第9十刃に転生したが最強だった   作:飛翔するシカバネ

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食事、そして処罰

 

アーロニーロは酔っていた。

 

アサレアを食べた時に感じたその感覚に。

 

食べた瞬間霊圧の増幅そして新たなる力が手に入り魂が震え思わず身震いしてしまうほどに。

 

相手の全てを喰らいその力を余すことのなく自身に内包する。

 

それこそが、アーロニーロ・アルルエリ。

 

それこそが、『喰虚(グロトネリア)』の力だ。

 

 

今まで多数の虚を食べてきたがここまで上質な味わいは初めてだった。

 

その身にあった霊力も、魂に刻み込まれた記憶も全てが

 

「美味い」

 

思わず声に出していた。

 

どんな言葉でも、表せないような不思議な幸福。

 

能力も霊圧も今だけは自分の管理下から外れている。

全てを掃き出しにして、ただ今の気持ちを感じている。

 

 

 

 

 

 

だが、それも終わりを告げる。

 

 

「ここで何してはんの?」

 

 

霊力による探知をしていなかった為か後ろの人物に気がつかなかった。

 

勢いよく振り返るが誰もいない。

 

「こっちや、こっち」

 

今度はゆっくりと振り返る。

そこには藍染の側近である市丸ギンが立っていた。

 

 

 

 

なぜ、ここにいるのか。

虚夜宮から出ていた俺を探しに来たのだろう。

ルールを守れといわれたのに早速破ったのだから。

 

殺されはしないだろう。

作ったばかりの実験体の事だしな。

 

「その霊圧、食べたんやろ」

 

 

やはり、気づくか。

 

「折角藍染隊長がつれてきたのに…絶対怒られるで」

 

ん?

折角連れてきた?

アサレアも俺と同じなのか?

 

「黙ってないで喋ったらどうや。アサレアちゃん」

 

 

?!

 

 

 

俺は自分の姿を確認した。

髪の色は青紫だ。

あまりにも食事に酔いしれていたから気づか無かったが背丈が高い。

頭の上には穴が七つある仮面をつけている。

 

ここに鏡があれば確信できるが、残念ながらない。

しかしここまで証拠があれば信用するしかないようだ。

 

 

俺は今、アサレアになっている。

 

原作では海燕の顔にはなれていたが他の虚の姿にもなれたのか。

いや、違う。

これは、俺が介入した事で手に入れた能力だ。

 

 

この力は面白い事に使えそうだ。

 

 

「なんも言わへんの?」

 

ギンがまた話しかけてきた。

 

 

ギンには顔が変わる瞬間を見てもらおう。

その反応で大体わかる。

 

 

「何やて?」

 

飄々とした雰囲気から真面目な顔になる。

 

ギンの見た光景はグロテスクなものだった。

アサレアの顔の皮が内部に取り込まれ代わりにアーロニーロの顔が出てきたのだから。

 

「なるほど。そういうことやったんか」

 

ギンが、納得した表情(あまり変わってないが)を見せる

 

 

「いきなり霊圧が何倍にも成っとったから、アサレアちゃんがアーロニーロを食べたと思ったんやけど、逆やったんか」

 

顔だけを戻したがその変化だけで察してくれるのはありがたい。

続いて身体も戻す。

 

「アーロニーロくんは新人狩りにあったみたいやね」

 

 

これを言い訳にしてルールを破ったことは無しに、

 

「罰はあると思うから覚悟しといときな」

 

ならないと。

まあ、ぶっちゃけアサレアの件がなんとかなれば勝手に虚夜宮から出た事は怒られないと思う。

それを理由に変な命令されそうだけど。

 

「じゃあ、帰ろっか」

 

歩き出すギンに俺はついて行く。

ついでにもう1つの能力を使い、愛染に連絡した。

 

『認識同期』

 

戦った相手の情報を同胞に伝える能力。

成功していれば帰った後に藍染から何らかのアクションがあるだろう。

 

 

少し憂鬱な気分で俺は虚夜宮へと歩を進めるのだった。

 

 

 

 

 

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