終わりのセラフ~一刀一銃の使い手~   作:ほにゃー

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監視

突然発生したウイルスにより大人たちが死に絶え、吸血鬼が地上世界を支配し、人間社会が崩壊してから8年。

 

人口は十分の一に減り、ヨハネの四騎士と呼ばれる異形の生物が街を闊歩している。

 

だが、人類はそう簡単には滅んだりはしなかった。

 

生き残った人間たちは集まり復興作業を始めていた。

 

しかし、吸血鬼たちは人間を襲い、血を得るために人間を攫う。

 

そして、その吸血鬼に対抗する組織、日本帝鬼軍が作られ、吸血鬼と戦っている。

 

その日本帝鬼軍の中で、吸血鬼討伐部隊・月鬼ノ組と呼ばれる組織がある

 

彼等は鬼呪装備と呼ばれる吸血鬼に対抗できる武器を手に吸血鬼と戦う。

 

そして、月鬼ノ組には日本帝鬼軍最強と噂されてる男が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二渋谷高校

 

渋谷は日本帝鬼軍の本部があり防備も硬く、壁に寄って囲われている。

 

そのため、渋谷は安全と渋谷の中で暮らす人間はそう思ってる。

 

で、この高校で俺が何をしているのかと言うと、ある人間の監視の為だ。

 

名前は百夜優一郎。

 

日本帝鬼軍のメンバーで、俺の上官の一瀬グレン中佐が四年前拾った少年だ。

 

現在は、命令違反の為一ヶ月の謹慎処分として、この高校にいる。

 

「なんで軍人の俺がこんな所に………」

 

小さな声でぶつぶつと文句を言う優一郎。

 

教師はそんな優一郎に気付き、注意する。

 

「おい!百夜優一郎!授業中だぞ!」

 

「フン」

 

だが、優一郎はそっぽを向き、反抗的な態度を取る。

 

「なんだその態度は!転校してきたばっかで緊張してるのかなって大目に見てやってるのに、あんま態度悪いと停学にするぞ!」

 

教師の言った停学という言葉に反応した優一郎は机をバンッと叩いて喜ぶ

 

「マジで!停学にしてくれんの!お願いします!」

 

「喜ぶな!」

 

教師と言い合ってる優一郎の背中を優一郎の後ろの席の女が指で突っつく。

 

「あ?」

 

優一郎が振り向くと、そこには薄い紫の髪を頭の後ろで大きなリボンで結った少女、柊シノアがいた。

 

シノアはノートに何かを書くとそれを優一郎に見せる。

 

『私は柊シノア。軍からの監視役です。ちなみに隣にの席の彼は、橘廉也で同じく監視役です』

 

優一郎が俺の方を向いて来たので手を振っておいてやった。

 

シノアはまたノートに何かを書き見せる。

 

『もしあなたが協調性の無さそうな行動をしたら軍に報告をして謹慎を延長することになってます』

 

「はぁ!?延長!?どういうことだよ!」

 

その文面を読み、優一郎は声を上げて叫ぶ。

 

しかし、シノアは特に反応せず唇だけを動かし、「協調性」とだけ言った。

 

すると、優一郎は面白いぐらいに大人しくなり、席に座る。

 

そんな優一郎を見て、教師も授業を再開する。

 

「ちなみに、強調し絵の欠片も無い貴方の謹慎はこの一般校で友達を作らない限り解けないことになってます。頑張ってお友達作って下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、クラスの皆が帰り支度を始め賑わう。

 

「あーあ、部活だりー」

 

「ねえねえ、帰りにアイス食べに行こうよ」

 

緊張感の無いセリフを聞きながら、教室には俺とシノア、優一郎の三人が残った。

 

「待って、僕ちんもアイス大好きなんだよねって皆に声をかけたらどうです?」

 

「シノアの言い方は兎も角、一応は高校生なんだ。話掛ければ自然と友達になれると思うぜ」

 

「何だよお前ら、なれなれしいな」

 

「グレン中佐に言われました。あなたは子供時代に吸血鬼に家族を皆殺しにされたそうです。それから他者と触れあうのが極端に減ったと。仲良くなったあと、再び失うのが怖い、怖くて怖くて、仲間も友達も恋人を作ることもできない」

 

図星なのか優一郎はシノアの肩を掴む。

 

「テメェ、人の事を勝手にべらべらしゃべってんじゃねえよ!下らねえ事言ってねえで、さっさと吸血鬼殲滅部隊に入れろってグレン(バカ)に伝えろ!俺は奴等を倒すだけの力は手に入れたってな!」

 

「と言うと思って中佐からこれを渡せと言われました」

 

そう言ってシノアは一枚の紙を優一郎に渡す。

 

『仲間も友達も恋人もできないような童貞くんは軍にいりませーん。悔しかったら一人でも友達つくって俺に紹介してみろっての、プップー』

 

それを見た優一郎は紙を握り潰して床に叩きつける。

 

「どいつもコイツも馬鹿にしやがって」

 

肩で息をしてると、教室の扉から誰かが倒れるように床に突き飛ばされる。

 

「や、やめてよぉ……」

 

苛めか?

 

「やめてだ?何だよそれ。それじゃ俺達がお前を虐めているみてぇじゃねえか」

 

「俺ら友達だからジュース買ってきてって頼んだだけだろ?なによその態度は」

 

「ううう……」

 

「平和だねぇ……帰るか」

 

苛めの現場に遭遇しながらも優一郎はドライな感想を言い、鞄を手にする。

 

「あれを見てその感想じゃ、当分友達を作ることが出来ませんね」

 

「協調性以前に、人としてダメだな」

 

俺とシノアの挑発的なセリフに優一郎は僅かに反応するがそれでも帰ろうとする。

 

「だいたい、俺らの仲間になりたいって言ってきたのはお前だろ?なら働けよ、家畜見てーに」

 

家畜という言葉を聞いた優一郎は歩くのを止め、苛めている男達の方に向かう。

 

「おい」

 

「何だよ?」

 

「その辺にしとけよ」

 

「おいおいおーい。え?何?まさか正義の味方?ミカタっすか?」

 

「いやぁ..お前ら分かりやすくていいわぁ...。俺こういうの得意だからなんか嬉しいわぁ。いいよ、喧嘩か?やるか?」

 

優一郎は嬉しそうに笑う。

 

「あ、言い忘れてましたが、民間人に手を出したら謹慎延長ですから」

 

「はああああああああ!?」

 

次の瞬間、優一郎は男の拳を食らい倒れた。

 

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