とある日の昼休み、ももかは一日フルで仕事がある為学園を休みゆりも家の事情で学園を休んでる為、結果的に俺は珍しく教室で一人だった。
「それでね?調べたらそこは以前見つけた遺跡と同じ目的で造られた遺跡だったんだよ」
「またか遺跡の話か。本当にお前は相変わらずの遺跡バカだな」
「あははは、萌香さんハッキリ言い過ぎだって……」
「でもそこまで直向きに打ち込める事があるのは良い事だよね」
いや、一人じゃなかったな。
現に今は友人でありクラスメートの菖、萌香、月音、瑠璃と一緒に弁当を食ってる最中だもんな。
この四人はゆりやつぼみ達程じゃねぇが、それなりに気心も知れてる奴等だから一緒にいて楽しいんだが…
「はぁー……」
「あれ?どうしたの明君?」
「随分と浮かない顔だな」
「だね。悩み事でもあるの?」
悩みか……
「…あるにはあるんだが、聞いても引くなよ?」
「うん」
「あぁ」
「いいよ」
「えぇ」
「…サンキューな。実は……」
『………』
「ゆりとももかがいなくてちょっと寂しかったりする……」
『やっぱり』
わぁーお、声を揃えて言いやがった……
「“やっぱり”って事はお前等は気付いてたのか?」
「まぁね」
「寧ろ気付かない奴の方がいないだろ」
「朝から元気無かったもんね」
「しかも一人で来たからそれで直ぐに気付いたの」
「成程な」
いやはや、この四人の見事な観察力を俺も欲しいもんだぜ。
「それにしてもちょっと意外だね。ゆりさんとももかさんがいないだけで明君寂しがるなんてさ」
「それだけ二人が明君にとって大切な存在だって事ね♪」
「…言うな」
「ひょっとして、明君照れちゃってる?」
「…聞くな」
「あはっ!明君可愛い♪」
「…見るな」
瑠璃は普段は良い奴なんだが、時々ももかみたいになって俺や菖や月音を弄ってくるから厄介極まりねぇ。
てか、今気付いたんだが月と萌香が話に入ってきてねぇな。
「菖、月音と萌香はどうした?」
「…アレの真っ最中だよ」
「あぁ、アレか」
今菖が言った“アレ”とは何かって?
実はこの教室には俺、ゆり、ももかの三人が繰り広げるドタバタ以外にももう一つクラスメートから“名物”と認識されている光景が存在する。
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
とまぁこんな感じで今も続いている二人のこのやりとり、その名も“愛の囁き”がもう一つの名物だ。
因みにこの名は俺が考えた。
後、このやりとりにBGMを付けるならフランシス・レイの“男と女”がお似合いだと俺は思ってる。
あ?
“男と女”って言われてもいまいちわからないって?
なら“ダバダバダ〜”と言えばわかるだろ?
てか、俺はいったい誰に説明してんだか……
「ねぇ、菖君?今回は何が切っ掛けだったのかな?」
「多分、瑠璃さんが明君に言った“大切な存在”に反応したんだと思うよ」
―なぁ月音?新婚旅行に行くとしたら何処が良いかな?―
―そうだね……―
「話が凄い飛躍してる……」
「良いんじゃねぇか?どうせ三年後には結婚するんだし」
「だね。早めに決めとけば後々考えなくて済むもんね」
「…あの二人もそうだけど、明君も月音さんも結構変わってるよね」
「「菖(君)もな(ね)」」
「うぐ…、鋭いブーメランが胸に刺さった……」
「大丈夫。手持ちの薬草を食うなり飲むなりすれば治るだろ」
「菖君いつでも遺跡調査に行ける様に常に薬草持ってるもんね」
「…持ってないんだけど」
「「えぇ!?」」
「そんなに驚く!?」
「…お前、まさか菖の偽者か?」
「貴方、本物の菖君を何処へ隠したの!」
「いや俺は正真正銘、本物の春川 菖だよ!?」
「知ってる。ただの冗談だ」
「あははっ、菖君って“愛され(弄られ)”キャラだよね♪」
「…龍璃さんは兎も角、明君はだいぶ普段通りになってきたね」
「あぁ、菖達と話してたら何か調子が戻ってきたぜ。サンキューな」
「うん!どういたしまして!」
「…俺は直前のやりとりのせいで素直に喜べないよ」
「ドンマイ菖君!」
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
「「「あ、まだ続いてた(んだ)のか……」」」
【終わり】
今回は新たに出てきたゲストキャラ・覇波 瑠璃は覇王龍さんの作品の主人公です。
ですが、明達と同年にする為年齢は覇王龍さんの作品よりも上で菖と同様にプリキュアの力はありません。
後、今回は触れてませんがこの作品で瑠璃は“ムーンライトのファン”設定が付いてます( ̄▽ ̄)
そしてパロディキャラとしてロザリオとバンパイア(原作の2期版)から月音と萌香を明達のクラスメートとして出しました。
当然、月音と萌香も普通の人間ですが萌香の姿は漫画の最終話に出てきたあの姿(性格)です。
オマケ
〜翌日〜
明、ゆり、ももか:「「「……!……!……!……」」」
菖:「あははっ、明君達またやってるよ」
瑠璃:「やっぱりあの三人はとっても仲良しだね♪」
萌香:「月音、私達もあの三人の様に……」
月音:「うん。いつまでも仲良しでいようね」
萌香:「………」
月音:「………」
萌香:「月音……」
月音:「萌香さん……」
菖:「こっちもか……」
瑠璃:「あははっ!」