「おはよう。」
「あ、ああ、おはよう。」
俺はぼーっとしていたところに声をかけられて驚いた。
「ごめん爺ちゃん、今日は飯手伝えなかった。」
「いいや、それより急いで食べないと遅刻するよ?」
そこまでギリギリではないが、確かに少し余裕を持ちたいなら急いだ方が良さそうだ。
「いただきたす。」
俺が朝食を食べていると、殺人事件が起こったというニュースが流れていた。
「むぅ、イタル、気をつけたほうがいい。今日は寄り道せずに帰ってきなさい。」
「なに心配してんだよ。そうないだろ、殺人なんて。」
「はぁ・・・、よく見てみなさい。この事件は隣町だよ?」
「なぁ!?」
「それにどんなときでもこういうことには注意するものだよ?」
「・・・分かった。すぐ帰るよ。」
「うん。それがいい。」
爺ちゃんはフワッと笑うと、言った。
「さぁ、そろそろ行った方がいい。」
「へ?あ・・・。」
やばい。遅刻だ。
***
「はぁはぁはぁ・・・。」
走れ、走れ、走れ・・・。
俺は今間違いなく限界を超えているのではないだろうか・・・。そう思うほど俺はダッシュしていた。
朝からの全力疾走に足が悲鳴をあげ、頭が熱をもつ。
「テレビに気を取られて遅刻とかマジかよ!俺、結構頑張って遅刻、欠席無しなんだぞ!?」
学校が見えてきた!よし!
この調子で行けば・・・・っ!!
キーーンコーーンカーーンコーーン
「クソガァァァァァアアア!!」
大事なものは失って初めて気づくんだな・・・・
「いや、まあそこまでのことじゃないんだがな・・・。」
俺はため息を一つつき、改めて学校に向かった。
***
「あれ?赤木くん?」
「ん?三好先生?」
三好先生は新任ということもあり生徒に甘いところが多く、生徒に慕われている。
「すいません、遅刻しました。」
「もう、ダメじゃないですか。」
ぐ、三好先生にそこまで言われるとは・・・
「そんな子はお仕置きですね。」
「はは、申し訳っ!?え!?」
俺がまあ悪いのは俺かと自虐的に笑うと、三好先生が突然殴りかかってきた。
それを尻餅をつきながらも回避する。
「え、先生!?どうしたんだ!?」
「ふふ、赤木くん。大人しくしてて下さいね。・・・次はないですよ?」
「!?・・・くっ!」
そのなんの躊躇いもない行動に、俺はとっさに逃げ出した。
「はぁはぁ、どういうことだっ??」
意味が分からない、あの三好先生が遅刻で生徒に手を出すとは思えない。そもそもこんなことそうあり得ない。でも実際に起こっていて・・・
「おい、誰だ。廊下を走ってるのは。」
教室で授業をしている先生が出てきた。
「せ、先生。あ、あのっ。」
なにをどう言えばいいか分からないが、とにかく伝えようと思ったが・・・
「ん?誰かと思えば赤木じゃないか!こっちに来い!」
な、また!?
「せ、先生なんか俺悪いことしましたかね・・・?」
「ふん、何かと思えばそんなことか。簡単だ、お前が邪魔なんだよ!」
言うや否や、先生は殴りかかってくる。
「くそ!意味わかんねーよっ!」
俺はまた逃げ出す。
「おい、待てよ赤木!」
「赤木くん逃げないでよ。」
教室から先生に続いて生徒も出てくる。クソッ!本当になんなんだよ・・・・っ!?
***
「ふぅぅ。」
俺は校舎裏で一息ついていた。
「どうなってんだ?みんな俺を追ってくる。理由もわかんねぇ。」
悩んでも分からない。いっそのこと学校からでるか?
「あ、そう言えばソウタは・・・?」
「呼んだかよ?」
「っ!ソウタ!?」
そこには眼鏡をかけたソウタがいた。
「この眼鏡、少しだが遠くの人間のオーラも感じ取れるんだ。お前の赤いオーラは特徴的だからな。」
「・・・お前は、俺を襲わねぇのか?」
「・・・どうだろうな。」
「っ!?」
「別にお前が悪いわけじゃねぇよ。」
「ならなんで!」
「みんな言われてんだよ、本城先輩にな。」
「・・・は?」
意味が分からない。言われた?だから?みんな本城先輩に言われたらどんなことでもしたがうのかよ・・・?
「みんな本城先輩が好きなんだ。どうしようもないくらいな。だからしたがっちまう。」
「そんなこと・・・っ!まさか!?」
「気づいたか?本城先輩も異能持ちだってこと。」
そうか・・・そういうことかよ・・・・!?
「すまないイタル・・・俺はお前と月守さんのことを喋っちまった。」
「いや・・・そんなことより、お前は大丈夫かよ!」
「はは、今にもお前に殴りかかってやりたいけどよ・・・・そうもいかねぇだろ?」
なんたって親友だからなと続ける。
「そんなことより要点だけ話すぜ?本城先輩の目的は異能を持つお前と月守さんを排除、あるいは捕まえることだ。捕まればお前も俺と同じように本城先輩が好きで堪らなくなるだろうよ。・・・逃げるなら今だ、先生がお前を探しているが、お前が逃げたことを知って月守さんに集中しはじめたからな。」
「・・・・・馬鹿野郎。お前と俺の仲だ、分かってんだろ?月守が襲われてて、お前に手を出したんだ。・・・一発、いや半殺しになるまで殴ってやらなきゃ気がすまねぇ!」
「はは、もし俺が女なら惚れてたな。」
「俺にそっちの気はねぇ!!」
「・・・まあ、行くなら早くしてくれ。月守さんは二階の廊下だ。追い詰められてる・・・行って上げてくれ・・・・。」
ソウタは自身と戦っているのだろう。酷く険しい顔で苦しそうに唸っている。
「・・・ありがとよ。」
俺はソウタに背を向け、走り出した。
展開がいきなりですいません。
私は熱い展開だと思うのですが・・・。
次も頑張ります!