「ようこそ、ここが私の城。《虚夜宮》だよ」
部屋の中央に置かれた玉座に座りながら藍染が歓迎の意を示している。
玉座の少し後ろでは市丸と東仙が佇んでいる。
今の所この虚圏の唯一の人工物で虚圏の神を自称していたバラガンが住んでいた場所だ。
「私程度に勿体ないお言葉です」
覚えている敬語で頭を下げながら服従の意を示す。
「そう固くなることはないよ。まずは着る服を君にプレゼントしよう」
藍染がそういうと1人の人間が入っていた。
人間といったがこれも破面なのだろう。
頭に仮面をつけている。
「失礼します」
虚が採寸を開始した。
されるがままに採寸を受けていると、一つ気がついたことがある。
採寸している破面は一見無表情で採寸しているように見えるがその瞳の奥は恐怖の色が見え、手も微かに震えている。
「それは死神化の実験の失敗作でね」
観察していると藍染が語り出した。
「まず、人に近づけることだけを考えた結果だ。この実験では成功だが本筋である死神化を考えると失敗作もいいとこだ。戦闘力は雑多の虚と同じと見ていい」
なるほど、納得がいった。
巨大虚は大虚のように数百の虚が集まった存在ではなく単体で巨大な虚だ。
その力は大虚よりも劣るというのが普通だ。
ただでさえ最上級大虚である俺が未完成の崩玉とはいえ破面化したのだ。
力の差は歴然。
恐怖するのも当たり前だと言える。
「だが、数は多くいるからね。戦闘以外の全ての事を任せている」
例えば君の採寸とかね
藍染の説明が終わると、それに続くように採寸も終わった。
採寸を終えた破面は逃げ出すように部屋から退室していった。
「次は、ここでの規律だが、要に説明させよう」
東仙は藍染の少し前に立ち説明を始めた。
最初は自分を守るためちゃんと聞いていようと思ったが話が長く、まどろっこしかった。
俺は前世の記憶にある学校の校長の話を思い出していた。
細かいルールはあるものの要約すれば三つだ
《無断での虚夜宮の外出》
《建物の破壊》
《必要以上の最上級虚の殺害の禁止》
まだ、昼間の様な天井がない虚夜宮だ。
監視体制が整っていないのに勝手に出すことは無いだろう。
建物を壊すのももってのほかだ。
今まさに建物を作っているのに壊す何て事をしたら敵が増える。
十刃も仲良しこよし何て無く、互いに牽制しあっていたのを覚えている。
こんな事で無駄に敵を作り、共闘されたら敵わない。
最後の事はまだ完成していない崩玉の為にも俺は絶対にやるつもりは無い。
崩玉の完成は俺にも必要な事なのだから。
東仙は説明を終えると愛染の後ろに戻った。
「では最初の命令だ」
命令と聞き身体が身構える。
「そう、固くならないでいい。ただの確認だ。
アーロニーロ、君の能力のね。」
「君は最上級大虚だっただろう。それなら、能力の1つや2つは持っていただろう? 破面となり、その能力がどうなったのか、新しく能力が発現したりしているか。その確認を自分の手でやってもらいたいだけだよ」
「分かりました」
それを聞き俺は安心した。
元々自分の能力は調べておきたかった。
この姿になり原作との違いは多い。
調べない事はそのまま死へと繋がる。
「報告は私か2人に口頭で説明するか、実演をしてくれれば構わないよ」
それで説明は終わりとし、また呼ばれた雑用係に与えられる部屋へと俺は案内されるのであった。