「さーて、ここだ」
その言葉とともにグレンは大きな扉を開ける。
部屋の中には鬼の顔をした大きな像がずらりと並んでいた。
優と与一、君月が周囲を見渡しながら不思議そうに言った
「なんだここは…」
「お前が一番欲しがってた最上位の鬼神を封入した武器が集まっている部屋だ」
「最上位の…鬼…、じゃあこれがありゃ吸血鬼を狩れんのか?」
「そりゃおまえの実力次第だな」
「でもここのはお前の腰の剣と同じ……」
「そうだ。ここにあるのは希少な“黒鬼”シリーズだ。まぁどうでもいいだろ。始めようぜ。だらだらお前らに付き合うほど俺も暇じゃねぇんだよ」
「で、どうすりゃいい?」
「好きな武器を選んで儀式陣に入れ武器に触れたら自動で契約の儀が始まるようにできている。お前らが鬼に負けなけりゃ力が手に入る」
「もし負けたら?」
「人喰いの鬼になるか、鬼の力に押しつぶされて死ぬか。ま、どっちにしろ死ぬがな。鬼になったら俺が殺すからな」
グレンの言葉に君月と与一は身震いする。
そんな中、優は一人笑ってた。
「いいね、俺はこう言うの待ってたんだよ」
そう言って、儀式陣の中に入り、ある刀の前に立つ。
「馬鹿グレンがぬるぬる学校なんかに行かせやがって……力を手に入れて、家族を………ミカを殺した吸血鬼を皆殺しにする!俺はその為に生きてきたんだ!」
優に続いて、与一は弓、君月は双剣の前に立つ
「抜け。そしたら始まる」
「俺に力をよこせよ、クソ鬼!」
優がそう叫んで、刀を抜く。
そして、君月と与一も抜く。
そして、三人は契約陣の中に倒れ込み、契約の儀が始まった。
「後は三人次第か」
「あの三人、無事契約できると思いますか?」
「優は大丈夫だろう。アイツは下位とは言え、“明王”を意志の力のみで調伏させたしな。君月も、最初は危うかったが、今は仲間がいるし大丈夫だろう。だが……………」
俺は言葉を噤み、与一を見る。
与一が心配だな。
問題無く、アイツも契約できればいいんだがな………
それにしても、契約の儀か。
懐かしいな。
もう、三年ぐらい前になるんだな。
少し昔の事を思い出し、感傷に浸ってると君月が目覚め立ち上がる。
「調伏おめっとさん」
「ああ」
君月は無事、契約が完了し、それに続いて優も目覚める。
「お、うまくいったか優」
優は手にある刀を見つめ、にやっと笑う。
「あったりまえだろ」
「余裕こいてんじゃねぇよ。調伏に時間かがりやがって」
「お前も成功したのか?」
「ああ」
「そうだ。与一は?」
優は与一の方を見る。
それに続いて、君月も与一を見る。
すると、与一が居た方向で爆発が起きた。
「なんだ!?」
「あーあ、まじぃな。与一はやっぱちょい力が足りなかったか。でもま、“黒鬼”に挑戦して三分の二が成功は上々だろう」
「一体どういうことだよ!?」
「よし、鬼呪装備も手に入ったことだし、お前達に初任務を言い渡す。優、君月、人喰い鬼が出た。お前達で始末しろ」
そう言って、グレンが指さした先にいたのは、鬼に取り憑かれ鬼呪装備を手にした与一の姿があった。