我が道を行く為   作:グランドール

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ありきたりな展開ですかねぇ。


3話 転校生かぁ

あの後、本城先輩が帰る姿を確認し、せっかく公園まで来たので、少し話をしたが、進展はなかった。なにより今日はもう休みたい気分だ。それはソウタも同じだったようで。

 

「今日はもう帰ろうか?」

「ああ、そうしよう、また明日な。」

 

俺はそう言って帰路についた。

 

 

 

***

 

 

 

電車から下り、俺は家に向かって歩いていた。

今更だが、俺は両親がいない。交通事故だそうだ。

とはいえ、物心つく頃からなので、悲しくはないし、それで悩んだことはあまりない。

 

「ただいま。」

「お帰り、イタル。」

 

と言うのも、俺を育ててくれた爺ちゃんのお陰なんだろう。両親が亡くなり、引き取り手のいない俺に優しいながらも厳しく接し、ここまで育ててくれた。感謝なんてろくにしない俺だが、爺ちゃんにはどうにも頭が上がらない。

 

「随分疲れた顔をしてるじゃないか、ご飯は出来ているけど、先にお風呂にするかい?」

「いや、ご飯にするよ、もうお腹ペコペコだ。」

「ふふ、なら用意しよう、着替えておいで。」

 

俺は制服を脱ぎ、部屋着にきがえると、ダイニングに向かった。

 

「頂きます。」

「はい、召し上がれ」

 

テレビを眺めながらの食事は、今日のドタバタを一気に何時もの日常に引き戻してくれる。

 

「御馳走様。」

「お粗末様でした。」

 

うまかった。自分のお腹を撫で、満足感に少し眠くなってくる。

爺ちゃんはニッコリ微笑むと、そうそうと切り出した。

 

「随分疲れてたみたいだけど、どうかしたのかい?」

 

爺ちゃんが食器を片付けはじめたので、俺も手伝う。

 

「あぁ・・・大したことじゃないんだけどね。偶然先輩が告白してるとこ見ちゃってさぁ。」

 

嘘ではないが、全てではないことをいう。流石に俺変な力持ってるんだ!とは言えない。

 

「そうかそうか。」

 

爺ちゃんはそれ以上何も言わず、ただ頷いている。

こういうところも、俺が爺ちゃんを好きな理由の一つなんだろう。決してしつこくなく、それでいて気遣ってくれる。

食器を洗い終わると、俺は風呂に向かった。

 

普段は、シャワーで終わらせがちだが、今日は湯船にゆっくり浸かる。

湯気に乗って疲れが飛んで行くような感覚を覚えながらも、今日を振り返っていた。

 

ソウタの眼鏡、俺の腰巻き、相馬先輩の告白、本城先輩の異能。

 

浮かんでは消える思考は、昼のような混乱ではなく、自分の中に馴染んでいく。

 

「あぁ、現実なんだな。」

 

風呂から上がると、睡魔に誘われるまま、ゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

***

 

 

 

「ふぁ~、よく寝たな。」

 

大きな欠伸のあと、目元の涙を指で拭った。

今日も一日のりきるぞー。と、小さく気合いを入れ、教室のドアを開く。

 

「あ、イタル。おはよー。」

「ああ、おはよ、・・・どうしたソウタ?」

 

見ると目に隈を作ったソウタが力無く机に突っ伏していた。

 

「いやぁ、昨日色々あったじゃん?何か不安だし一応調べてみたんだ。」

「へぇ、なんかそれっぽい話はあったか?」

「いんや、それとなく知り合いに超常現象とか、UFOだとか聞いてみたけどさっぱりでさ。ネットなんか中二病っぽい魔法とか、カッパのミイラだの、果ては悪魔がチラシ配ってるとか出てくるんだぜ?信用出来ねぇよ。」

「まあ、当たり前なのかな。」

 

そんな簡単に出てくるなら、きっとこの世はもう少し奇想天外な人外魔境となっていただろう。

 

「でもそうだよな。俺達みたいな奴がいるんだ。もっといてもおかしくないよなぁ。」

「そこなんだよ。少なくも昨日だけで俺を含めて三人も見つかったんだ、きっといる!」

 

俺達が話しているとチャイムがなる。

 

「はい、皆さん席についてください。ショートホームルームをはじめます、委員長お願いします。」

「起立、気をつけ、礼。」

 

一旦頭を切り替えよう、昨日からずっと異能のことばかりだ、分からないことばかりだし、考えるのは止めよう。

 

「よし、今日は転校生を紹介するぞ。」

 

突然のことに驚きと、期待を募らせるクラス。

そんな情報知らないと、愕然とするソウタ。

そして、もう何度目かの嫌な予感に諦めに近い感情を抱くイタル。

 

きっと何かおかしい、絶対おかしい、誰かの陰謀じゃないかとすら感じる。

 

先生に呼ばれ、ゆっくりと開いたドアから転校生が入ってくる。

 

男子が騒ぎだす。当然だろう、入ってきたのは相当の美少女であった。

 

しかしそれすら意味をなさない決定的で致命的な問題は、眼鏡を掛けたソウタが大量の冷や汗とともに俺を見てきたことだった。

ああ、またか。

俺は目をそらすように、窓から空を眺めていた。

 




取りあえずここまでがプロローグになります!
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