花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「タイトルこそ準備となってますが、これまでと今後の説明話だったりします」

明:「そーなのかー」


〜準備〜

とある平日の夜、俺は暇を持て余していたダークを手伝わせ、家ん中の空き部屋を片付けていた。

 

「うーし、掃除機掛けは一通り終わったな」

 

「うむ、思ってたよりも早かったな」

 

「そりゃ空気の入れ替えや掃除自体は定期的にしてたし、部屋自体が物置化してなかったのもあるからな」

 

だいぶ前に説明した俺の知識源である書庫は地下にあるし、俺も親父もお袋も掃除や整理整頓に対する苦手意識も無ぇ。

 

そんでもって散らかる要因となりかねる収集癖もねぇからな、作業が捗るってもんだぜ。

 

「成程、通りで入った時に埃っぽさを感じなかったわけだ。おかげさまで私も積極的に掃除に取り組めたぞ!」

 

「なーるほど、だから今日日(きょうび)滅多に見ねぇフルアームズ装備だったのな。見てる側としては動きにくそうだったが実際のところどうなんだ?」

 

「慣れればモーマンタイ!」

 

「おーおー、なんてこった」

 

さっすが俺とは違うベクトルで器用なダークさん。

 

フルアームズ装備だなんていつ披露するのかわからねぇ技を予め鍛えて平然とやってのけるッ、そこに痺れる!憧れるゥ!ってな。

 

「ところで明よ」

 

「ん?なんじゃらホイホイ?」

 

「今更聞くが何故急に空き部屋の片付けをしたのだ?」

 

「ケッケッケ、そういや言ってなかったな」

 

何せ、夕飯後の洗いモンが終わった直後にやり始めたもんな。

 

まぁでも、いきなりの事にもノリノリで参加してくれたダークには感謝感謝だぜ。

 

「夕飯作った後、俺が2、3分ぐらいメールしてたろ?」

 

「うむ、確かももかからだったな」

 

「んだんだ。その時のメールでな?明日からひかり達がうちに泊まりに来る事になったんだよ」

 

しかも各々の両親には説明済み且つ了承済みってことは……そーゆーことなんだろうな。

 

「ひかり達ということはひかり、舞、祈里、きらら、まりあか?」

 

「それプラスゆりとももか。まぁ、つまるところ恋人全員だな」

 

なんでこの俺が某祭りの神よりも多く恋人達がいるのかはかーなーり前に説明しだが……まぁ、簡単ではあるがもう一回説明しとくぜ?

 

今、この国の総理は時代が時代だったら“賢王様”って崇められてもいいぐらい政(まつりごと)や国や経済を動かす事に優れててな?

 

ジョナサンが頭務めてるトランプ共和国ともいち早くパイプ作ったし、消費税も殆んどねぇし、政界の膿も容赦無く取り除いたから今じゃまっくろくろすけならぬまっしろしろすけ。

 

更には法律も変えて一定額の収入があれば同性婚、男女問わず十人までは重婚も可能にもなったからな。

 

んで、俺の収入については両親からの“少々多い”毎月の小遣いやさっきも言ったトランプ共和国、四葉財閥やブルースカイ王国、ホープキングダムやモデル業とまぁ、色々関わってるお陰で未成年の身ではあるが既に条件を満たしちまってるからモーマンタイ。

 

因みに、いつき達と付き合ってる博士(菖)も将来有望な考古学者の卵として色々活躍してるから俺と同じでとっくに条件満たしてるから安心してくれ。

 

以上、簡単っていた割にがっつり語った説明終了。

 

今回も中々に壁を超えた気がするぜ (笑)。

 

「ふむふむ、ならば明!」

 

「却下」

 

「まだ何も言ってないのにか!?」

 

「バーロ、言わなくてもわかってら。気を効かせて薫子さんのとこに泊まりに行くつもりだろがそんなの関係ねぇ。寧ろ貴重な監視役として家にいてくれ」

 

「む?夜戦する気はないのか?」

 

ケッケッケ、言うと思ってたぜ。

 

「あぁ、今回は健全なお泊まりだからな。夜戦は次の機会に持ち越しだ」

 

そんでもまぁ、

 

「パイタッチなどのセクハラは?」

 

「当然する」

 

何故ならリビドーなお年頃だからな、是非もないよネ。

 

「そうかそうか。まぁ私も鬼ではないからな、セクハラと口淫は許そう!」

 

「お?口淫も良いのか?」

 

「私が自室に篭る時か見てない時ならな!」

 

「ケッケッケ、そりゃありがてぇ」

 

ゆり達を俺色に染め上げた結果、見事に全員口淫好きにさせちまったからな。

 

だからこの間、公園でアイス食ってる時にゆりとももかが雰囲気出してわざとアイスを舐めやがったから、さぁーもう大変。

 

なにしろゆりは啄む様にチロチロと、ももかは積極的にグポグポとだったからな。

 

明さんはムラムラとドキドキ、ココロにズッキュンだったぜ。

 

「そして万が一“これからする!”という時は合図をくれ。そうすればそそくさと離脱してやるからな」

 

「おーおー、かなり頼りになるな。んじゃま、楽しいお泊まりが終わったら礼としてダークが食いてぇもん振る舞ってやるよ」

 

「よし!ならばパエリアを振る舞ってもらうぞ!」

 

なんてこった、甘いモンでもステーキでもなくパエリアときたか。

 

「構わねぇがダークにしては珍しいオーダーだな」

 

「うむ、一昨日散歩で隣町に行った時に食べたパエリアが一味物足りなくてな。明ならば私好みのパエリアを作れると思ったからだ!」

 

「なーるほど、そーゆーことか。いいぜ、なんならパエリアだけじゃなくそれに合うスープとデザートも作ってやるよ」

 

「おぉ、相変わらず女泣かせの料理スキルの高さだな!」

 

「結構、鍛えてますから。んじゃま、パエリアの仕込みを兼ねて明日は朝から買い出しに行くからダークも付き合えよ?」

 

「合点承知の助!」

 

「おーおー、感性が古いな」

 

「それはそうだ、私の半分は明の遺伝子で構成されているからな!」

 

「ケッケッケ、そーいやそーだったな」

 

 

【終わり】




オマケ

〜翌日の朝〜

明:「鍵良し、財布良し、戸締り良し」

ダーク:「メモ良し!袋良し!やる気良し!」

明:「んじゃま、買い出しに行くとしますか。ダーク、マ800円以内ならお菓子も買って良いぞ」

ダーク:「了解だ!」

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