すいません・・・。
放課後になり、急いで部活に向かう者、真っ先に帰る者、友人と話している者を横目で見つつ、俺とソウタは公園へ向かっていた。人目がない落ち着いた場所が公園だったからだ。
「なあ、やっぱコレって凄いのかな?」
「・・・まあ多分な。少なくともこんな話は聞いたことがない。お前の“眼鏡”でも今のところ他の″異能持ち″はいなかったんだろ?」
「ああ、少なくとも俺達のクラスや、さっきからすれ違ってる奴全員見てるけど・・・見つかんねえ。」
俺達は俺の“ボロ布の腰巻き”や、“オーラの見える眼鏡”を持ってる奴を異能持ちと呼んでいた。眼鏡はともかく、俺の腰巻きに特殊な力があるか分からないんだがな。ちなみに決めたのはソウタだ、俺じゃない。俺じゃないぞ。
「にしてもすげえオーラだよなぁ。」
「ん?何が?」
「いや、教室の時は気にしなかったんだけど、イタルのオーラが、なんていうか凄いんだ。量も多い方だし、何より色が違うんだ。」
「色なんてあるのか?」
「ああ、大抵の白い湯気みたいな感じなんだが、お前は赤黒いんだよ。お前以外こんな色無いぞ?」
「ふぅん、つっても量の違いも色が違う理由も分かんないんだろ?」
「そうなんだよなぁ。見えてもそれが何なのか分かんないんじゃなぁ。」
はぁとため息をつくソウタに対して俺も釣られるようにため息を吐いた。
正直ずっと混乱したままだ。こんな事になった以上、どうなろうが厄介なことに変わりはないだろう。
「「はぁぁぁ。」」
今度は二人揃ってため息をついた。
意味もなく見上げた空は、雲一つない晴天だった。
***
「ちょっ!?隠れろ!!」
公園に入った所でいきなりソウタが小さな声で叫び、俺を引っ張った。
「っ!なんだよ!?」
いきなりで崩した体勢を整え、ソウタと同じように木の影に隠れながら問うと、スッと公園の奥を指差した。見ると、二人の男女が向きあっている。
「・・・誰だ?」
「聞いた覚えないか?大樹さんと本城先輩だよ。」
ああ、それなら聞いたことがある。確か二人ともウチの高校の三年で、相馬大樹先輩はバスケ部のエース、本城美優先輩は花道部のアイドルだとかなんとか・・・ソウタから聞いた気がする。
コイツの噂好きはなかなかで、一年の頃から聞いていて飽きない。そういえばコイツと初めて会ったのも、ソウタの噂好きが絡んでいたんだったか?
そのせいかは謎だが、ソウタは妙に顔が広いし、大樹先輩だけさん呼びなのは面識があるからだろう。
「やばいなぁ、これどう見ても告白だろ。」
「確かにここは人は少ないし学校から近いから、たまにここで告白する奴がいるんだっけ?」
「ああ、それでもマジで少ないぞ?メールとかで告白するのが良くあるってのに、こんな寂れた公園にわざわざ呼び出さないだろ。」
「しかもよりにもよって今日か・・・。」
全くだと言わんばかりに頷くソウタ、すると話しているうちにどうやら終わったらしく、相馬先輩は逃げるように去っていく。
「こりゃ相馬先輩が振られたみたいだな。」
そう呟くと、残された本城先輩の様子を見ると、しばらく俯いて動かないでいたかと思うと・・・・・突然笑い出した。
「うえぇっ、何がアイドルだよ。悪女の間違いだろ。」
嫌なものを見てしまったと思っていると、さっきから黙ったままのソウタが気になった。俺よりコイツの方が反応しそうなものだが・・・・・
「おい、ソウタ?どうしたんだよ。」
「俺達この“異能”っての整理しようと思ってたのによ・・・・。こりゃねぇぜ神様ぁ。」
「・・・マジでどうした。」
流石に嫌な予感がする。いや、なんとなくは分かる。でも分かりたくない。
「本城先輩・・・・・異能持ちみたい。」(泣)
「そうか・・・・・そうか・・・・・・っ。」
今日はどうなってんだよ。
混沌のプロローグ、まだ続きます。