俺達は男子は、シャワーを浴び終え、牛乳パックを飲みながら女子(二人)が出て来るのを待っていた。
それにしても遅いな。
「女どもは一体何やってるんだ?」
「古来より女の買い物と化粧、風呂は長いって言う。気長に待て」
そう言って残りの牛乳を飲み干す。
君月は牛乳パックを女の子に差し出し、少し屈んで話す。
「少し君に聞きたいことがあるんだ。君が捉えられてた吸血鬼の潜伏場所についてなんだけど」
「あ、でも、嫌だったら答えなくてもいいぞ。無理して言う必要はないし」
「あ~さっぱりした!」
若干シリアスになりかけてた所に、シノアの気の抜けた声が響く。
「まったく、シノアは………」
三葉も一緒に出て来て二人が並ぶ。
「シノア、今大事な話の最中だ。あまり大声出すなよ」
そう言いながらシノアに牛乳パックを投げ渡す。
「どうもです」
シノアはそれをキャッチし、飲み始める。
「ほれ、三葉も」
「あ、うん」
「あ、あの!」
その時、女の子が声を上げた。
「私、嫌じゃありません。助けてもらったお礼を」
「いや、礼なんて別に良いって。そんな事気にするな。これからお前が毎日笑って元気に過ごしてくれればそれでいいって」
まるで漫画の主人公みたいなセリフだな。
「チッ!」
そんな優が気に食わなかったのか、三葉は舌打ちをして去る。
「……え?」
「………場所は何処だい?」
「え?」
優がこの流れで進めるの!?みたいな声を出す。
「……表参道の駅です」
翌日、俺達はあの女の子の証言で原宿の表参道に向かった。
「吸血鬼たちは表参道の地下鉄跡を拠点としていることが分かりました」
「一ついいか?」
「はい、君月君」
「捕えられてる民間人はどうする?」
「一旦無視だ。私たちにそんな余裕はない」
そう言うと優は不服そうにする。
「なんだその不服そうな顔は?嫌なら渋谷に帰っていいんだぞ」
「誰が不服っつった?俺は吸血鬼が殺せんならそれで---」
「あと、吸血鬼が全員武装した状態で起きていた場合は撤退します」
「はぁ!?」
「当たり前だ」
声を上げた優に向かって俺は言う。
「もし戦闘になれば民間人に被害が出る。それと、民間人を無視するのは下手に保護して逃がそうとした所を、吸血鬼に襲われたら俺達も民間人もただじゃすまないからだ。民間人の保護は吸血鬼を始末できたらだ」
「ここです」
優に理由を説明してる間に、地下鉄入口に着く。
「正直 黒鬼シリーズを使えるあなた方は強いのでなんとかなる可能性もありますが…どうせやるなら無傷で敵を皆殺しにしたい。なので、独断専行は…」
「しねぇよ。無傷で奴らを皆殺し…いいじゃねぇか」
「よろしい。……では、行きましょうか」