青年の異世界道中~fatezero編~   作:クロイツヴァルト

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プロローグ

 

 「なぁ、マイスター。 こんな所に何かあるのか?」

 

 

 とある管理外世界に存在する薄暗い遺跡の中、アギトと共に戒翔は探索をしていた。

 

 「調査部の報告だとこの奥にロストロギアの反応が確認されている。 が、どういった代物かは解析出来ていない・・・で、クロノからの依頼で俺が向かう事になったんだが・・・さて、何が出て来るのか」

 

 話をしながらも長い通路を暫く歩いて行くと目の前に厳重に封印された扉が現れる。

 

 「ふぅん? 如何にもな感じの封印だな。 アギト、念の為に後ろに下がっていろ。」

 

 「了解。」

 

 そして、戒翔がいざ扉を調べようと扉に触れると幾重にも張られていた封印がまるで待っていたとばかりに弾け飛び内側に開くのと同時にナニカが飛び出して戒翔とアギトを絡め取る。

 

 「なっ!?」

 

 「コレはッ!」

 

 驚くアギトとその絡みついて来たモノを看破した戒翔は驚く。

 

 「汚染された大聖杯の残滓が何故」

 

 それ以上を言う前に戒翔とアギトは残滓に扉の内側に引きずり込まれ、闇の中へと消える。 そして扉もあけられた時同様に勢いよく閉まり独りでに封印が奔り直前までの通路は唐突に起きた大崩落により道は閉ざされるのであった。

 

 ――――――――――――――――――――――

 

 場所は変わり、そこには半死半生になり地に伏せる男と対面立つしわがれた老人が魔法陣の様なものを挟んでいた。 そして、その魔法陣の上には漆黒の鎧に身を包んだ黒騎士と足下には小人の様な少女が気を失っているのか黒騎士の足下で倒れていた。

 

 「せ、成功した・・・!」

 

 息絶えそうな青年は地に頬を擦り付けながら半身麻痺の様な状態の身にも関わらず笑った。 そして、それを対面から見ていた老人もまた嗤っていた。 そしてその老人こそが目の前の青年が死にかける様な状態にした人物であり此度の元凶でもある。

 

 「雁夜よ、今は良くやったと言っておこう。 これで貴様の望みを叶えることが出来よう。 しかし、聖杯を手に入れるまでは桜への調教は継続しておく。 が、今回の召喚で貴様は体内の刻印蟲によって余命はあと一月と言った所じゃ。」

 

 まるで今回の事は実験とばかりの言葉に地に倒れている青年は歯を食い縛る。 自身が護ろうと決めた相手が今も尚蟲蔵と呼ばれる所で嬲られている少女の事を脳裏に浮かべ、青年は死にかけの体に鞭を打ちふらつきながらも立ち上がるが、そもそも気力だけではどうしようもない所まで来ており直ぐに崩れ落ちそうになるが、そこに驚く事に召喚された黒騎士が雁夜を支える。 これには召喚した本人と意図して召喚させた張本人は目を見開く。

 

 「なっ!? 凶化されている筈では」

 

 「無理をするな。 本当に死ぬぞ?」

 

 「はっははっははは! これは驚いたの! バーサーカーとして召喚した筈が自我を確立させたまま召喚されるとはの!」

 

 「囀るな、生に醜くしがみ付く害虫が」

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁッ!?」

 

 雁夜を支える様子を見て嗤う老人に対して黒騎士は支えている手とは反対の手が霞んだと思った時には老人の体を斜めに剣閃が閃き直後に老人は激痛の声を上げる。

 

 「塵も残さずに焼かれて消えろ。 レイジングフレア!」

 

 直後、老人の足下から灼熱の柱が迸り文字通り老人を塵一つ残さずに焼かれて消える。 黒騎士が放ったと思われる攻撃の余波なのか、地下空間が音を立てて崩壊の兆しを見せる。

 

 「・・・此処は危険か。」

 

 「ま、待て!」

 

 「とは言っても、ここに留まっても」

 

 「あ、あの向こうに桜ちゃんが」

 

 息絶え絶えの状態の雁夜は黒騎士に担がれた状態でとある場所の壁を指さして告げる。

 

 「・・・承知」

 

 言うや否や、黒騎士は片手一つで壁を破壊。 すると壁の向こう側から大量の蟲が流れ落ちる中で黒騎士は無造作に手を突っ込みガサゴソと雁夜の指し示す方向に探して行くと子供の体の感触を感じて掴み引き上げるのと同時に地下空間が本格的に崩壊を始めたために黒騎士は召喚陣の近くで倒れている小人の様な少女も壁の向こうから引き揚げた少女と同じ腕の中に収めると急いで上階へと急ぐ。

 

 

 ――――――――――――――――――――――

 

 戒翔は適当な部屋で雁矢と桜を寝かせ、屋敷のおおよその現状を確認する。

 

 「・・・蟲が多いがマスター達が起きるまでに害虫駆除をしておくか・・・ついでに屋敷の外観の改築か・・・取り敢えずやる事をやって食事の用意でもしておくか」

 

 そう言って戒翔は屋敷の周囲に蠢く蟲の処理に向かう。

 

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