終わりのセラフ~一刀一銃の使い手~   作:ほにゃー

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家族

翌日

 

吸血鬼殲滅部隊候補生たち全員が訓練室へと集められる。

 

そして、グレンの部下である花依小百合さんが講師としている。

 

「では、一週間後に控えた鬼呪装備適性試験に向けて君たちの能力をジャッジします。結果によっては適性試験を受けれないので頑張るように」

 

「だ、大丈夫かな……?」

 

与一が不安そうに言う。

 

「取り敢えず、一番強い武器は俺が貰う」

 

「あはは、まだ言ってる」

 

「その自信が何処から来るのか不思議だな」

 

「今日の演習は二人一組で行います。仲間と息を合わせる訓練です。なので二人で訓練用の戦闘人形を倒してください。倒すのが早かった順に評価点が高くなります。ではまず二人一組になって、なった順に前に出てください。それと、廉也さんとシノアさんは、もう鬼呪装備は持ってるので参加は結構です」

 

小百合さんに言われ、俺は輪の中から外れる。

 

「あ、すみません。二人抜けると人数が奇数になるので、私は残ります」

 

シノアがそう言う。

 

そして、僅かにほくそ笑んでいた。

 

あれは悪巧みを考えてる目だ。

 

「二人一組って……あ、与「与一さん、与一さん、私と組みましょう」

 

「あ、うん」

 

「ををい!?ちょっと、お前ら……!」

 

騒ぐ優を放置し、シノアは与一を連れ移動する。

 

で、結局残ったのは優と君月だ。

 

最悪の二人が残ったな。

 

でも、ある意味組ませるべきコンビかもな。

 

この二人は根っこ部分は同じだ。

 

「冗談だろ?なんでこんな奴と……」

 

「それはこっちの台詞だ」

 

「まぁいい、俺の足を引っ張るなよ」

 

「お前こそ何もするな。俺の指示で全部終わらせる」

 

「あ?殺すぞてめぇ」

 

「先にここで決着つけてやろうか?」

 

一触即発な雰囲気の中、小百合さんは二人目掛け手錠を投げる。

 

手錠は見事二人の腕に填まり、二人を繫げる。

 

「はいはーい、これで全ペア決まったので、その手錠に繋がったまま、協力して戦闘人形を倒してください。あ、あと、手錠は人形を倒したら外れるので、それじゃあ、頑張ってくださいね~」

 

小百合さんがそう言うと、人形が現れ襲い掛かる。

 

「軍の式神人形か!」

 

「対して速くねぇな」

 

「即行で倒して評価を上げる」

 

そう言い、優と君月は人形に襲い掛かる。

 

互いに、反対方向の人形に向かって。

 

手錠でつながれてる為、二人は人形に近づけず倒れる。

 

「てめぇどの人形狙ってんだ!ふざけてんのか!」

 

「お前こそふざけてんのか!」

 

二人が言い合いを始めると、式神人形は優と君月に近づき攻撃する。

 

「「ぎゃあああああああ!!?」」

 

「百夜・君月ペア、マイナス十点」

 

早速マイナス点か。

 

先が思いやられるな。

 

「失礼します!」

 

その時、訓練室に連絡官の人が来る。

 

「君月君はいますか!?至急治療室に!妹さんの容体が急変し危篤に!」

 

「………気にせず訓練を続けてください!」

 

「な!?お前何言ってるんだよ!妹が危ないんだぞ!」

 

「うるさい!目の前の人形に集中しろ!俺はここで成績を出さなきゃいけないんだ!お前だってそうだろ!ここで結果を出さなきゃ、“月鬼ノ組”に入れなくなるんだぞ!」

 

その瞬間、優が君月の顔を思いっきり殴った。

 

「馬鹿がお前は!評価なんかどうでもいいだろ!家族が危ないんだぞ!死んだらもう…………死んだらもう会えないんだぞ」

 

優の言葉に君月は呆然とする。

 

「おい連絡管!治療室ってのは何処だ!」

 

優は連絡管に治療室の場所を聞き、手錠に繋がれたまま君月を連れて行く。

 

「はぁ……小百合さん。アイツらの評価、特別に配慮してもらえませんか?」

 

「………分かりました、今回は特別ですよ」

 

「助かります」

 

小百合さんに頭を下げ、俺は訓練室を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、俺はシノアとグレンの執務室を訪れた。

 

「今回は凄いですよ。中佐の剣と同じ“黒鬼”シリーズに挑戦できそうなのが二人もいます」

 

「優と君月か?」

 

「ああ。二人とも強い欲望に悲しい位の優しさ。二人なら“黒鬼”でも問題無いだろう」

 

「………そうか」

 

グレンはにやりと笑う。

 

「二人が月鬼ノ組に入れば戦力は大幅に上がるな」

 

「ええ」「ああ」

 

「なら俺も始めるとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この国の王位を本家から奪うための準備をな」

 

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