スイマセン。
「ま、巻き込むわけにはいかねぇよな。」
俺は放課後、一人で街を探索していた。
俺も一日考えてみた。
どうせ神器は一生ついてくるんだ。
裏の世界に関わることに躊躇いはない。
それに関わる以上は力と知識がいる。
そこで、俺は思い切って魔法使いと悪魔を探すことにした。
魔法使いにははぐれ悪魔討伐の協力を頼もうとおもう。
出来れば俺の神器の能力についても相談したい。
はぐれ悪魔にあったら、おそらく問答無用で襲いかかってくるだろう。その場合は・・・・・戦おう。
自分の神器の能力を見極めたい。
・・・あの時、悪魔の放った炎を受けるとき、何となく使い方を感じた。
だがまだ何かある気がするのだ。
本来なら気がする程度の事で、こんなに危険なことはしないのだが、この神器に限って″気がする″はなかなか侮れないことを、身を持って感じていた。
「駄目だな。もう少し人通りの少ないところに行ってみるか・・・・。」
***
「危険な場所と言えば廃工場だろ。」
俺は周りを見渡すが、それらしい奴はいない。
「・・・ハズレか?」
***
「なら廃ビルだ!」
俺は立ち入り禁止の札をくぐり抜けて、扉を開く。
「・・・面倒だな。」
俺は渋々五階まであるビルを駆け上がった。
***
「・・・次こそ。」
俺は何の痕跡もない廃ビルを諦め、人通りの少ない公園を調べた。
***
「・・・次。」
俺は街の廃家を巡る。
***
静かな森に虫の声がよく通る。
光の届かないここでは、星もよく見える。
・・・結論から言えば見つからなかった。
今は森を駆け回った末にもう日が暮れてしまった。
正直甘かった。
今まで散々巻き込まれてきたのに探すと出会わないとは・・・。
「・・・・帰ろ。」
俺は疲れて下ろしていた腰を上げた。
***
そう、探すと出会わない。
「「あ。」」
すっかり日の暮れた夜の街で、俺は魔法使いに出会った。
***
「魔法使いさん。俺を連れてってくれ。」
「駄目よ、じゃま。」
「なら俺が魔法使いさんを連れていこう。」
「そういう問題じゃないわよ!?」
ふむ、やはり駄目か・・・
「昨日話したでしょ?危険なの!死なれても面倒なの!分かった?」
「魔法使いさん。あんたのお陰で危険であることは分かった。迷惑もかけるだろうが、頼む。」
「なんでそうなるのよ!もうちょっと怖がりなさいよ!」
「怖い、だから知りたいんだ。」
このままじゃ行けない。生きて行けない。それがあまりに怖い。
「はぁ・・・。確かにアンタだけは他の二人と反応が違ったけど、こんなバカなことを言い出すとは・・・。」
まあ我ながら馬鹿なことは自覚しているので、言い返しはしない。
「なあ、魔法使いさん。面倒かもしれないけどさ。俺も退けないんだ。頼む。それにこの街で悪魔が好き放題してんのは気に入らないんだ。」
「・・・。」
魔法使いさんは悩んでいるのか、目を閉じ、手を顎にやる。
しばらくして、ため息を一つついた。
「・・・リリーよ。」
「え?」
「リリー・ロブソン。名前言ってなかったでしょ?」
「あ、ああ、よろしくリリー。俺は赤木至だ。イタルでいい。」
「なら明日の午後九時に駅前に来なさい。連れてってあげる。」
「!!ありがとう!」
何とか許されたようだ。
もしかすれば厄介払いされただけかもしれないが、ここは信じよう。
「アタシはもう疲れたから行かせてもらうわよ。」
「すまん。迷惑かけて。」
「まあ、いいわ。」
どうやら本当に嫌そうだな。
「それじゃあな、リリー。」
「ええ、さよならイタル。」
これで一つ前進だな!
明日の事を思い、俺は、笑いながら一つ身震いした。
今回はだいぶ荒かったかも。
次回はリリーとお出かけ。