明:「同じーく」
とある平日の朝、いつもより少し目が覚めた俺はゆりと一緒にももかの支度が終わるのを家の前で待っていた。
「それでその時コロンがーーーー」
「ケッケッケ、そりゃまたーーーー」
待ってる間、ゆりと他愛無い話で笑い合っていると明後日の方向から見覚えのある奴がやってきた。
「おはよう明。それにゆりも」
「おう、おはようさんオリヴィエ」
「おはようオリヴィエ。貴方もこれから登校なのね」
「そうだけど二人は……成程、ももかを待ってるんだね」
ケッケッケ、オリヴィエさんも中々分かってらっしゃるぜ。
「そーゆーオリヴィエはつぼみ待ちか?」
「うん。昨日の昼休みつぼみ達から提案されてね。毎日じゃないけど行ける時は一緒に登校しようって」
「ほうほう、成程な」
男女比が面白いぐらいに片方に偏ってるがそこんとこは俺達グループの特徴だからモーマンタイ。
それにあのオリヴィエが丸くなっただけじゃなく、俺達以外にもたくさん友達が出来て本当に良かったって思うぜ。
まぁ、柄じゃねぇから口に出しては言わねぇけどな。
「ふふふ、オリヴィエもすっかりつぼみ達と仲良くなったわね。出会った頃はあんなにツンケンしていたのに」
ケッケッケ、どうやらゆりさんも俺と似た様な事思ってたみてぇだな。
「その節はどうも。お節介好きの誰かさん達のせいだと思うよ」
「へぇ、そりゃ誰なんだろうな。明さんは捻くれ者だからちげぇな。ゆりはどうだ?」
「私も口下手で無愛想だから違うわね。だからきっとお節介好きの誰かさん達って言うのはつぼみ達の事よ」
「なーるほど。納得だぜ」
「でしょ?ふふふ」
「あぁ、ケッケッケ」
「…二人ってほんとにいい性格してるよね」
『どうもありがとう』
「やっぱり父さんが二人と気が合いそうって言ってたのがわかる気がする…。てゆーか、つぼみ達遅くない?」
「遅いっつーよりも俺達が早いんだろ。事実、俺もゆりも今日はいつもより早く家出たからな」
「ふふふ。普段通りも良いけど、早起きすると家を出る前に出来る事が少し増えるから私は好きよ」
「右に同じ。仮にやる事なかったらいつもよりのんびり朝飯が食えるし、その他にもテレビ観たり新聞見たり掃除したり洗濯したり、なんなら夕飯の献立考えたりも出来るぜ」
そもそも、ダークが住む前は一人暮らししてたからそこら辺の事は自分でやんなきゃいけなかったからな。
否が応でもやり続けた結果、ご覧の通りなんでもござれの主夫予備軍の完成だぜ。
「そっか。ゆりと違って明はダークと二人暮らしなんだっけ」
「おう。飯以外は二人で分担しながら楽しくやってるぜ」
「そこは明担当なんだ」
「ふふふ、ダークは大食らいだものね」
「あぁ。よく食べ、遊び、ふざけ、働き、寝る。何処に出しても恥ずかしくねぇ健康優良児だぜ」
尤も、出す相手がこの先いんのかどうかはミレニアム懸賞問題並みに謎だけどな。ケッケッケ。
「…何か一個変なの混ざってなかった?」
「ふふふ、気のせいよ」
「そ、気のせい気のせい。ってか、いつの間にかいい感じの時間帯になってたみてぇだぜ」
ほれ、と二人の後ろを指指さすと登校し始める近隣の生徒達がちらほらり。
そんでもってその中でも一際目立つのが、太陽又は陽の光を浴びたひまわりの如く元気な笑みを浮かべて手を振ってらっしゃる明堂院さん家のいつきさん。
今日も変わらずいい体幹及びいい姿勢だが、それが今後博士によって崩されんのが楽しみぜ。 (悪笑)
「おはようオリヴィエ!それに明さんもゆりさんもおはようございます!」
「うん。おはよういつき」
「おう、おはようさんいつき」
「ふふふ、おはよういつき」
いつきも来たことによって残すはつぼみ、えりか、ももかの3人だが……いつの間にか全員で行く事になっちまってるな。
まぁ、それも楽しいから良いけどな。
「ケッケッケ、誰が早く出てくるか缶ジュース賭けて勝負しねぇか?」
「それなら私はつぼみを選ぶわ。オリヴィエといつきは?」
「僕もつぼみ」
「ボクはえりか」
「ふふふ、そうなると明はももかね」
「だな」
可能性的には2番手かもしれねぇが、ももかはアレで中々鋭いから玄関の外にいる俺とゆりの気配を感じて飛び出てきそうだぜ。
ーえりか〜!置いてくわよ〜!ー
ーあ〜!待って待って〜!ー
ーそれでは行ってきます!ー
「おーおー、まさかまさかの両家揃って同時かもな」
「ふふふ、その時は言い出しっぺの明が3人に缶ジュースを奢ってね」
「ん、りょーかいだ」
【終わり】
オマケ1
〜結果〜
ももか:「紅茶〜!」
えりか:「ココア〜!」
つぼみ:「お茶……」
明:「へーへー、りょーかいだ」
オマケ2
〜同時刻・ムーンライト影の心象世界にて〜
ダーク:「あーそー…べっ!」 (殴
ナイト影:「いーいー…ぜっ!」 (蹴
コロン:「あはは、始まったね」
ムーンライト影:「ふふふ♪頑張ってダーリン♪」