水晶と虚無   作:is.

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第13話 王女の依頼

今も思い出すあの素晴らしい日々。

世界は喜びの色に溢れ、目に映る全ての物が光り輝いて見えたあの夜。

ラグドリアン湖のほとりを愛しい人と二人で歩いた大切な記憶。

許されぬ恋と知りながら、激しく燃え上がった一時の恋。

叶わぬ恋と知りながら、恋に落ちてしまった若い二人。

頭の片隅では分かっていたのだ。自分はトリステインの一人娘、相手はアルビオンの長男。

お互いに国の未来を背負わなくてはならない立場で、いくらお互いを求めようとも決して結ばれる事など無い、と。

それでも、今でも瞼を閉じれば浮かんでくる世界で最も愛しい人。

 

しかし、今はその思いの全てを胸の奥深くに沈めて封印してしまわなければならない。

その記憶が、想いが、国の行く末に黒い雲を呼び込もうとしている現状がこの身を苛む。

あの日の誓いが、国を滅ぼそうとしている。

始祖の名の下に誓った嘘偽りの無い気持ちは今でも変わる事は無い。しかし、その想いに背を向けなければならないというあまりにも残酷な現実。

自分の気持ち一つも自由にできないこの身を呪う。

自分の気持ちを言えない今という時を呪う。

今が平和な時代ならば、トリステインとアルビオンの平和的統合とか、もっと明るい知らせとなり得ただろうに。

今という時勢がそれを許してくれない。

何故、自分は一人娘であったのだろうか。何故、彼は第一皇子だったのだろうか。

今となっては全てが呪わしい。

自分も、世界も、何もかもが。

 

それでも自分は生きてゆかなければならない。このか弱い両肩にトリステインという重すぎる荷物を背負いながら。

お飾りだろうが傀儡だろうが、生き続けなくてはならないのだ。

例え望まぬ契りを強制されても、子を成して国を未来へと永らえさせていくのが私に課せられた義務であり宿命。

 

ああ、愛しいウェールズ。わたくしはどうしたらいいの?あなたへの想いの全てを捨て、国に飼い殺されて生きていかなければならないの?

もし自分が一介の貴族の娘だったら、二人を邪魔するものなんて何もなかったのに。

でも、全ては叶わぬ夢。

ああ、ウェールズ……。わたくしは一体どうしたら……。

 

目の前の愛おしい面影に手を伸ばす。凛々しい横顔に、美しい金髪が風になびく。その顔に湛えられた頬笑みは、何を語ろうとしているのだろうか。

夢の中の彼は何も答えない。ただ、そこに立って笑みを投げかけてくれているだけだ。

 

…………

………

……

 

夢から醒めて瞼を開ける。頬を伝った涙の跡が、鏡を見ずともハッキリとわかった。

 

 

 

 

 

朝。

いつもと変わらぬ、いや、いつもより30分程遅れてルイズは目覚めた。時計を見て、目を丸くする。

なぜバッツは起こしてくれなかったのか。これでは朝食の時間にギリギリ間に合うかどうかだ。文句を言おうと部屋を見回した所で、主を失ったクッションの山が目に入る。

そうだ。

モンモランシーに言われてあいつを女子寮から追い出したんだっけ。久々の一人で起きる朝に少し戸惑いを隠せないでいる。

久々、と言っても何カ月もそうしていたわけではないのがだが、何か新鮮な感じがするのはどうしてだろうか。

……なんて感傷に浸っている場合ではない。急がなければ朝食のお預けをくらってしまう。時間がないので着替のみを済ませ、洗顔の代わりは濡れたタオルで顔を拭くだけに留めた。

元来化粧をする質ではないルイズは髪がボサボサなのも気に留める暇も無く、そのまま部屋を出ると一目散に食堂へと駆け出した。

 

「あらルイズ、今日は遅かったわね。……って、どうしたのその頭。酷いなんてもんじゃないわよ」

 

席に着くなり、隣に座っていたモンモランシーに容姿について一言喰らった。

 

「あなたの使い魔はとっくに給仕をしてるってのに、ご主人様のあなたはお寝坊さんだったのかしら?」

「あんたに言われて、あいつを女子寮の外に住まわせたのよ」

「あら、そうだったの。それで寝坊したってわけね」

「少し油断してただけよ」

「油断……ねぇ。弛みきってただけじゃないの?」

「むぐっ……。…………否定はしないわ。肯定もしたくないけど」

 

少し不機嫌そうに、そして少し照れ臭そうにそう答えるルイズの顔を見てモンモランシーは満足そうに笑う。少し前までのルイズでは考えられない反応が今はとても楽しい。

そして今日もいつもと変わらない一日が始まる。

今日の授業はカルマール先生による薬草学から始まった。他の授業と比べとりわけ地味な印象のある薬草学は、秘薬調合を得意とする生徒以外にはあまり人気がない。

一部の生徒を除き、大半が欠伸をこらえながら「早く終わらないものか」と心待ちにする授業のうちの一つだ。

本日も御多分にもれず、モンモランシーなど若干名を除き多くの生徒が注意散漫気味に授業に参加していた。

カルマールは教室を見回す。自分の授業が生徒からの人気が薄く、真面目に聞いているのはいつも両手で数えられるほどしかいないという状況には慣れているつもりである。

今だって熱心に聞いてくれているのは、『香水』の二つ名を持ちポーションの調合に精を出しているモンモランシーと、座学では学年トップクラスのルイズを始めとする数人しかいない。

同じように真剣な顔をして本を読んでいるタバサは、本を読んではいるもののそれがこの授業に関する書物であるという保証は無い、というのはこの1年で嫌というほど分かっている。

それでも、この授業は続けられなければならない。皆が必要と思わないような知識でも、いつの日かきっと役に立つ日が来るのだから。

そうでも思っていなければやっていけない。

そんな授業風景も、ここ数日は少し様子で違ってきた。ルイズが召喚した人間の使い魔が、他のどの生徒よりも熱心に授業を受けているのだ。

時には主人のルイズを通して質問をぶつけて来る事すらある。

薬草学の知識自体は、メイジであろうが非メイジであろうが活用できる範囲が多い。植物の種類と加工手順さえキッチリ守っていれば誰にでも役に立つのだ。

魔法を介さなくても出来あがる薬の種類も多いという点がが彼の興味を引いたのだろうか?

とにかく、そんな姿に触発されたか、或いは平民に負ける事が貴族のプライドが許さないのか、授業を真面目に聞く生徒が僅かずつではあるが増えてきたのだ。

 

「さて、本日の講義は以上で終了します。次回の講義はこの続きから、予復習を怠らないように」

 

普段よりもいくらか大きい手応えを感じながら、講義を終えようとしたその時、慌ただしく講義室に入ってくる人物があった。それはこの学院の教師の一人、ギトーであった。

余程急ぎの用事らしく、大きく肩を上下させているところから、大分走って来たのだろう。

 

「いやはや、どうなされましたかな?ミスタ・ギトー。次の講義には少し時間が早過ぎませんかな?」

「どうもこうもありませんぞ。全く厄介な事に……失礼、全く以て恐れ多い事に、ゲルマニア御訪問の御帰還の途中、アンリエッタ王女がこの魔法学院にお立ち寄りになられることが決定したのだ」

 

室内にどよめきが広がる。

 

「ミスタ・ギトー、それは本当なのですか?一体、いつ王女はこの学院にお成りになるのですか!?」

「本日ですぞ!!」

 

少し疲れた声でギトーが答える。生徒達は勿論、教師にとっても寝耳に水の出来事である。王族の旅行日程なんて、本来は事前に全てキッチリと決まっているはずである。

もし、この学院に立ち寄る予定があるのであれば事前に通達があって然るべきであるし、それ故今回のようなケースは非常に稀な、本来ならば起こらない筈の事態なのである。

 

「よって、本日の残りの授業は全て中止、王女歓迎式典の準備に充てることになる。生徒諸君らは全員正装の上、正門にて王女御一行を迎え入れる事。くれぐれも粗相のないように気を付けるのだぞ!」

 

生徒側に向き直ってギトー先生がそういうと室内は一気に緊張に包まれた。

その様子を一瞥すると、「全く、私は伝書鳩代わりではないというのに……」とブツブツ文句を言いながらギトー先生は、煙が散るかのように消えてしまった。

ギトー先生の姿が消えるのを合図にしたかのように、室内は一斉に動き出す。

慌ただしく動き回る生徒達の中、ただ一人状況をよく呑み込めていないバッツは隣のルイズに見当はずれな質問を投げかける。

 

「さっきの先生が消えたのって、やっぱり魔法?」

 

そんな呑気なことを考えている自分の使い魔に呆れながらも、ルイズは律儀にもその質問に答えた。

 

「そうよ。あれは『遍在』。風系統の高レベルの呪文よ」

「消えたりする魔法なのか?」

「そうじゃなくて、分身を作り出すのよ。今来たミスタ・ギトーも『遍在』で造り出された分身の一つだったのよ。どれくらいの数の分身を造れるか、どの程度離れてても維持出来るかは使用者の力量に左右されるみたいだけど。きっと今頃、全部の教室に向けてミスタ・ギトーの分身が何人も伝令の為に走りまわっている筈よ」

「便利な魔法もあるもんだなぁ」

 

とバッツは素直な感想を漏らす。その反応から、バッツの知る魔法の中には『遍在』に相当する呪文は無いらしい事が見て取れた。

ルイズはそれが何故か少し嬉しかった。バッツの知らない事、出来ない事を知っているという事が不思議な優越感をルイズに与えた。別にルイズが『遍在』を使えるわけではないのだが。

バッツに出会ってからというもの、何かにつけて「驚く側」であったルイズが初めて「驚かせる側」に回ったというだけなのだが。

 

 

数時間後、トリステイン魔法学院正門前では全生徒と全教師が揃ってアンリエッタ王女御一行の到着を今か今かと待ち構えていた。

卸したての服を着せられて、その上身だしなみも入念にチェックされたバッツもその列の中に居た。

辺りを見回すと、生徒達は普段と同じ制服姿であるが、教師は皆この間の舞踏会以上に着飾っている。

いや、着飾っているとかいう以前に全員独特のカツラを頭に載せており、王宮勤めの高官の様である。

成程、教師たちにとっての正装とはああいう格好の事を指すのだろうか。

普段頭頂部がさみしいコルベールなどが、カツラをかぶってフサフサな頭をしているのは見ていて妙な可笑しさがある。

妙な可笑しさと言えばもうひとつ。ギーシュが珍しく普通の制服を着ていた。

普通、というのは勿論他の生徒と同じ格好という事だ。というのも、常の彼はヒラヒラした装飾が目立つシャツを胸元まで開襟しているのだ。

彼の杖が薔薇を模ったものであるというのと合わせてひどく気障な印象を与えていたが、こうして皆と同じ服に身を包んでいると不思議と普段の鼻につくような所も立ちどころに消え失せてしまっている。

まるで借りてきた猫のようである。いつもの歯の浮くような台詞一つも発することなく、緊張に顔を強張らせていた。

 

そうこうしている内に、王女一行と思われる一団が到着した。

 

中心に見える一際豪華な四頭立ての馬車に王女が載っているのだろう。馬車をひく四頭の白馬も、よくよく見れば額に一本の角を生やしている。

ルイズによれば、伝説の幻獣・ユニコーンなのだという。

王女の馬車の周りを、グリフォンやマンティコアといった幻獣に乗った騎士たちが守りを固めている。

魔獣使いの騎士に囲まれで進む一団の姿は、バッツにとってある意味新鮮で、ある意味ここが自分の世界とは全く違う所だという事実を改めて突き付けられるようであった。

王女一行の到着と同時に、学院お抱えの楽師団による歓迎の演奏が開始された。恐らく魔法によるものであろう花火が無数に打ち上げられ、盛大な拍手と共に一行は迎え入れられた。

その間、ルイズの様子が変な事に気が付く。

王女の馬車の辺りを見ていたかと思うと、見る間に顔を赤く染め、急に顔をそむけ俯いてしまったのだ。その後は、また馬車の方を見たり下を向いたりの繰り返しであった。

不思議に思ってルイズの視線の先を追ってみると、そこにはグリフォンに跨った、恐らくは若い騎士の姿が目に入った。

立派な髭を蓄え精悍な顔つきのその騎士は、周りに居る他の騎士と比べても随分若く見えた。

髭を生やしているのと遠目で見ていたのもあって正確な年齢は分からないが、バッツより年下という事はあるまい。同じくらいの年代か、年をとっていても4~5歳くらい上といった程度だろう。

よく見ると彼もこちらの事、つまりルイズの存在に気が付いたらしく、何度かこちらに向かって軽く手を振っている。

そのたびにルイズは嬉しそうに手を振り返しかけ、そんな自分の行動に気が付いて更に顔を赤くしてモジモジ下を向くのであった。

ルイズの一目惚れか、そうでなければ二人は以前からの知り合いでルイズは相手に対して憎からず思っている、といったことが容易に想像できるような状況であった。

 

それから盛大な歓迎式典が催され、この間の舞踏会以上に煌びやかな宴が催された。突然の式典に大わらわとなっている使用人達に頼まれて、バッツもその中に混ざって動き回っていた。

給仕として会場内を駆け回り、配膳の合い間にアンリエッタ王女の方を盗み見る。純白のドレスに身を包んだ王女の周りには、入れ替わり立ち替わり謁見者が訪れる。

学院最高責任者のオスマン氏を筆頭に、ここトリステインて有名な貴族の子女であろう生徒達が長々と列をなしていた。その列の中、かなり先頭の方にルイズの姿もあった。

その対応に追われ、王女は僅かの間すらも宴を満喫しているようではない。常に柔らかな頬笑みを絶やさずに面会者の応対をしている姿を見ていると、どちらが来賓なのか分からない。

王族も大変だ、それがバッツの抱いた感想であった。

 

宴も終わり、ルイズ一人で静かに部屋で過ごしていた頃。不意に窓をノックする音が聞こえてきた。

最初は聞き間違えかと思った。当然だ、ここは地上一階という訳ではない。だから最初はこれはノックなどではなく、甲虫の類が窓にぶつかった音だと思っていた。

が、その音はしばらく続き、そのうちそれが規則正しく一定のリズムで刻まれている事に気が付いた。明らかに人為的な音だ。そしてその音が刻むリズムには覚えがある。

遠い昔の幼い日の記憶。幼い時分に遊び相手と取り決めた秘密の合図。

ルイズは慌てて窓に駆け寄ると、その窓を開け放つ。そこには闇に溶け込むような黒のローブに身を包んだ人影が浮いていた。目深にフードを被っているので顔まではわからない。

だが、ルイズには目の前の人物の正体に心当たりがある。ローブの人物は部屋に招き入れられると、ローブの間から水晶の嵌め込まれた杖を振った。

 

「『ディティクト・マジック』ですか?この部屋には私以外居ません。怪しい者など潜んでいるはずがありませんのに」

「念のためです。気を悪くしたのなら謝りますわ」

「滅相もありません」

 

ルイズに招き入れられた人物はフードを外し、素顔を露にする。ルイズは招きいれた客人に対し、跪いて礼を尽くす。

 

「お久しぶりです、アンリエッタ様。といっても、先程の宴でお目通りかなったばかりですが」

「でもこうして二人だけで会うのは随分久しぶりでなっくって?ルイズ・フランソワーズ」

 

フードの下から現れたのは、アンリエッタ王女であった。

 

「姫殿下、このような下賎な場所に来られた理由は何でしょうか?」

 

跪いた姿勢のまま、ルイズがアンリエッタに質問を投げかける。その強張った声は突然の来客を歓迎しているというより、拒絶しているものに近かった。

 

「ああルイズ。昔馴染であるというのに、たった一人のおともだちにすらその様に振舞われたら、私はどうしたらいいかわからないわ」

「もったいないお言葉でございます、姫殿下」

 

親愛の情を滲ませるアンリエッタに対し、ルイズはあくまでも臣下としての姿勢を崩さなかった。

 

「やめてルイズ!この国にはもう私の味方と言えるのは、昔馴染である貴女だけなのよ。お願いだから、幼いあの頃のようにして頂戴。でないと私……寂し過ぎて死んでしまうわ!」

「しかしながら姫殿下……」

 

尚も態度を崩さぬルイズに業を煮やしたアンリエッタは、ピンと背筋を伸ばして言い放った。

 

「ルイズ・フランソワーズ、トリステイン王女アンリエッタの名の下に命じます。この場に於いて、いいえ、何時如何なる時も公女ではなくただの昔馴染として私に接しなさい」

「しかし……」

「『しかし』も『かかし』もなくってよ、ルイズ。こんな事を命令するのもおかしな話だけれど、私は王女としてではなく、ただの昔馴染として貴女に会いに来たのだから」

 

そこまで言って初めて、アンリエッタは表情を緩めた。

 

「だからルイズ、昔のように呼んで下さいな」

「姫さま……」

 

そのルイズの一言を聞き、ニッコリと微笑んだアンリエッタはルイズを抱きしめる。

 

「やっぱり貴女は私の一番のともだちだわ」

 

それから二人はベッドに並んで座り、色々な話題で話に花を咲かせた。最近流行の服やお芝居、人気の小説などの話で盛り上がる。

アンリエッタは一緒に遊んだ幼き日々の事、特にお菓子やごっこ遊びでの役の取り合いなど言い争ったり喧嘩した事の思い出に顔をほころばせた。

今の生活がそれほどまでに嫌なのか、時折昔を懐かしんではその思い出の中に逃避してしまいそうなアンリエッタの様子にルイズは不安が膨らむばかりだ。

そのうち話題の中心は最近のルイズの事、魔法学院での生活についての話題に移っていった。

ルイズにとっては退屈な学院生活も、ずっと王宮暮らしのアンリエッタにとってはまぶしく感じられるのか、根掘り葉掘り聞いてくるのであった。

そして、話題がアンリエッタの事になろうとした時、アンリエッタは急に黙り込んでしまった。

 

「どうしたのですか?姫さま」

 

ルイズが心配そうにアンリエッタの顔を覗き込む。

 

「姫さま……?」

 

何度目かの問いかけにようやく顔を上げる。その顔は今にも泣き出してしまいそうな程に思いつめていた。

 

「わたくし、結婚するのよ」

「それは知りませんでした。……おめでとうございます」

 

学院暮らしは外部の事情に疎くなりがちだ。最近の国内情勢についても何日かのタイムラグがある事もしょっちゅうである。

しかし、王女の婚姻という国の一大事を知らないというのは少しおかしい。

 

「いつお決まりになったのですか?」

 

ルイズの問いにアンリエッタは視線を窓の外に移しながら答えた。

 

「今回のゲルマニア訪問は、その為のものだったのよ。ゲルマニアと同盟を結ぶ為、国王として皇族を一人迎え入れる事になったの」

「それは……」

「あなたも知っているでしょう?『レコン・キスタ』を。ハルケギニアの全ての王権を排除し統一を目論んでいる反乱軍によって、あのアルビオンが滅亡の危機に陥っている事を」

 

ルイズは黙る。もちろんルイズも『レコン・キスタ』なる反乱軍がアルビオンで狼藉を働いている事は知っていた。

しかしそれは所詮他国の事であり、結局は国王軍に駆逐されるだろうと考えていたのだ。

それが、トリステインとゲルマニアの同盟を以って備えなければならない状況になっているとは夢にも思っていなかった。

しかもアルビオン王国が反乱軍によって打倒されようとしているなどとは。

個人的にゲルマニアに良い印象の無いルイズにとって、この一件は何か悪い未来の幕開けの様に感じられる。

 

「よりにもよって同盟相手がゲルマニアだなんて……」

「いいのよ、ルイズ。王女として生まれたからには、国益の為に私情を殺さなければならない事はずっと前から分かっていた事。覚悟はとっくに出来ているわ。でも……」

「“でも”、なんです?」

 

言葉を濁すアンリエッタの様子にただならぬものを感じ取ったルイズは、不安をよぎらせながら言葉を返す。

 

「かの反乱軍どもは当然、今回の二国間の同盟を快く思っていません。隙あらば妨害してくるでしょう。だから、婚姻を妨げるような材料を血眼になって探している筈です。特に、わたくしの不義の証拠を」

「まさか……まさか姫さま……」

 

ルイズは目を見開く。アンリエッタの様子と口振りから、次に来るであろう言葉が分かってしまう。その考えを肯定するかのように、アンリエッタは目を閉じ、俯きがちに首を横に振った。

 

「その“まさか”なのよ、ルイズ」

 

助けを求めるようにルイズの手を握るアンリエッタに、ルイズは目の前が真黒になりそうだった。

 

「そ、それは一体……?」

 

やっとのことで言葉を口から押し出す。心臓が高鳴り、胸から嫌なモノが込み上げてくるようだ。

 

「以前わたくしがしたためた一通の手紙。それが今、このトリステインに危機を招こうとしているのです」

「同盟を破棄させる程ものとは、その手紙はどんな内容なのですか?」

「それは言えません。ですがあれがあのならず者達の手に渡れば、必ずやこの縁談は破談になるでしょう。それほどの内容の物をしたためてしまったのです。世が泰平であったなら、誰にも知られずに二人だけの秘密になったでしょう。でも今はそれすら適わないのです」

 

アンリエッタの手が小刻みに震える。その震えは心の内に渦巻く不安の大きさを表していた。

 

「しかし、たかが手紙一通であの無粋者のゲルマニアとの同盟が壊れるなどと考えられないのですが」

「内容が内容なだけに、たとえ相手がどのようのものであれこのハルケギニアに生きる者であれば許す事が出来ないでしょう。それに、我が国とゲルマニアとの友好関係はそれだけ脆い物なのです」

「……その手紙は今どこにあるのですか?この御様子だと、姫さまのお手元には無いようですが」

 

アンリエッタは目を伏せながら消え入りそうな声で呟く。

 

「………………オンです」

「なんですって?もう一度仰って下さい」

「ア……アルビオンです……」

「なっ…………」

 

アルビオン、よりにもよってアルビオンとは。今まさに戦乱のさ中にある場所に、新たなる火種があるなんてもうどう言ったらいいのか分からない。

 

「件の手紙はまだ、アルビオンのウェールズ皇太子が所持していると思います」

「では皇太子宛の手紙だったのですね?」

「それについては発言を控えさせてもらうわ。でも今やアルビオン王国も風前の灯、いつ逆賊どもの手が皇子まで伸び、あの方の命と手紙を奪い取るかわかったものではありません」

 

部屋が沈黙に支配される。あまりの内容にルイズも言葉が出ない。とても気楽な言葉で慰められるような状況ではなかったのだ。

目を伏せ俯くアンリエッタとどう言葉をかければよいかわからないルイズ。

重苦しい沈黙の後、アンリエッタが口を開いた。

 

「実は貴女に謝らなければなりません。本当の事を言うと今日貴女に会いにきたのは――いいえ、この魔法学院に来たこと自体、あの手紙に関わっていたのです」

「ど……どういうことなのですか?」

「実は、件の手紙を取り戻す……いえ“取り戻す”という表現は適切ではないですが、その計画を密かに練っていたのです。その為の協力者も既にいます」

「誰なのです?」

「それはまだ言えませんが、わたくしの悩みを知り協力を申し出てくれた忠義の士です」

「…………」

 

何やら話が穏やかはない方向へと流れ出した。今でも十分穏やかではないが、それ以上にルイズ自身に何かが圧し掛かってきそうな予感がする。

緊張した面持ちでアンリエッタの次の言葉を見守る。この嫌な予感が外れてくれればいいが……。

 

「ですが、その忠誠心には感謝しますが、わたくしはその人物を信用しきれず、その他に心から信頼できる人物の協力が欲しいと思ってしまったのです」

「……………………」

「頭ではわかっているのです。幼少の頃からのたった一人のおともだちを戦火の真っ只中へ送り込もうなんて、悪魔のような考えであると。一番大切にしなければならない人を死にに行かせるような馬鹿な真似は止さなければならないと。でも、あの盗賊フーケ討伐隊の中に貴女の名前を見つけてしまった時から、そのような妄執に取りつかれてしまったのです」

「………………………………」

「国の為に自分を犠牲にするだけに飽き足らず、大切なおともだちまで犠牲にしようとしているのです。全く、今という時代を呪わしく思った事もありません。そしてそれ以上に、国を危機に陥れる軽薄な真似をしでかしてしまった自分が呪わしい」

 

アンリエッタは直接は言葉にしないものの、暗にルイズにアルビオンへの手紙回収任務を任せたいと言っているのだ。

直接言ってしまわないのは、彼女の中の良心が口に出す事を阻んでいるのだろう。

王女の頬を伝う大粒の涙は、公人としての彼女と私人としての彼女の心の葛藤を物語っていた。彼女とて苦しいのだ。

そんなアンリエッタの心の内を読み取ったルイズは優しく彼女の手を握る。

 

「御安心ください、姫さま。私とてヴァリエールに名を連ねる者。国の一大事に腰を上げなければ貴族の名折れ。いえ、それ以上に“大切なおともだち”の危機を黙って見過ごせるわけがありません」

「ルイズ……」

「だから何なりとお申し付けください。この不肖ルイズ、姫さまの為なら例え火の中水の中、地獄の業火の中でさえも喜んで飛び込んでみせましょう」

「ああ、ルイズ。どれ程に感謝の言葉を重ねたらいいかわからないわ。この愚かなわたくしを許してくれるなんて!」

 

感極まった王女とルイズは互いに手を取り合い、互いの友情の深さを確かめ合った。

 

「ですがその前に」

 

と、ルイズは言葉を置く。突然の言葉にいぶかしむ王女を安心させるように、努めて明るい笑顔で言葉を続ける。

 

「協力を仰がなければいけない者がいます」

「それは誰なのです?」

 

「それは……」とルイズは視線を外す。正直、どう説明したらいいかわからない。

 

「私の使い魔です」

「……?使い魔に“協力を仰ぐ”のですか?」

「色々と事情が込み入っておりまして。フーケ討伐成功もアレの働きによる所も多いのですし。とにかく実際にお会いになられればわかるかと思います」

 

訳が分からずキョトンとしているアンリエッタを促し、二人で窓から外に出る。寮塔内を行けば人目につく可能性を考慮し夜の闇に紛れて一路、バッツのコテージを目指す。

使用人宿舎脇にあるバッツのコテージからは明かりが洩れていた。どうやらまだ起きているようだ。

 

「ここに貴女の使い魔がいるのですか?」

「はい」

「どう見ても獣の住む建物には見えませんが……」

「中にお入りになればわかると思います」

 

未だルイズの言っている事が理解できていないアンリエッタも、促されるままに小屋の中へ足を踏み入れた。

 

そこには、アンリエッタばかりかルイズですら驚愕する光景が広がっていた。

昨日出来たばかりで伽藍堂だった筈の室内は、たったの一日で足の踏み場もない程に物が散乱していた。いや、散乱しているというよりは、並べられているといった方が正しいだろうか。

そんな状況の部屋の中で、バッツは紙とペンを手に忙しそうに動き回っている。その作業が忙しいのか、ルイズ達の方を見る事も無く手を動かし続けている。

 

「あんた何やってるのよ」

「いま丁度荷物の整理と確認をしてたんだ。もう少しで終わるから少し待っててくれ」

 

確かに、部屋に散乱しているのは鎧やら武器の類ばかりだ。しかし、それにしても量が多い。

床はようやく人一人が歩けるだけのスペースを残して鎧兜やら何やら、良くわからないものが置いてある。

壁には長短様々な武器が立て掛けられており、テーブルや椅子の上には色とりどりの液体の入った薬瓶などの小物が積み重ねてある。

何故か指輪や腕輪に髪飾りと、凡そ似つかわしくない物が転がっていたり、ここに有る筈の無い杖が視界の端に映ったりしているが、あまり深く考えるのは止めた。

 

「まぁ色々あったからな。ここらで手持ちのアイテムの整理をしておこうと思ってね」

「何?この量。これ全部あんたの持ち物なわけ?商売でも始めるつもり?」

 

それも悪くないな、なんて冗談を言いながらバッツはベッドの上のものを脇に追いやると、ようやく出来たスペースに客人二人を座らせた。

ルイズはぶつぶつと文句を漏らすが、それ以外に座れるような場所が無いので嫌々ながらも我慢する。

 

「で、こんな時間にどうした。それにそっちの女性はルイズの知り合いか?」

「あんたねぇ、この方は……ってあんたはずっと遠くの国出身なんだっけ、知らなくても当然かしら?まぁいいわ。こちらにおわすのは、恐れ多くもこのトリステインの王女・アンリエッタ様よ」

 

仰々しく紹介されて多少面喰うものの、王族と会う事は初めてではないし、何より今までの旅が特殊過ぎて少し感覚が麻痺してしまっているバッツは、いつものように自己紹介を始める。

 

「ああ、今日あの豪華な馬車に乗って来た人か。俺はバッツ・クラウザーだ。初めまして」

 

ごく自然に握手しようと手を差し出す姿に呆れて物もいえない。一体この男は、王族を何だと思っているのだろうか。その無礼な態度にルイズの怒りが一線を越える。

 

「“初めまして”じゃないでしょ?わかってるの?こちらの方は王女様、平民のあんたじゃお目に掛かる事自体が奇跡みたいなもんなのに……」

「ねぇルイズ?」

 

息巻くルイズの服の裾を引っ張りながら控えめにアンリエッタが尋ねる。その顔には困惑の色が濃く現れている。

 

「何でしょうか姫さま」

「この小屋にはあの方以外居ないようですが、もしやあの殿方が……?」

 

アンリエッタの少し狼狽した様子から、何を言わんとしているのかが分かってしまう。まぁ、そういう反応が普通だろう。自分だってそうだったのだから。

 

「仰るとおりです。あの者が私の使い魔です」

「使い魔……って、人間ではないですか!」

「その通りなのですが……その通りなのですが、何故人間が使い魔なのかは私に聞かれても困ります」

「そうなのですか……」

 

いまいち状況がよく呑みこめていないが、使い魔選出には己の意志の介入する余地がない事くらいは知っているのでそれ以上の追及はしない。

ルイズの使い魔が人間であるという事はそれ自体が何か意味を持っているに違いないが、それがどんな意味を持つのかは知る由がない。

 

「わたくしはアンリエッタ・ド・トリステイン。よろしくお願いしますわ、使い魔さん」

 

と、バッツの手を握り返すアンリエッタ。その行動にルイズは慌てて姫を止めようとするも、逆に「よいのですよ」とおっとりとたしなめられた。

そう言われてしまうと返す言葉の無いルイズは姫のしたいようにさせるしかない。

仕方がないのでルイズは事情の説明に入った。今夜自分たちがバッツを訪ねる事になったその理由を。これから自分たちが飛び込む事になる厄介事の事を。

最初は呆気にとられてたバッツだったが、時折『レコン・キスタ』等の用語の解説を交えながら話を進めることで大体の状況を呑みこんでくれたようだ。

 

「それで、あんたにも同行して欲しいわけ。っていうか、私の使い魔なんだから勿論ついてくるわよね?」

 

そう言って迫るルイズに対し、バッツは口元に手を当てて真剣そうな顔で考えている。そして、アンリエッタに直接質問をぶつける。

 

「話は大体わかったけど、要するにその手紙をなんとかっていう王子から返してもらえばいいんだろ?」

「大まかに言ってしまえばそういう事です」

「別に戦闘に参加してこいってわけじゃないんだな?」

「はい」

「どれくらいで行って帰ってこられるんだ?」

「フネの運航状況にもよりますが、長くても一週間もあれば十分に帰ってこられるでしょう」

 

ふむ、と腕組みをしてまた何事かを考える。その真剣な表情にアンリエッタはおろか、ルイズさえも口を挟む事が出来ない。ただただバッツの答えを待つばかりだ。

 

「じゃあ最後にもう一つ。ルイズ」

 

急に名前を呼ばれて、ルイズはビクッと体を固まらせて答える。

 

「君は手紙を取りに行くのに異存は無いんだな」

「もちろんよ。姫さまが、いえ、大切な友達が困っているのに放っておくことはできないわ。助けを求められているのならなおさらよ」

 

淀む事無く真っ直ぐな眼でそう言うルイズの答えに満足したのか、バッツは軽く頷き、

 

「わかった、俺も一緒に行こう。自惚れるわけじゃないけど、ルイズ一人くらいなら守り通す事はわけ無いと思う。そこら辺は安心してもらってもいい」

 

とアルビオン行きを承諾した。

 

「有難うございます。聞けばあなたは我がトリステインにもアルビオンにも縁もゆかりも無いと言うではありませんか。それなのに、この身勝手な姫の為に身を尽くしてくれるなんて、なんてお礼を言えばわかりませんわ」

「そういうのはよしてくれよ、堅苦しいのは苦手なんだ。それに、袖すりあうも他生の縁だ」

 

そう言って軽く笑う。その後、ルイズの持ってきた地図を見ながら全行程の計画が簡単に説明された。目的地までは早馬で2日+フネの運行状況で最長でも片道3~4日程度。

 

「それでは早速、明日の朝発ちます」

「オスマン氏にはわたくしから話を通しておきましょう。王党派の軍はニューカッスル付近に陣を敷き抵抗していると聞き及んでいます。恐らく皇太子もそこにいらっしゃるでしょう。首尾よく皇太子に会う事が出来ましたら、この手紙を手渡して下さい。それと身元の証明はこれを使うとよいですわ」

 

そう言ってアンリエッタは自分が嵌めていた指輪をルイズに手渡す。

 

「これは……王家の指輪!国の秘宝を私などに……!!」

「アルビオンは今、反乱軍が跋扈しております。裏切り者達に警戒する王党派の方々にとっては生半可な物では身元の証明とはならないでしょう。例えトリステイン王家の紋を添えたわたくし自筆の証明書だとしても何の効力も持たないと思われます。だから、これくらいの替えの利かないものでないと」

「しかし……」

「わかった。これは俺が責任もって預かろう」

 

恐れ多いのかなかなか手を出そうとしないルイズに代わり、バッツが指輪を受け取る。

王族相手に畏まらないばかりか王家の秘宝すらひょいと事も無げに受け取るその姿に目眩を感じるルイズであった。

姫の手前、あまりみっともない所を見せるわけにはいかないルイズは気力で何とか気を立て直すと改めて指輪を拝領した。

更にアルビオンへの渡航の為に密かに用意した往復分の船賃を含めた旅費を手渡され、今夜の作戦会議はお開きになった。

コテージから出て、アンリエッタはルイズに向かいこう感想を漏らした。

 

「不思議な方ですね」

「あの男が、ですか?」

「ええ。王族であるわたくしを目の前にしても全く気負う所が無いとか、ただの平民とは思えませんわ」

「無礼なだけですよ。旅暮らしが長かったとか言ってますし、そこらへんの常識が抜け落ちてるのでしょう」

「旅暮らし、ですか……」

 

アンリエッタが夜空を見上げて羨ましそうに呟く。考えてみれば自分とあの使い魔の彼は全く逆の境遇なのだ。

方や、モノに関しては何不自由ない暮らしではあるが、自身の自由など一切ない身の上。

方や、ともすればその日の食事にも困る事もあるだろうが、基本的に何処に行こうが何をしようが自分で自由に決められる気ままな暮らし。

自分か彼に抱いた不思議な感覚は、どちらかと言えば憧れに近い物があるのだろうか。自分がどれ程望んでも、決して手に入らないモノを持っている者への憧れ。

バッツの体から滲み出る雰囲気は自分には、いや、自分の周りに居るどの貴族たちも持ち合わせていないものだ。

悪く言えば根なし草と言えなくもないが、草原を吹きわたる風のようなその気質に心惹かれてしまうのも、窮屈な王宮暮らしに辟易しているアンリエッタには無理もない事だろう。

そんな姫の考えを感じ取ったのだろうか、心配そうな顔を向けるルイズに気が付いたアンリエッタは、

 

「そんな顔しないで、ルイズ。わたくしは大丈夫よ。わたくしはこの国の王女なのですもの。それを忘れた時は無いわ」

 

と、笑みを浮かべてルイズの心配を吹き飛ばすように語りかけた。

その笑みが無理をしている造り笑いだと分かっていても、ルイズには掛ける言葉がない。

安い同情の言葉で慰める事も出来ず、かと言ってアンリエッタを今の境遇から助け出せるだけの力も無い。

今出来る事は、彼女の依頼を無事に完璧にやり抜く事だけ、この可哀そうなともだちの悩みの種を一つでも多く無くす事くらいしか出来ないのだ。

大切なともだちと言ってくれたアンリエッタの思いに応え、支える為に頑張らなくてはいけない。

 

明日からは大変な日々が待っているのだろう。もしかしたらこんな想像なんて軽く超えるようなことが起きるかもしれない。

最悪の場合には命に関わる事態に陥ることもあるだろう。決意を新たにルイズは一人空を見上げる。

これから巻き起こる事件を知ってか知らずか、空には二つの三日月が静かに輝いていた。

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