“愛とときめきのマカロナージュ”
なんかもうね?
あの話と相まって中々強烈よね(≡ε≡)
とある日の放課後、俺は尽きかけた食料や日用品を買う為に近所のスーパーに来てるんだが、
「ふっふふ〜ん♪どれにしよっかな〜♪」
「そう言えばシャンプーの残りが少なかったわね。ついでに買っておきましょ」
どうしてこうなった。
「はぁー……」
「およ?溜め息なんかついてどうしたの明君?」
「…どうしたも何も、俺は“今日は二人で帰ってくれ”って言ったのに何で付いてきてんだよ」
「何でって、それは勿論決まってるわ!」
「えぇ」
「ほーう、なら聞かせてもらおうか」
ゆりは兎も角、ももかはどうせたいした理由じゃねぇと思うが。
「お菓子を買ってもらう為!」
「私も買物をする為」
ほらな?
やっぱりたいした理由じゃなかった。
「嘘でも良いから同じ理由にしろっつーの」
「てへっ♪」
「苛つくが可愛いから許す」
「やった〜♪」
「…やれやれね。ところで明、買う物は決まってるのかしら?」
「ん?あぁ、取りあえず食材や日用品を適当に買って後は今晩のおかずをな」
「因みに聞くけど明は今晩は何にするのかしら?」
「実はまだ決めてねぇんだよな……」
「オムライスが良いと思う!」
「店内を色々見て回りながら決めるつもりだったが、どうにもこれと言った案が出てこねぇんだよなー」
「わかるわその気持ち……」
「オムライスが良いー!」
「逆に聞くけどゆりは何か案あるか?」
「そうね……」
「オムライス食べたーい!」
「何が……」
「明君が作ったオムライスを食べたーい!」
「良いかしら……」
「明君にケチャップで絵を描いてもらうのー!」
「………」
「………」
「うぅ、ゆ〜り〜……」
出た、ももかの必殺“涙目すがり”。
これを食らったらたとえゆりだって…
「オムライスなんてどうかしら?」
「やったぁ〜♪」
てな感じになるよなー……
「…ごめんなさい。ももかのアレには敵わないわ」
「気にすんな。多分俺も敵わねぇから。…てか、ももかはまた俺ん家で夕飯食ってくつもりかよ」
「うん!」
「即答かよ」
「だって明君の作るご飯が美味しいんだもん」
「確かに明の作る料理は美味しいわね。……下手したら私よりも……」
…何やらゆりから若干妬みを内包した念を向けられてる様な気がする。
「そうだ!折角だからゆりも一緒に夕飯食べましょ!」
「ちょっと待て。何でももかが」
「そうね、折角だからお言葉に甘えようかしら」
「やったー!」
「明、そう言うことだから今夜はよろしくお願いするわ」
「ご馳走になりまーす!」
この二人、俺に何一つ確認を取らねぇで勝手に決めちまいやがった……
「はぁー……」
断る事は可能だが、ももかがさっきの技を使ってくる可能性が大だから困ったもんだぜ。
「…うぅ〜……」
ほれ、早速来やがった。
「………」
「うぅ〜」
「………」
「うぅ〜〜!」
「………」
「うぅ〜〜〜〜!」
「………」
まぁ渋った所でももかに敵うわけがねぇんだけどな。
「わーったわーった。俺の降参だ。今夜は俺がご馳走してやるよ」
「やったー♪」
「因みに聞くが作るのはオムライスを三人分だけか?」
「出来ればデザートも欲しいー!」
「へーへー」
ももかは“オムライスとデザート”っと。
「ゆりはどうする?」
「そうね、私もデザートを付けてくれるかしら?」
「りょーかい」
で、ゆりも“オムライスとデザート”っと。
「因みに聞くが、どんなデザートが食いてぇんだ?」
「甘いものが良い〜!」
「明に任せるわ」
「…聞かなきゃ良かった」
ももかは兎も角、ゆりのそれは作り手が一番困り、尚且つプレッシャーの掛かる発言だっつーの。
「ん〜、オムライスで卵を使うからデザートも同じ様に卵を使った品にすっか」
「はーい!プリンが食べたいでーす!」
「私もそれで」
「オーケー。ならプリンの材料も買わなきゃな」
「そうなると最終的には結構な数の品を買う事になるわね。…ももか、明におねだりするなら後一回だけよ?」
「はーい!」
…どのみち買う事は決まってんのな。
「…因みに聞くが何を買って欲しいんだ?」
「グミ!」
グミかよ。
…まぁ安いから良いけどさ。
「それならアップルグミかオレンジグミのどっちかにしてくれ」
「何でその二択しかないのかしら?」
「他の味を買ってもどうせ食わないだろ」
「それもそうね」
「だろ。…んじゃま、外が暗くならない内にちゃちゃっと済ませちまおうぜ」
「おー!」
「えぇ」
【終わり】
オマケ
〜理由〜
ももか:「私が何度も明君の家でご飯を食べる理由?そんなの決まってるじゃない♪」
明、ゆり:「「?」」
ももか:「一緒に食べれば一人で暮らしてる明君が寂しい思いをしなくて済むからよ♪」
明:「なんてこった……」
ゆり:「…失礼、ちょっと涙が……」