花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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漸く書けました。m(__)m

皆さん御待たせしました。


スイート編アフター 1

明とセッションしてから5日後、再び響達はメイジャーランド来ていた。

 

今回メイジャーランドへ来た理由はアコが奏太に誘われて作ったカップケーキをメフィストとアフロディテに渡す為。

 

二人…いや、メフィストはアコと会うなりいつもの親バカハイテンションで出迎え、更にアコから手作りカップケーキを渡された時なんかそりゃもう凄い喜んでいた。

 

「嬉しいわ!ありがとうアコ!」

 

「おぉ〜!私の可愛いアコが我等の為に手作りのカップケーキを!ありがとう!私の可愛いアコ!私の可愛い可愛いアコ!私の可愛い可愛い可愛いアコ!!」

 

「〜〜っ!!!」

 

毎度毎度アコと会う度にメフィストはコレだ。

最早呆れを通り越して逸そ清々しく思える親バカっぷりに、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染めたアコが怒鳴るのがお決まりのやり取りだ。

 

それを暖かい目で見物していた響達は恥ずかしさのあまりアコの身体が震えているのを見て、もうすぐアレが来るだろうと予想した。

 

そしてその予想は直ぐに来た。

 

「おぉ〜、私の可愛いアコよ!可愛い可愛いアコよ!可愛い可愛い可愛いアコよ!!!」

 

「パパーッ!!!」

 

アコの声は城内に響き渡る程の大きさだが、メフィストとアコのお決まりのやり取りの故に今更誰も驚かないのだった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

アコ山の噴火から暫くして、漸くテンションが落ち着いたメフィストからゆっくりしていってくれと部屋を宛がわられたのだが、あまりの内装の豪華さに響と奏、更に歌姫として城に訪れた事のあるエレンでさえ気が引けてしまっていた。

 

「う〜ん…」

 

「なんか私達には場違いな気がして落ち着かないわ…」

 

「歌姫として城には来たことがあるけど、こんな豪華な部屋に入ったことは…」

 

その証拠に三人は浅くしかソファーに座っていない。

 

「ニャ〜…ふかふかのソファーニャ〜…」

 

「ピィ〜…」

 

…ハミィとピーちゃんは三人とは違いソファーを存分に堪能し、自身の家でもあるためアコは平然としていた。

 

「無理もないわ。この部屋は王族と対等、若しくはそれ以上の客人の為に宛がう部屋だもの」

 

『えぇ!?』

 

アコから告げられた内容に三人は座っていたソファからに慌てて腰を上げた。

 

「国を救ってくれた響達にこの部屋を宛がうのは当たり前だけど…やっぱり落ち着かないわよね?」

 

『う、うん…』

 

「そう…それなら城内を散歩する?」

 

と、アコの機転で響達は宮殿巡りを始めるのであった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

散歩と言っても行く先々でアコが部屋の説明をしてくれたのでいつの間にか散歩は案内に変わっていた。

 

衣装部屋、図書室、応接間、アコの部屋、歌姫の部屋、楽譜保管室、楽器保管室、資料室、宝物庫等々様々な所に行き、そして次に響達は城内にある闘技場に着いた。

 

「あ、ファルセット達だ」

 

メイジャーランドの三銃士、ファルセット、バスドラ、バリトンが闘技場の舞台にいる事に気付いたエレン。

 

「ん?おぉ、セイレーン!」

 

「姫様!それにお前達も!」

 

「此れは皆さんお揃いで」

 

そして三人も丁度良く響達がいる事に気付いた。

 

「あんた達何してんの?」

 

「久しくコレの訓練をしていなかったからたまには訓練をしようってバスドラが」

 

自身の腰の細剣を指しながらファルセットはそう言った。

 

「銃士たる者腕を磨かないとな」

 

「流石リーダーです」

 

「あ、今日はバスドラがリーダーなんだ」

 

「ふっふっ、ふ〜♪」

 

響達プリキュアとノイズとの決着が着いたあの後、もう1つ決着が着いた事があった。

 

三銃士のリーダー選びについてだ。

 

あの一件の後、更に仲良くなった三人は三銃士のリーダーについて話し合い、その結果、週始めにジャンケンをし、勝った者がその週のリーダー……要は日替わりリーダー制だ。

 

それで良いのかと思うが、三人がそれで納得しているなら良しとしよう。

 

「バスドラがリーダーの週はだいたい三銃士の強化訓練ですね」

 

「あ、わたし達も前に三人でやったよね!」

 

「あの時、エレンったら音吉さんの本の影響で…」

 

「わー!わー!言わないでー!」

 

「何をしたのよエレン…」

 

あの時エレンはまだまだ青かった。

そして今も青い。

 

………

 

〜だってエレンは青のプリキュア、キュアビートだもん〜

 

『GoGo!』

 

「ピィィィィィィッ!」

 

…ピーちゃんにツッコまれてしまった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

場所は変わらず何事も無かったかの様に話し続ける響達。

 

ふと、バスドラが聞いた。

 

「話しは変わるが、お前達に1つ聞きたい事があるんだが」

 

「ん?」

 

「お前達の知り合いで俺様達と同じ得物を使う奴を知らないか?」

 

「わたし達と知り合いで」

 

「三人と同じ」

 

「得物?」

 

「細剣、又は他の刀剣類ね」

 

「そうです姫様」

 

そしてバスドラは語る。

訓練を続けてそれなりの日数が過ぎた。何度か城の兵を相手に勝負をしたが、たまには他の相手と勝負をしたいと。

 

その為に響達に自分等と同じ得物を使う奴を知らないかと。

 

「細剣…」

 

「又は他の刀剣を使う人で…」

 

「わたし達の知り合い…」

 

「それならあの人ね…」

 

「おぉ!知っているのか!」

 

「えぇ」

 

そう、響達の友人にはバスドラの条件に当てはまる理想の人物がいた。

 

そう、

 

『明さん!』

 

ブレイドナイトこと、御剣 明だ。

 

「おぉ!知っているのか!で、そいつはどんな奴なんだ!?」

 

「明さんはわたしと奏、エレンよりも3つ歳上の男の人で、プリキュアとは違うけど、ブレイドナイトって言う戦士よ」

 

「しかも強くて格好良いの!」

 

「後、楽器が弾けるわね」

 

「歌も上手よ」

 

響達の話はバスドラ達を喜ばすには充分だった。

 

『是非!その人物と勝負を!』

 

「それなら、明さんに聞いてみないとね」

 

「でもエレンどうやって?わたし明さんの連絡先知らないけど?」

 

「わたしも知らないわ」

 

「わたしもよ」

 

それを聞いたエレンは不敵に笑った。

 

「ふっふっふ、わたしは知ってるわ!」

 

「えっ?何で知ってるの?」

 

「“出会った友の連絡先は必ず聞いておけ”音吉さんの本に書いてあったから!」

 

『あ、成程』

 

漸く(?)音吉の本が活かされた時が来たようだ。

 

「と言うわけで、ちょっと聞いてくるわ」

 

そう言ってエレンはハミィと一緒に加音町へと戻っていった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

「と言うわけで来てくれますか?」

 

『いいともー』

 

ノリ。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

数分後、エレンとハミィが戻ってきた。

 

「聞いてきたわ!」

 

「おぉ!それでそいつは何と?」

 

「明後日加音町へ来るって」

 

『やったー!』

 

「明さん随分と早く来れるのね」

 

「元々明後日は奏に会いに加音町へ来る予定だったらしいわ」

 

「えっ!それってまさか…」

 

「そんな…明さんったら大胆!…あぁ、でもわたしには王子先輩が…!」

 

「つぼみ達と一緒にカップケーキを食べにね」

 

「…orz」

 

先程までテンションが上がっていた奏はその事を聞いて一瞬でテンションが下がるのだった。

 

「エレン…」

 

「紛らわしい言い方止めなさい」

 

「…ゴメン」

 

 

【続く】

 




暑さが続く今日この頃、皆さま体調にはお気をつけ下さいね。

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