終わりのセラフ~一刀一銃の使い手~   作:ほにゃー

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暴走

「あれ?もしかして死んじゃった?」

 

貴族は動かなくなった廉也を見てそう言う。

 

「そんな……嘘だろ………?」

 

優は脇腹を押さえながら動かない廉也を見る。

 

「やっぱ人間は脆いね。この死骸どうしようか?」

 

足で廉也の体をぐりぐりと踏みつけながら吸血鬼は遠くを見つめる。

 

ゴキッ!!

 

その瞬間、変な音が聞こえた。

 

貴族はゆっくりと下を向く。

 

そこには廉也が吸血鬼の脚を横から殴りつけていた。

 

ただし、貴族の吸血鬼の脚の骨は折れ、折れた骨が皮膚を突き破り、足から血が噴き出していた。

 

「う……うああああああああ!!?」

 

吸血鬼は足を押さえ、蹲るる。

 

「な、何が!?」

 

吸血鬼が廉也の方を見ると、廉也は立ち上がり、吸血鬼を見下ろしていた。

 

「くっ………僕を……僕を見下ろしてるんじゃない!家畜が!」

 

吸血鬼は剣を抜き、斬り掛かる。

 

廉也はその剣を素手て受け止めると、そのまま剣を弾く。

 

そして、吸血鬼の頭を掴み握る。

 

「なっ……くっ放s……!」

 

最後の言葉を言う間もなく吸血鬼は黙る。

 

吸血鬼は廉也によって頭を握りつぶされ、死んだ。

 

その光景に優もミカも驚き、言葉を失った。

 

廉也は黒く濁った瞳を戦場の方に向け、シノアを襲った吸血鬼、クローリーを見つめる。

 

そして、次に三葉、君月、与一と順に、襲われてる仲間と襲ってる吸血鬼を見る。

 

「う……うううううう……!!」

 

廉也は唸り声を上げ、歯を剥き出しにし手を付いて、四つん這いの様になる。

 

その姿はまるで獲物を仕留めようとしてる獣の様だった。

 

そして廉也は一瞬にしてその場から姿を消した。

 

鬼呪装備を持たずに。

 

廉也は一瞬で戦場にと戻り、クローリーと対峙する。

 

「ん?」

 

クローリーも廉也の様子が違うのに気付き、シノアの首から牙を離し廉也を見る。

 

「なんかさっきと雰囲気違うね?どうしたの?」

 

そう尋ねた瞬間、廉也は一瞬にしてクローリーの背後へと移動する。

 

「なっ!?」

 

自分が目で追えなかったことにクローリーは驚愕する。

 

廉也は腕を振り上げクローリーに殴り掛かる。

 

クローリーは廉也の様子が変なことから後ろに下がって攻撃を避けようとするが、廉也の腕が僅かに右腕を掠る。

 

そして、クローリーの体は吹き飛ばされ、右腕が宙を舞う。

 

「くっ!」

 

クローリーは苦虫を噛み潰した様な表情になり、腕がちぎれた肩を押さえる。

 

(まずいね、これは一旦引いて態勢を)

 

だが、それをする前に廉也はくローリの横に着き、そのままクローリーを叩き落とす。

 

「がっ!」

 

叩き落とされたクローリーは肺から全部の空気を吐き出し、血も吐き出す。

 

「これは内臓が幾つかやられたかな………」

 

そう言って、自分の上に居る廉也を見上げる。

 

廉也は足を上げ、そのままクローリーの腹部を踏みつける。

 

何度も何度も…………

 

踏みつけられた衝撃で地面には大きな穴が空き、中心地には廉也とクローリーだけがいる

 

「クローリー様!この……家畜の分際で!」

 

君月を捕まえていた金髪の女吸血鬼が君月を離し、廉也に鞭を振るう。

 

廉也は鞭を躱し、掴むとそのまま引き寄せ、女吸血鬼の顔を殴り飛ばした。

 

そして、三葉を襲っていた青い髪の女吸血鬼の方に向かって飛ぶように走り出すと、そのまま膝蹴りを顔に入れ倒し、腹部に踵を落とす。

 

続いて、与一を襲ってる吸血鬼の傍にも一瞬で移動すると、その顔を蹴り飛ばし頭を掴み上げる。

 

何度も地面に顔を叩き付け、顔の形が変形するまで叩き付け、最後は踏みつけて殺した

 

「あれは一体なんなのかな?」

 

フェリドは暴れまわって吸血鬼たちを虐殺してる廉也を見つめ、グレンに尋ねる。

 

「さぁな………コイツは俺も予想外だ」

 

グレンは笑ってはいるが内心焦りながら言う。

 

「やれやれ、仕方がないね」

 

「どうするんだい?」

 

クローリーはボロボロの体でちぎれた右腕を手にフェリドに尋ねる。

 

「これはちょっとまずいかもねぇ。引き上げよっか」

 

そう言うフェリドの頭上には、廉也が今まさに、フェリドの首を取ろうと手を広げていた。

 

フェリドはしゃがみ、攻撃を回避する。

 

「本当にヤバイかもね」

 

そうは言うが、フェリドは未知の力に興奮し笑っていた。

 

廉也はフェリドの方を黒く濁った瞳で睨み、唸り声を上げる。

 

その姿を眺めながらフェリドは、撤退の合図を出す。

 

その音に吸血鬼は一斉に立ち上がり、撤退を始める。

 

「くっ……優ちゃん!早く!」

 

ミカは優の方に手を伸ばすが、優は手を伸ばさなかった。

 

「優ちゃん!」

 

「悪いミカ。俺、お前と一緒にはいけない」

 

その言葉にミカは目を見開き驚く。

 

「お前は俺の家族だ。でも、アイツらも俺の家族なんだ。廉也が苦しんでる。なら、俺がすることは決まってるんだ!」

 

「ゆ……優ちゃん………」

 

「ごめん。でも、お前が生きていてくれて嬉しい。それだけは本当だ」

 

そう言うと、優は急いで戦場の方へと走り出した。

 

新宿五丁目には帝鬼軍の人間しかいなくなった。

 

だが、それでも空気は重い物だった。

 

「廉也!」

 

その時、優が戻って来て廉也に声を掛けた。

 

そして、その光景を見て優は驚いた。

 

何故なら廉也は君月の首を掴み、持ち上げていたからだ。

 

「や……やめろ……廉也……!」

 

「おい……何やってんだよ?やめろ、廉也!」

 

優が叫び走り出す。

 

「あ……がっ!」

 

だが、優は間に合わず君月は意識を失う。

 

君月の手から鬼呪装備が零れ落ちる。

 

その光景に優は絶句し頭を抱え出した。

 

「う…うわあああぁぁあ…!!」

 

優が唸り声に似た悲鳴を上げと同時に、優の左目から血が流れる。

 

そして優の背中からドス黒い翼のようなものが出る。

 

「おい、冗談だろ……このタイミングでかよ!」

 

グレンはその光景に舌打ちする。

 

そして、獣の様に暴れる廉也と人間とは何かが違う優。

 

二人が衝突した。

 

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