花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「10月22日には完成してた話〜」

明:「なんてこった、約1ヶ月放置してたのな」


〜男手〜

とある休日の昼、俺はオリヴィエを巻き込みフェアリードロップでせっせと汗水流していた。

 

「おーいももか、この箱は何処置くんだ?」

 

「それは更衣室の隣〜!あ、オリヴィエ君が持ってる箱は階段の下の倉庫にお願い!」

 

「うん、わかった」

 

さて、何で休日の昼にこんな肉体労働してんのか、それは1〜2時間前の話になる。

 

んじゃま、時間を戻そう。

 

求めよ、さらば与えられん。

尋ねよ、さらば見出さん。

扉を叩け、さらば開かれん。

ハレルヤ〜チャ〜ンス〜!

 

「…何か明がネタに走った気がする」

 

 

* * * *

 

 

珍しいかは置いといて、朝からコーヒーをお供にのんびりゴロゴロ、ゴ〜ロゴロ。

 

だがしかし俺にはわかる、この平穏はそう長くは続かねぇことにな。

 

その証拠にホレ、ももかから電話がかかってきたぜ。

 

『やっほ〜♪おはよう明君♪』

 

「おう、おはようももか。今日は仕事日じゃねぇんだな」

 

『うん♪だけどちょっと困った事があるから助けて〜』

 

「おーおー、なんてこった」

 

その後の通話はカットして、某カエル型ロボットの口癖同様結論から言うと、困った事ってのは男手が無くてフェアリードロップの模様替えが進まず困ってんだと。

 

龍之介さんはいねぇのか?って聞いたら張り切り具合が見事に空回りして開始早々腰を痛めちまったからさぁ大変。

 

お隣の陽一さんに頼もうとしたがお生憎一家揃って外出中な為断念、そうなると最後の頼みである若くて力もある俺に白羽の矢がぶっ刺さったってわけだ。

 

『明君お願〜い!』

 

「そーさな、丁度暇してたしいいぜ。30分後ぐらいしたらそっち行く」

 

『本当!?ありがと〜!模様替え終わったらお礼用意するね♪』

 

「ケッケッケ、そりゃ楽しみだぜ。んじゃま、また後でな」

 

『うん♪』

 

 

* * * *

 

 

てな事があったから俺は今現在フェアリードロップで汗水流してるわけだ。

 

因みにオリヴィエは此処へ来る道中に会って、事情を話したら“楽しそうだから付き合うよ”って事でパーティー入りしてくれだぜ。

 

いやほんとオリヴィエ君ってばいい子。

模様替えが終わったら飴ちゃんあげたるで。

 

「そういえば明、男手が必要なら博士さん達は呼んだ方が良かったんじゃない?」

 

「まぁそれが妥当なんだが、お生憎く博士はいつき達とデート、月音も萌香とデート、そんでもってばんちょー君もなみなみとデートしてんだよ」

 

「全員デート…。ていうか、何で明がそれを知ってるのさ?」

 

「そりゃアレだ、月音と萌香は兎も角、いつきとなみなみから連絡きたんだよ。“デートの時は何処へ行けば良いのか教えてください!”ってな」

 

「へぇー…。それは大変だね」

 

「いんや、案外そーでもねぇよ」

 

だからオリヴィエもつぼみとデートしてこいよ、とは思うが……まぁ、無理に言う必要はねぇか。

 

オリヴィエやつぼみのペースってのがあるからな。うむうむ。

 

「…今何か余計な事考えてた?」

 

「まさか。今晩の献立考えてだけだぜ?」

 

ケッケッケ、オリヴィエ君ってば相変わらず勘が鋭いぜ。

 

「…あっそう」

 

「明君〜!オリヴィエ君も〜!ちょっと2階を手伝って〜!」

 

「っと、お呼びがかかったな。行くぞオリヴィエ」

 

「うん。次は何をするんだろう」

 

「また倉庫整理じゃねぇか?なんせ俺達は貴重な男手だからな」

 

「ははは、そうかもね」

 

んじゃま、もう一仕事頑張りますか…っておろ?

 

知った気配を察して店の入口を見ればいつの間にかゆりがおいでさったぜ。

 

「あ、ゆり」

 

「ふふふ、ももかから聞いてた通り二人とも力仕事に励んでるわね」

 

「まーな。期待されちまった以上、応えてやんのが礼儀ってもんだぜ」

 

「それになんだかんだで結構楽しいからね。ゆりも模様替えの手伝いに来たの?」

 

「えぇ、ついさっきももかから呼ばれて。それと頼み事を幾つかお願いされたわ」

 

他の頼み事か。

時間帯が時間帯だし昼飯の手伝いを任されたのかもしれねぇ。

 

ゆりの料理の腕はかーなーり高いからな。

既に明さんの胃袋はゆりに掴まれちまってるようなもんだぜ。

 

「成程ね」

 

「男手は俺らで良いとしても人手自体は一人でも多い方が捗るもんな」

 

「だね。…あ、人手で思い出したんだけどえりかっているの?僕達がここに来てからずっと見てないから気になってたんだけど」

 

「そーいやそーだな。模様替えに集中しててすっかり忘れてたぜ」

 

「ふふふ、えりかなら自分の部屋の掃除とパパの見張りをしてるわ♪」

 

成程、だから姿見ねぇわけだぜ。

 

「あ、ももか」

 

「っと、待たせちまったか。悪りぃ、直ぐ2階行くから待っててくれ」

 

「ううん、大丈夫。2階の倉庫の荷物は思ってたよりも軽いのばっかりだったから私とママで片付けられたから♪そ・れ・よ・も♪ゆ〜り〜♪」

 

「…えぇ、わかってるわ(♪)」

 

「?どうゆうこと?」

 

「知らん」

 

が、明さんレーダーに反応アリとなると……さてさて、いったい何があるのやら楽しみだぜ。

 

「今ママが奮発して出前取ったから残りの作業は食べてからにしよっ♪」

 

「うん、わかった」

 

「ケッケッケ、そーなるとゆりは良いタイミングで来たな」

 

「その分ゆりっぺには午後頑張ってもらうわ♪ね♡」

 

「えぇ…(♡)」

 

 

【終わり】




オマケ

〜その後〜

明:「んで?電話で言ってたお礼ってのは?」

ももか:「それわね〜、ゆりっぺ♪」

ゆり:「…明、耳貸して」

明:「ん、どらどら?」

ゆり:「…私が……ーーーーーしてあげる…♡」

ももか:「しかもアレもして良いって♡」

明:「ケッケッケ、そりゃ確かにいいお礼だぜ」

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