「スマン!」
俺は襲いかかってくるクラスメートや先生を押しのけながらくぐり抜け、進んでいた。
「ああ、もう!異能のせいじゃ殴れもしねぇ!」
コイツらはあくまでも本城先輩に操られてるだけだ。あまり怪我をさせたくない。
後ろから追いかけてくる奴もいるが、なんとか二階にたどり着いた。
しかし、二階には廊下を押しつぶしてしまいそうなほど、人で埋まっていた。
「くっ、どうする!?」
周りを見渡すが通れそうな所はない、後ろからも来ている。
その時、廊下の一番奥に追い詰められた月守が見えた。
「月守!」
しかしどうやら聞こえないらしい。それに良くみると月守の周りを膜が覆っている。
「・・・そうだ!」
***
ー月守かすみsideー
私は廊下の隅で小さくなることしかできないでいた。
何時もどうりの時間に登校して、何時も通り自分の席についた。その時は何も違和感なんてなかった。
でも突然クラスじゅう、いえ、学校中から電子音が響いたと思うと、みんな私に飛びかかってきて・・・
それからは廊下に逃げだしたものの、別のクラスのひとにも追いつめられて・・・このありさまです。
「もう、いやぁ。」
なぜこんなことになったのか分からない。分かるのはたくさんの悪意に自分が晒されていること。思わず出た弱音にどんどん気持ちが弱くなるのを感じてしまう。
次第に今までの嫌なことまで浮かび、泣いてしまいそうになったとき。
「月守!」
私を覆い隠すほど大きな影に包まれました。
驚いて見上げた時、酷く安心したことを覚えています。
ーside outー
***
俺は急いで三階の廊下の奥にたどり着き、窓を開けると覗き込んだ。
「恐ぇぇ。」
つい思いついたとはいえ止めときゃよかったか?でもここまできたんだ!行くしかないだろ!!
俺は腰巻きを取り出し、窓を割ると、腰巻きを外し、窓枠に通す。
すると腰巻きを掴んだまま窓から降りると、二階の窓を蹴るように飛び込んだ。
「月守!」
月守の膜は今にも破れてしまいそうだった。
「あ、赤木さん!?」
「しっかりしろ!破られるぞ!」
そう言うと月守はハッとしたように杖に意識をやる。
するとみるみる内に膜は頑丈そうなものになった。
その際、俺も膜の中に入れてもらった。
「あ、あの!どうすれば?」
「取りあえず突っ込んで来たからな。分からねぇ。」
「えぇ!?」
驚かれても考えてないものは仕方ない。
あ、今の俺と同じ感じで・・・
「よし、窓から飛び降りるぞ!」
「そ、そんな!?無理ですよ!!」
「二階だぞ?」
「二階ですよ!?」
むぅ、駄目か?
「そうだな、ならその膜を足場にすればいい。」
「え、でも集中してないと・・・。」
「動けないのか?なら俺が・・・。」
俺は月守を持ち上げると、窓に足をかける。
「ちょ!?これって・・・っ!!??」
「よし、頼むぞ!」
「え、ええぇぇぇぇぇ!?」
俺が落ちていると、膜が足場に現れ、階段のように次が現れる。
「よし、なんとか脱出できたな。」
「うぅ、今日一番怖かったきがしますぅ。」
本当に怖かったんだろう、語尾が緩んでいる。
「スマン、いきなりだったな。」
「い、いえ!確かに危ない状況でしたから。」
「お、おう、なんか本当・・・すまん。」
生まれたての小鹿みたいに立ち上がる月守に思わずもう一度謝った。
短くてすいません。