花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

169 / 744
今回は明による独り語りです。


スイート編アフター 7

親善戦が終わったが、国を上げての祭り自体はまだまだ続いており、えりかと響が祭りに行きたいとギャーギャー騒ぎ出したんでメフィストさんやアフロディテさん、バスドラさん達も誘って皆で祭りを見て回る事にした。

 

因みにお金に関してはモーマンタイ。

今日のお礼としてメフィストさんが全部出してくれた。

 

メフィストさんの男気に感謝しつつ、えりかと響が暴飲暴食しないように注意しながらあっちこっち見て回った。

 

そして回ってる時に気付いたんだが、メイジャーランドのお金は俺達の住む此方の世界の構成はほぼ同じだった。

 

単位は円だし、小銭は一円、十円、百円、五百円、しかも各々の材質も同じ。

 

違うとすれば小銭とお札のデザイン、紙幣に描かれた人物くらいだ。

 

 

・千円札=メフィストさん

 

・五千円札=当時国王だった頃の音吉さん(今より若いし、かなりダンディー)

 

・一万円札=音吉さんの前の国王

 

 

なんでも、当時まだ国王だった音吉さんが御忍びで此方の世界を訪れた時にそのわかりやすさに驚き感心し、自国に帰って導入したんだと。

 

当時のメイジャーランドのお金は難しかい構成だったらしく、国民もその導入に大助かりしたとか。

 

因みに国王が変わる事に合わせてお札の人物も変わるらしく、発行当時、音吉さんは千円札に描かれてたらしい。

 

そして一部の屋台ではこれまた此方の世界と同じのがあった。

 

焼そばを筆頭に、たこ焼きやイカ焼き、綿菓子にかき氷、チョコバナナにクレープ、お面や射的、金魚すくいにラムネ等実に様々だ。

 

どうやらこれ等も音吉さんが導入したものなんだと。

 

こりゃ越えなきゃいけない壁が高過ぎてメフィストさんも大変だな、と思っていたらいつの間にか俺達の周りに人が集まっていた。

 

俺達は親善戦が終わった時に変身を解いていたが、親善戦はモニター中継されていたし、そして何よりメフィストさんやアフロディテさんにバスドラさん達がいるから集まるのも当然か。

 

中には俺やバスドラさん達のお面を着けているチビッ子達がちらほらり。

 

団扇に続いてお面も売ってるとは恐るべし、グッズ販売。

 

そして嬉し恥ずかし(?)のファンの娘達もやって来た。

 

そこからはホントにしんどかった。

握手や写真、サイン等を求められてな?

しかも、どさくさに紛れて奏からも求められた。

更に“変身してあげたら?”とゆりが余計な事を行ったせいでファンの娘達のボルテージがな?

 

一応、お返しとしてゆり達も変身させた。

 

皆は終始ノリノリだったけど、ムーンライトとミューズは若干照れていた。ムーンライトはざまぁみろだが、ミューズには悪いことさせたな。

 

何せ大人しかったメフィストさんの親馬鹿を発動させちまったからな。

 

その後は変身を解いてメイジャーランドの人達と親交を深めたり、一通り食ったり飲んだり、メフィストさんが自ら率先して出した屋台の手伝いをして祭りを楽しんだ。

 

そして楽しかった祭りも終わりの時が来た。

 

祭りの最後を飾るエンディングセレモニーは闘技場の舞台の上で歌が披露されるらしい。

 

オープニングセレモニーと同様にまたビート、ミューズ、ハミィが歌うと思っていたが、何故か俺が歌う羽目に……

 

どうやらムーンライトとミューズが先程のお返しとして関係各所に話をつけたらしい。

 

肝心の俺には話をつけずにな……まぁ良いが。

 

因みに歌は“Overture.〜友情序曲〜”と言う曲で、代々メイジャーランドの祭事で必ず歌われる歴史ある歌らしい。

 

まさかの大役に流石の俺も驚いたぜ。

 

そしてセレモニー開始まで30分ほど時間があったから過去に歌った事があるアコとエレンからみっちりレッスンを受け、今日何度目かの変身をし、本番を迎えた。

 

………

……

 

セレモニーが無事に終わり、祭りはお開きとなり、それに合わせて俺達も帰る事にした。

 

帰り際にメフィストさんから再びお礼として金一封を貰い、アフロディテさんからは実はアコは俺の事を兄として慕っているからこれからも仲良くしてねと驚きのカミングアウトを教えられ、バスドラさん達とは再戦の約束をして俺達は光の鍵盤に乗って加音町へと帰ってった。

 

ついでに言うとアコはゆりの事を姉として慕っているんだとさ。後、アフロディテさんからのカミングアウト後にアコは俺とゆりの事を“明お兄ちゃん”“ゆりお姉ちゃん”と呼び出した。

 

そして加音町へ帰ってきてからもあっという間だった。

 

一緒に帰ってきた音吉さんが俺を気遣い、軽くお喋りをして解散する流れになった。

 

お喋りつっても、アフロディテさんから聞いた話をえりかがネタにしアコを弄るのが殆んどだったな。

 

んで、アコが俺とゆりに“助けて明お兄ちゃん!ゆりお姉ちゃん”と助けを求め予想以上の破壊力に俺等は即座にえりかをとっちめた。

 

いやはや、アコは恐ろしい技を覚えてしまったようだ。

 

それから程無くしてふと、金一封がどれぐらいあるか気になったんで中を見ると十万入ってた。

 

流石は国王からの金一封、渡す金額が多い。

 

そんじょそこらの奴には真似出来ないな。

…金(マネー)だけに真似出来ない。

 

因みに言うとこのギャグ、ゆりと音吉さんにはウケた。

 

んで、最後に音吉さんに頼んでお金を此方の世界の札へと変えてもらい俺達は響達に別れを告げて帰ってった。

 

道中えりかが金の使い道を聞いてきたから、一万ほど財布に残して残りは貯金すると言ったらつぼみ、いつき、ゆりは頷いていたがえりかはかなり驚いていた。

 

物欲の塊め。

 

そして後日、俺はあゆみ、亜久里、ラブ(とタルト)、あかねに“この間俺と同じ場所にいなかったか?”と電話した。

 

そしたら全員が“いた”と答えた。

 

なんでも、“何か呼ばれた気がして、気がついたらいた”との事で。

 

う〜ん、ミラクル。

 

 

―バビュン!!―

 

 

「今“ミラクル”って言いました!?」

 

「確かに言ったがみらいの事じゃねぇし、いきなり出てくんな!」

 

 

【完】




あははは……独りじゃなかった( ̄▽ ̄;)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。