花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「実は今回のタイトル、賞品であり商品だったりもするでんて」 (´・ω・`)

明:「ケッケッケ、なーるほど」


〜賞品〜

とある休日の夜、俺はほぼ半日費やした野暮用を終わらせ、帰宅して早々面白い光景を目にしていた。

 

「ふっふっふ〜!ふっふっふ〜!ふっふっふのふふふのふ〜!」

 

そう、妖精態のダークの奇妙な冒…じゃなくて踊りを、な。

 

「ふっふっふ〜!…っと、帰ってきたか明!」

 

「おう、たった今な。んで?何で小躍りしてんだ?何かいい事でもあったか?」

 

例えばクロスワード懸賞に当選したとかな。

 

ダークの性格的に菓子食いながらそーゆー事に応募とかしてそうだぜ。

 

「ふむ!そのとーり!とてもいい事があったぞ!」

 

「おーおー、なんてこった。そりゃいったい何があったんだ?」

 

「知りたいか!」

 

「是非とも」

 

いつものダークにしてはやけにテンションが高い辺り、こりゃクロスワードじゃなさそうだな。

 

「ならばさっさと着替えてこい!話はそれからだ!」

 

「へいへーい」

 

 

* * * * *

 

 

んで、着替え終えて戻ってきた俺を出迎えたるは、人間態になりドヤ顔で最新のゲーム機を見せつけるダークさんでした。

 

「おーおー、なんてこった……」

 

「どうだ!驚いたか明!」

 

「おう。これはマジで驚きだぜ」

 

ゲーム自体はそんなにやらねぇが、一応、我が家には一個前のハードのゲーム機があるんだがそれでもこれには驚き桃の木山椒の木だぜ。

 

「買ったのか?」

 

「否!商店街の福引で当ててきた!」

 

「へぇ、あの福引当てたのか」

 

商店街の福引は全体的に商品の価値が高い分、中々当たらなくて昔っからの名物だったんだよな。

 

現に、この明さんやゆりとてこれまでのトータルで考えると戦果は黒星の方が多いぐらいだぜ。

 

「因みに聞くが何等だったんだ?」

 

「二等だ。一等は最新モデルのサイクリングバイク、三等は某温泉旅館の2泊3日のペア旅行券だったぞ」

 

「成程、今回の福引も中々良いラインナップだぜ」

 

てか、某温泉旅館ってのは間違いなくあそこなんだろーな。

 

「そしてゲーム機が手に入ったならゲームソフトも買わなければ意味がない!というわけでコレを買ってきた!」

 

そう言ってご丁寧に今まで背中に隠していたのであろうソフトを見せてきたんだが……おーおー、なんてこったその2。

 

「こりゃまた随分と懐かしいゲームだな」

 

確か、俺が中1か中2の頃に持ってたアクションゲームだったか?

 

まさか最新機用にリメイクされてとは知らなかったぜ。

 

「店でゲームを選ぶ時に目に入って思い出したのだ。“そういえば、昔このゲームを持っていたと明から聞いたな”と」

 

「成程、それで買ってきたってわけか」

 

「そうゆうことだ。まぁ、このゲーム以外にも二本程買ったがな」

 

「構わねぇよ。ダークの小遣いで買ったんならよ」

 

普段のアレで思われがちだが、こう見えてダークの財布の紐はそれなりに固い方だからゲーム方面に使い過ぎる愚は犯さねぇから安心だ。

 

寧ろ、また新しい趣味が増えたのが嬉しいもんだぜ。

 

「というわけで早速私の華麗なるプレイを魅せてやろう!」

 

「そりゃ光栄な事だがお生憎、明さんの優先順位は飯と風呂が先なんでな。そっちが済むまで待ってろ」

 

「む、ならば仕方ない…」

 

「てか、今日の飯当番はダークだよな?ゲームに有頂天でまだ何も作ってねぇとかだったら戦争開幕不可避だぜ?」

 

なんせ、ダークと取り決めた御剣家の新10ヶ条の1つは“家事当番守るべし。さもなくば相応の罰あり”。

 

買ったばかりのゲーム機をボッシュートすんのは流石の明さんも心が痛むぜ。

 

「安心しろ!既に焼き鳥丼とオカズを2品、そしてデザートを用意してある!故に後は丼ぶりを温めるだけだ!」

 

「なら良し。それなら俺は風呂入ってくるからその間に温め頼むな」

 

「Wenn es meines Gottes Wille!(我が神の望みとあらば!)」

 

「ケッケッケ、急なドイツ語止めろや」

 

いつから俺らは最強の魔法詠唱者と宝物殿の領域守護者になったんだっつーの。

 

 

* * * * *

 

 

さて、またまた場面飛んで今は夕食後。

 

腹休めにダークのプレイ様子を見てるわけだが……

 

「へぇ、リメイク版はオープンワールド仕様なのな」

 

昔の横スクロール仕様だったのを考えると、随分とまぁ大胆な変更をしたもんだぜ。

 

後、当然の事でCG技術が進化してるしキャラの動きもキレッキッレ。

 

ちと調べてみたらモーションアクターには本職の人達に加えてXMAの人達も参加してっから成程、こりゃ納得。

 

そんでもって個人的に一番驚いたのはゲーム内のキャラの声。

 

昔は声優さん達以外にも俳優、女優、アイドルとかが演じてたんだが、こっちは声が変わっちまってるものの演じてんのは声優さん達だけ。

 

やっぱ、ゲームに限らずアニメや映画も本職であるべきだよなうんうん。

 

「よし!このまま進んうぉい!?」

 

お、ダークが咄嗟に飛んだもののやらかしたな。

 

「明!今のは何だ!?」

 

「そのエリア一帯は落とし穴が幾つかあんだよ。因みに落ちたら即ゲームオーバーな。いや〜懐かしいもんだぜ」

 

このゲーム、エリア毎に色んな罠があるしちょいとしたフックアクションもあるから結構面白いんだよな。

 

それにそのアクションにもパルクールパフォーマーを起用してるからキレッキッレだぜ。

 

「明!当時のはどうやってこのエリアを攻略した!」

 

「言ってもいいがそれだと面白さ減らねぇか?」

 

「私は減らん!寧ろどんどん言ってうぉぉぉ!?」

 

ケッケッケ、落ちたな。

 

「初乙おめでとさん」

 

「ぐぬぬ……!」

 

おーおー、リアルで“ぐぬぬ……!”言う奴初めて見たぜ。

 

「明!サポート頼む!」

 

「オーケーオーケー。どうやらステージ面のギミックは昔と同じみてぇだからな。ついでに隠し武器の在り方も教えてやんよ」

 

「それは助かる!ではもう一度おぉぉ!?」

 

「あ、言い忘れてたがこのエリアでリスポーンする時は大抵罠の上だったりするぜ」

 

「それを早く言え!せめて魔物相手で乙る方がマシだ!」

 

「ケッケッケ、それな。ほれ、高台からの敵兵来るぞ〜」

 

「なんの!落ちろカトンボ!」

 

さてさて、ダークが操作してるキャラは魔槍術士だから……

 

「このエリアのボスは図体がデケぇが頭が弱点だ。殴ってきたらフィーネステップで躱してウィーグルスティングを当てんのが安全な立ち回りだな」

 

「技を覚えているのか!?」

 

「魔槍術士と魔剣使いだけな。ほれほれ、後2面エリア抜ければ初ボス戦だから気ぃ引き締めろ」

 

「ガッテンテン!」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜補足説明的なアレコレ〜

最新ゲーム機 (プレス◯5的なの)
・今になって社名ロゴが某財閥のだと知った明
・念の為、後日お嬢様に確認した結果、正真正銘の正規品だと分かってホッとした


アクションゲーム
・ジャンルはファンタジーアクション
・ダークのプレイキャラは魔槍術士

ダーク:「遠距離技の範囲が魔剣使いよりも広い!それと属性効果である風の鎧も気に入った!」


レースゲーム
・中古品
・舞台は架空の銀河世界

ダーク:「カスタム出来る事が多くてこれは凝りに凝ったマシーンが出来るな!」


FPSゲーム
・同じく中古品
・対魔物ガンアクション

ダーク:「ふむ、エネルギー銃は威力こそ高いが撃つ際が眩しいのと再チャージの長さが問題だな。そうなると実銃と使い分…お!クロスボウ発見!邪魔だ化けカカシ!」


オマケ2

〜4日後〜

ダーク:「漸くクリアした!」

明:「おめっとさん。次は二週目から手に入る隠し武器を探すか?」

ダーク:「モチのロンだ!引き継ぎサポートよろしく頼むぞ!」

明:「りょーかい。なら先ずはメニュー画面で今から言うコマンド打て」

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