終わりのセラフ~一刀一銃の使い手~   作:ほにゃー

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約束

「さてと、十五人か。ちょいっと骨が折れるかもね」

 

そう言いながら、俺は刀を手の中で器用に回転させる。

 

「やれ!」

 

誰かの合図と同時に、吸血鬼が攻撃を仕掛けて来る。

 

俺は足元の瓦礫を蹴り上げ、吸血鬼の視界を塞ぐ。

 

「くっ!」

 

吸血鬼は攻撃を止め止まる。

 

そして、瓦礫事その吸血鬼を斬り殺す。

 

「がっ!」

 

そのまま吸血鬼を踏み台にし飛び、上から銃を発砲。

 

三人の吸血鬼の額に当たり、後は肩や足に命中する。

 

地面に降りると背後から剣で襲い掛かってくるが、そのまま刀で脇を突き刺し、引っ張りよせ、前から来た吸血鬼の剣をその吸血鬼の体で受け止める。

 

銃身を吸血鬼の目に突っ込み、頭の奥まで入れ、六回引き金を引く。

 

六発の弾丸が吸血鬼の頭を突き抜け、そのままもう一人の吸血鬼の頭に当たる。

 

これで六匹。

 

「くそ!」

 

「死ね!」

 

二人の吸血鬼が俺の前と後ろから襲い掛かってくる。

 

横に振られた剣をしゃがんで回避すると、二人の吸血鬼の剣が互いの体を斬りつけ鮮血が噴き出る。

 

「あつっ!」

 

「ぐおっ!」

 

二人の吸血鬼は予想外の痛みに剣を落とし、胸を庇う。

 

その隙を見逃さず、俺は銃を額に押し付け、刀をもう一人の吸血鬼の首に当てる。

 

引き金を引く指と刀を振る腕を同時に動かし、二人を殺す。

 

殺すと走り出し、正面の三人の吸血鬼の内一人の吸血鬼の喉に刀を突き刺し、そのまま振り下ろし、銃で背後に居る吸血鬼を銃だけ向け発砲。

 

弾は頭に命中し、吸血鬼は死亡。

 

残りは四人。

 

そして、内三人は、さっきの発砲で負傷してる。

 

右肩、左脚、それと右脚の甲。

 

右肩を負傷した吸血鬼は左手に剣を持ち、左脚を負傷した吸血鬼は左脚を庇うように剣を構え、右脚の甲を怪我した吸血鬼は踏ん張っているが、辛そうにしている。

 

「俺が先行する!お前達は横から攻めろ!」

 

怪我を負ってない吸血鬼が剣を手に特攻してくる。

 

応戦しようと刀を向けるが、いつの間にか、肩を怪我した吸血鬼が俺の右側から接近し、剣を振ろうとしていた。

 

刀で剣を受け止める。

 

それと同時に、特攻してくる吸血鬼が剣を振り下ろす。

 

が、俺は剣を銃で受け止め、そのまま銃を捻る様に動かし剣を弾き、銃口を吸血鬼の正面に持ってくる。

 

「へ?」

 

間抜けな吸血鬼の声と銃の発砲音が響く。

 

肩を負傷した吸血鬼の足を蹴り飛ばし、地面に倒れさせそのまま心臓に刀を突き刺すように下ろす。

 

これで十三人目。

 

残りは、二人。

 

吸血鬼の一人は体を震わせ、戦意を喪失していた。

 

「た、助けてくれ!頼む!どうか命だけは!」

 

剣を放り投げ、吸血鬼が土下座する。

 

「悪いが、敵に情けを掛けるほど俺は甘くない」

 

そう言い、吸血鬼の頭を跳ね飛ばし、刀を鞘に納める。

 

「あと一人は?」

 

辺りを見渡すと最後の吸血鬼が背中を見せて逃げてるのが見えた。

 

「ば、化け物だ!早く、応援を゛!!?」

 

「逃げられないぞ、俺の弾丸からはな」

 

銃口から煙の上がる“六道煉獄”を握りしめ、背後に鬼を控えた俺は吸血鬼にそう言う。

 

最後の吸血鬼が絶命したのを確認し、鬼を消し、銃を回転させながらしまう。

 

「廉也!無事か!」

 

すると丁度優たちが応援に駆け付けてくれた。

 

「おお。早かったな。もう終わったのか?」

 

「ま、まさか廉君、一人で十五人の吸血鬼倒したの?」

 

与一が襲る襲る尋ねて来る。

 

「ああ、まあな」

 

そう言うと優と与一、君月は驚いた表情になる。

 

「いや~、流石は廉也です。十五人の吸血鬼を数分で倒す。お見事です」

 

シノアが拍手をして褒めて来る。

 

「さて、吸血鬼は全員死んだし、民間人の保護と行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、民間人の保護にやって来た帝鬼軍に民間人の移送を任せ、俺達は新宿へと向かう準備を始める。

 

「なんで吸血鬼を殺した!」

 

鞄に物資を入れてるとそんな声が聞こえた。

 

「あいつらがいなくなったら俺らは…子供たちはどうなる!?」

 

文句を言われ対応してる人が困ってる。

 

「誰かに頼る前に自分で考えたらどうなんですか?」

 

俺は思わず、その男の前に立つ。

 

「あんたは子供を守るために何かしましたか?」

 

「そ、それは…………」

 

男は言いよどみうろたえ出す。

 

「吸血鬼に媚売って生き永らえて、それでいいのかよ?」

 

そう言うと男は何も言わなくなり、黙る。

 

「親なら命張ってでも子供を守れよ。誰かに頼るのは自分で精一杯の行動をしてからでもいいだろ。それで、あんたが本当に誰かを頼ろうとするなら俺たち帝鬼軍が守る。必ずだ」

 

それだけ言い俺はその場を去る。

 

「随分と偉そうな事言ってましたね」

 

シノアが笑いながら近づいてくる。

 

「文句でもあるか?」

 

「いえ。あの場ではああ言うのが正解だと思いますよ」

 

シノアがそう言い終えると、急にシノアが慌てて俺の手をつかむ。

 

「おい、シノア?」

 

「腕怪我してるじゃないですか!?」

 

見ると、制服の袖が破け、そこから血が出ていた。

 

「ああ、戦闘中に怪我しちまったみたいだな。ま、吸血鬼どもの攻撃って言うより何処かに引っ掛けて出来たって感じだな」

 

「何悠長なこと言ってるんですか!?すぐに手当てしますよ!」

 

そう言うとシノアは俺の手を掴み、救護テントまで連れて行く。

 

「上着脱いでください!治療の邪魔です!」

 

言われた通り上着を脱ぎ、椅子に座る。

 

シノアは治療用の消毒液や包帯、ガーゼなどを取り出し、手当てをする。

 

「手際いいな」

 

「これぐらい普通です」

 

手当てをい終えるとシノアは俺のほうをじっと見てくる。

 

「どうした?」

 

「………えい!」

 

そう言って俺の怪我した場所を思いっきり叩く。

 

「あああああああああっ!!?」

 

余りの痛みに腕を押さえ叫ぶ。

 

「何するんだよ!?」

 

「心配かけた罰です」

 

その言葉に俺は「え?」と言う。

 

「確かに廉也は強いです。回復力だって普通の人と比べれば高いです。でも、貴方は時に無謀な戦いもします」

 

シノアは俺の手を包み込むように両手で握る。

 

「お願いですから………無茶をしないで下さいとは言いません。でも、死なないで下さい」

 

俯きながら言うシノアを見て、俺は空いてる手を伸ばし、頭を撫でる。

 

「大丈夫だって。仮にも帝鬼軍最強だなんて呼ばれてるだぜ。そう簡単には死なねぇよ」

 

「……絶対ですよ」

 

「ああ」

 

そう言うとシノアは俺の胸に頭を置くように倒れてくる。

 

「しばらくこのままでいて下さい。隊長命令です」

 

「了解」

 

「後、頭も撫でて下さい」

 

頭を優しく撫で、俺とシノアはしばらくの間二人の時間を楽しんだ。

 

なお、この後、三葉が来て一悶着あったが、それは別の話だ。

 

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