青年の異世界道中~fatezero編~   作:クロイツヴァルト

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レッツ! ビフォーアフター!

 

 

 「・・・ここは俺の部屋? そうだ桜ちゃんは!」

 

 「あ、雁屋おじさん起きたんだ!」

 

 「さ、桜ちゃん! 大丈夫かい!?」

 

 「うん! バーサーカーが助けてくれたから大丈夫だよ!」

 

 雁屋と桜が会話をしている所に扉をノックする音と共に第三者の声が届く。

 

 「桜嬢、両手が塞がっているのだが扉を開けて貰って構わないか?」

 

 「あ、直ぐに開けるよ!」

 

 そう言って桜は扉を開けると黒衣を身に纏い現れた青年は前掛けのエプロンとお盆に載った粥を持って部屋へと入る。

 

 「ふむ、丁度目を覚ましたか。 調子はどうだマスターよ。」

 

 「調子? 確かにさっきよりは良いと思うが」

 

 「・・・一応、体内の蟲は此方である程度大人しくさせておいたが、いつまでもそのままと言う訳にも行かんな。」

 

 ベッド脇の机にお盆を置くと青年はおもむろに空間に歪みを作るとその歪みに手を入れ取り出したのは赤い水晶体に蒼い菱形の宝石を一つづつ取り出す。

 

 「それは・・・」

 

 「わぁ! きれいな石だ!」

 

 「ふむ、これか? その蟲などよりも高性能な魔力媒体になる物だ。 蟲を使って疑似回路にしている様だが、魔術師であるならば本来の魔術回路を叩き起こすのには魔力を流してやればいいという話だが、生憎俺の魔力を流した所でマスターの体がもたないからな・・・模造品だが、魔力を貯蔵する為の宝石を用いてマスターの体にある魔術回路を正常に起動させる為と補強強化する物と理解していれば良いさ。」

 

 そう言って戒翔は雁夜の腹部辺りに宝石を持ったまま添えると

 

 「吸収(アブソーブ)

 

 ただ一言そう唱えると青年の手にあった宝石は雁夜の体内へと同化するようにして消える。

 

 「これは・・・なんて言えば良いんだ? 今まで感じた事の無い程の魔力を内側から感じるが」

 

 「それが先程の石・・・特に名称は無いが完全に定着するまでに数日かかるだろうからそれまでは絶対安静にする事。 良いな?」

 

 「あ、あぁ・・・しかし不思議な」

 

 「あ、そうそう言い忘れていたが取り込んだ初日は激痛で意識飛ぶと思うからその辺は簡便な?」

 

 「・・・は? なッ!? そんな危険な物をッ」

 

 雁夜は青年に対して非難の声を上げようとしたがついでやって来た今までに味わった事の無い激痛・・・それは勿論の事だがあの間桐の蟲を用いた人体改造と呼ぶにふさわしい行為にて発生した物に比べれば天と地の差があり雁夜はアッサリとその意識を手放した。

 

 「おじさんはどうしたの?」

 

 「疲れて寝ただけだよ。 さぁ、キミも夜も遅いのだから寝なさい。」

 

 戒翔は雁夜に術式を刻んだ魔力石を埋め込み桜を自室に寝かせに行く。 そうして漸く一人になった戒翔はリビングに寝かせていたアギトの下に行く。

 

 「兄貴!」

 

 既に目が覚めていたのかリビングに着くのと同時にアギトが戒翔の胸元に飛び込んでくる。

 

 「目が覚めていたか。 大丈夫か?」

 

 「おぅ! 兄貴、ここは何処なんだ?」

 

 「あの後の事なんだが俺達はどうも別の世界に来ているようだ。 次元世界と言うよりも平行世界に来ていると言った方が正しいかもしれんが」

 

 「平行ってアタシ等は帰れるのか?!」

 

 「多分だが、この世界に呼ばれる原因になったモノを片付ければあるいはって所だ。」

 

 「それって?」

 

 「それはこれから調べる事になる。 十中八九聖杯戦争と呼ばれるモノに俺達は召喚された扱いになるから・・・その聖杯とやらの事を片付ければ自ずと帰れるだろう。 俺は召喚される時にある英霊に一時的に融合する事によりクラスを得ているが・・・バーサーカーとはな。」

 

 「凶戦士って兄貴には先ず似合わないクラスだよな? そもそもそのクラスや聖杯戦争ってなんだ?」

 

 「聖杯戦争ってのは七人の魔術師がマスターとして七騎の英霊を使い魔として殺し合いの果てに聖杯という願望機を完成させる大規模魔術儀式の事を言う。」

 

 「殺し合いって」

 

 「優勝者の席は一つだけという事だ。 そして、クラスってのはセイバー、ライダー、ランサーにキャスター、アサシン、アーチャー。 そして俺のクラスになっているバーサーカーの七騎になる。 それぞれのクラスに合わせた特性と言うものがあり、クラスに則った英霊が召喚される。 また、召喚する英霊はその縁のあるモノなどを使う事によって限定する事も出来る。」

 

 「・・・聞けば聞くほどとんでもないな」

 

 調子が戻って来たのか戒翔の近くを飛び回りながらアギトは云々と唸っている。

 

 「どちらにしてもこの聖杯戦争を終わらせなければ俺達は帰れないと言う事だ。」

 

 戒翔はそう言って窓から見えるまるで此方を嘲笑うかのような月を見た。

 

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