防音の効果しかない。
刀は刺さったままなので帰刃が出来ない。
「多分凄く痛いから頑張ってね」
俺は両手の手袋を外して喰虚を出す。
右手をペッシェに左手をドンドチャッカに近づけ、大きく喰虚の口を開く。
そして2人の顔についている仮面を食らっていく。
2人は痛みで叫びを上げる。
が、結界の性で音はまったく外に漏れない。
顔の皮を剥ぐ。
虚の証でもある仮面を食らう。
食らい終わるのにはそう時間はかからなかった。
「じゃあ、とりあえず切り刻んで置いて。殺さないようにね」
量産破面が身体の表面を切り裂く。
大分血がでて来た。
これぐらいでいいか。
量産破面を止め、喰虚で2人を口に入れる。
バレないで運ぶにはこれが丁度いいんだよな。
しかし、飲み込まないようにするのが地味に辛い。
ガムを口に入れるだけでみたいな感じ。
噛んじゃだめ、のんじゃダメの生殺しみたいな。
だからさっさと行こう。
量産破面は宮に帰ってもらった。
ネリエルをやるところに来た。
逃げ場を無くすため一本道の場所だ。
壁に穴を開け、ドンドチャッカとペッシェを放り込む。ちなみに中には爆弾が仕掛けられておりトラがスイッチを押すと爆発して2人を一本道に出す事が出来るのだ。
2人を入れたら壁を張り穴を無くす。
エルと俺は隅っこに隠れている。
機械の作動はノイは分からないそうなのでエルの担当だ。
後は誘導してここに来させるだけ。
晩御飯の時間だから直ぐに来るだろう。
俺は霊圧を0にしてネリエルを待った。
「ペッシェ〜〜〜ドンドチャッカ〜〜〜」
来た。
「どこ?晩御飯の時間だよ?」
本当に戦いの時と雰囲気違うよな。
「…どこ行ったんだろう。二人とも…おなかすいたな…」
はい、ご対面!
「よう!何か探しもんか?」
「…あなたに関係ないわ」
戦闘モードに入ったな。
「武器を担ぐのは威嚇行動よ。強く見られたければ隠して歩きなさい」
ノイを通り過ぎる。
ここでエルはスイッチを押す。
となりの壁が爆発して中から2人の破面が出てくる。
「ペッシェ……ドンドチャッカ……」
「…も…申し訳…ありません……ネル様…」
「仮面を…無理矢理全部剥がしたのね…」
剥がしたんじゃなくそのまま食ったが正解。
今はどうでもいいけど。
「エル、今だ」
「分かってるよ」
エルが機械を作動させる。
「なんて事…っ!」
ネリエルが激昴するが目の前にいたノイは揺れ、消える。
エルの機械で起こした幻影だからだ。
その瞬間ネリエルの頭に衝撃が来る。
ノイが武器でネリエルの頭をたたっ斬ったのだ。
ネリエルは意識を失い、その場に倒れ込んだ。
トラは武器を背中に背負い込みネリエルと従属官の2人を持ち移動した。
俺達もそれについて行った。
「…てめぇはまだ、獣のやり口だと言うだろうが………知ったこっちゃ無え」
俺達は後ろから近付く。
「…何か用か?てめえらの仕事は終わった筈だぜ。ザエルアポロ、アーロニーロ」
「つれない事を言うね。同じ志の下力を合わせた仲間だろう?結末くらい見物させてくれよ」
結末っていうか全部見てたけどな
「これでノイが強くなるための布石が出来たんだ仲間として祝わせてくれよ」
「ちっ…」
ノイは3人を虚夜宮から投げ捨てる。
「行くぜ」
「命令口調は止してくれないか」
「もう十刃でもないてめえにか?」
「おや、僕の作った装置のお陰でネリエルの隙をついた男の口にするセリフとも思えないね」
「…ちっ」
「2人との喧嘩しない。エルもそんなに挑発しない。折角新たな仲間になりえる人材なのにさ。それを…
バシュウッ!!!
突如、ネリエルの身体から白煙が舞った。
そこにいたのは…
「…………………………ガキに…なりやがった…!?」
ネリエルの姿は大人の女性から子どもの姿になっていた。
「…ソソるね。見たことのない現象だ。仮面に負った傷から霊圧が流れ出て霊圧自体が収縮したのか、或いは……」
「はっ!!理屈なんかどうでもいい!!無様だなァネリエル!!ははははははははははは!!!」
「研究はあれが自然完治した後にしたいな。今直してもさっきの意味が無くなるだけだしね」
確かに。
「……どうやらこれでてめえと剣を交えることも無くなった。そこだけは残念だがな」
「そうだ。ノイちょっと食うけど抵抗しないようにな」
「はあ!?お前何言って…って身体が動かないだと!?」
「麻痺薬は投薬済みだよ」
「ナイス!エル。じゃあ頂きます」
「おい!どういう事か説明し
バクンッ
「しかし、こいつが僕達と同じように成れるとは思えないけど」
「それはしょうがない。ノイはまた、エルやルドとは違う進化の道だからな。ノイは能力っていうより戦闘力っていう感じの進化だからね」
「まず、ベクトルが違うという事か…実験結果が楽しみだよ」
「まずは第9宮に帰ろうぜ」
「そうだね。今日はいい結果がとれて僕も満足だし」