「名探偵こまち登場!」
は中々のコメディ・ギャグ回( ̄▽ ̄)
明がナッツハウスを訪れた翌日。
太陽が燦々と輝く晴天の下でのぞみ達はいつもの様に賑やかに登校していた。
「それでね、昨日家で試してみたらすっごく美味しかったの!」
「よくもまぁそんな食べ合わせを思いつくわね…」
「でも、とっても美味しそうです!」
「それならわたしは羊羮を合わせてみようかしら?」
「いや、こまちさん。対抗しなくていいですから」
「じゃあわたしはチョコを…」
「くるみもね」
その後もそんなやり取りをしている内にのぞみ達は学園に到着した…
が、
「え?え?どゆこと?」
昇降口は生徒達で溢れかえっていた。
「これはいったい何の騒ぎかしら?」
「皆掲示板を見ているわね」
「…成程。つまりこれは探偵の出番ね!」
と、いつの間にかいつぞやの探偵服に着替えたこまちがそう言うが、
「いえ、出番ありませんからその服は脱いでください。と言うか、まだ持ち歩いてたんですか?」
「…そう。残念だわ」
りんにバッサリと言われたこまちは悲しげに脱いだ探偵服を鞄にしまった。明らかに鞄のキャパシティを超えているのに不思議である。
「えぇ!?酷いよりんちゃん!わたしはこまちさんの推理聞きたかったぁ!」
「わたしもです!」
「やかましい。前にその探偵さんの推理で酷い事になったでしょうが」
のぞみとうららが文句立てするが、これまたりんがバッサリと言うのだった。
「かれん、何の事?」
「まだくるみがパルミエ王国で青い薔薇の世話をしている時にちょっと、ね」
りんとかれんが言っているのは以前ナッツハウスで起きたケーキ事件の事だろう。
だが、あの事件で一番酷い目にあったのは間違いなくブンビーだろう。
「とりあえずあの塊の先頭に行けば原因が分かるでしょ」
生徒達を指差しながらりんはそう言った。
「よ〜し、それじゃあ今から突撃するぞ〜けって〜い!」
「お〜!です〜!」
言った矢先、のぞみとうららは生徒達の中へと入っていき、
「ちょっと!待ちなさいってば!」
「うふふ、“…そうして彼女達を待ち受けていたのは…”っと」
「今度は執筆…、しかもいつの間に」
「ほんと、時々こまちが分からなくなるわ…」
後を追う形でりん達も生徒達の中へと入っていった。
………
……
…
『っぷはぁ!』
そんな声を出し同時に生徒達の中から先頭へと出てきたのぞみ達。
そして目にしたのは、
“スクープ!カメラは撮った!ナッツハウスに現れた第三のイケメン!”
と、タイトル付けされているサンクルミエール通信だった。
『えぇ〜!?!?』
しかも中央には人間時のココとナッツ、そして明が写っている大きな写真が。
因みに写真の空は茜色に染まっているので明が帰る時にこれを撮ったのだろう。
「これって…」
「昨日の…」
「じゃああの時…」
「あの場に…」
「彼女が…」
「いたのね…」
「その通り!」
のぞみ達が口々にそう言った直後、まるでタイミングを計っていたかの様な絶妙なタイミングでそんな声が生徒達の中から聞こえてきた。
そして生徒達がモーゼの十戒の波の如く二列に割れ、声の主はその間を歩いてきた。
「みんなも知りたい!私も知りたい!サンクルミエール通信編集長、増子美香です!続けて読めば〜、マスコミか!!」
『やっぱり…』
今更驚きはしないのぞみ達であった。
それも無理ない。
“サンクルミエール通信”の時点で下手人は分かりきっているのだから。
「それで皆さん?小々田先生やナッツ様級のこのイケメンは誰なんですか!ナッツハウスにいたなら当然、貴女達の知り合いなんですよね?」
「えぇ。明さんはわたし達の友人よ」
『かれん(さん)、頑張って(下さい)!』ボソッ
流石はかれん。この手の対応は彼女が適任だ。
「やはりそうでしたか。で、その明さんはいったいどんな方なんですか?」
「別にそこまで話さなくても、わたし達の友人って事だけで良いんじゃないかしら?」
「駄目です!それだけでは生徒達が満足しないのです!」
『是非、このイケメンさんの情報を!』
生徒達が声を揃えてそう言った。
此れには流石のかれんもたじろいでしまった。
「み、皆…そんなに知りたいの…」
『はい!』
「そ、そう……」
生徒達の圧にかれんは再びたじろいでしまった。
「そりゃあ確かに明さんは格好いいからねぇ…」ボソッ
「皆さんがむきになるのも仕方ないですよね…」ボソッ
「しかも此所は女子校だから尚更ね…」ボソッ
そう、くるみの言う通り此所はサンクルミエール学園は女子校。
故に男性とはあまり会う事が無い。
会うとすれば小々田を含めた数人の教師とカフェテリアで手伝いをしているシロー、そしてナッツハウスの夏だけだ。
そして小々田と夏の二人はかなりのイケメンだ。
小々田は爽やか系の青年として。
夏はクール系の青年として。
シローは中々将来有望だが、今はまだ顔に幼さがありそして背丈的にまだ小生意気な弟と言った感じか?
―だぁれが!スーパーマイクロウルトラ豆粒ドチビだってぇ!?―
―メーッ!!?―
おや?
何処から謎の叫びが。
兎も角、ただでさえ二人のイケメンがいるのにそこに第三のイケメン、付け加えて言うならちょい悪系イケメンが現れた事に生徒達は興味津々(心奪われた)なのだ。
しかも写真は三人が親しげに話している様子を撮った物で、常時爽やかな小々田は元より、あのクールの夏が笑っているのだ。
そしてちょい悪系の明も笑っている。
一度火が付いたらそのまま燃え上がり、更に情報を知りたい故に生徒達は食い下がらないのだ。
りん、うらら、くるみの三人はそれを知っているからそんな事を言うのだった。
ん?
のぞみとこまちはって?
「でもココの方が…」ボソッ
「それでもナッツさんの方が…」ボソッ
『わたしは……』ボソッ
甘酸っぺえ二人だ。
「でも、こうゆうプライベートな事は本人の確認が必要だからわたし達が無闇やたらと答えるわけにはいかないわ」
かれんが憮然とそう言った直後、
―キーンコーンカーンコーン!―
予鈴のチャイムが鳴った。
「(チャンスだわ)皆、予鈴が鳴ったわ。急いで教室に移動を」
かれんがそう言うと集まっていた生徒達は慌ただしくその場から散って行った。
「えっ!あぁ!うぉ!?」
増子が生徒達の波に揉まれている内にかれんはのぞみ達に言った。
「放課後、ナッツハウスで作戦会議よ!ココとシロップにはわたしが伝えとくから!」ボソッ
『イエス!』ボソッ
「じゃあ解散!」ボソッ
そうして生徒達の波に乗じてのぞみ達はその場から逃げるのだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
そして放課後。
ナッツハウスにて作戦会議が行われた。
途中何度か脱線した会議の結果、かれんの言う通りこの手のプライベートな事は本人の確認が必要だから第三者が無闇やたらと答えるわけにはいかない。
と言うわけで、明を呼ぶ事になった。
早速かれんが代表して明に電話し事情を説明しるのだった。
因みに明を含めた他のプリキュア達の連絡先はかれんの手帳の中に全て記されている。流石は生徒会長。しっかりと伝達網を確保している。
「…と言う事なんです」
『成程。それで電話したのか』
「御免なさい。明さんには迷惑をかける事になってしまって…」
『気にすんなって。で、そのインタビューの件はそうだな……次の日曜の朝10時で良いか?』
「引き受けてくれるんですか」
『あぁ。そうしなきゃその聞屋は満足するまで、それこそ根掘り葉掘りかれん達に聞きそうだからな。これ以上俺の事でかれん達には迷惑かける気はねぇよ』
「御免なさい…力になれなくて……」
『そんな事ねぇよ。聞屋に聞かれても殆ど話さずにいてくれたたんだし、こうして電話して教えてくれたんだからな。サンキューな、かれん』
「あ…明さん……」
因みにだが、この電話は皆にも聞こえる様にスピーカー機能をonにしてある。
故にこのやり取りはのぞみ達も聞こえているわけで、
「あ、かれんさんきっと顔真っ赤ね」
「そりゃあ耳元で、しかもあんないい声で自分の名前を言われたら誰だってそうなりますよね」
「明さんの凄い所って、あぁ言う事を照れも無くそれでいて自然にさらっと言える事よね」
と、まぁこうなるわけだ。
因みに今のはりん、うらら、くるみの言。
ん?
のぞみとこまちはって?
「わたしもココに…」ボソッ
「ナッツさんに…」ボソッ
『言われて……』ボソッ
甘酸っぺえ二人だ。
『じゃあ次の日曜の朝10時にな』
「は、はい。分かりました」
そう言ってかれんは電話を切った。
「明さん…心臓に悪いわ……」
「またまたかれんさん、そんな事言ってぇ」
「顔がにやけてますよ?」
「満更でも無いって事ね」
「う…うるさいっ!」
岩をも砕く乙女の激昂がナッツハウスに響くのだった。
【続く】
ふぃ〜。