次のハピネスチャージ編を考えなきゃ……
とりあえず適当に辺りをぶらぶら〜と歩いていたら高等部の生徒会長を見かけた。
こんな日でも生徒会は仕事してるんだな。
御苦労様です、と。
…生徒会長ねぇ。俺の友人で何人かいるな。
何人いたっけか?
…かれん、いつき、れいか、マナ、みなみ、…五人か。
マナに関してはあれだな。
“元気で明るく考えるよりまず動く”って印象だったから初めて会った時の自己紹介でマナが生徒会長だと知った時はかなり驚いたな。
印象で言うなら六花の方が生徒会長っぽかったからな。
若しくはクラス委員長。
てか、マナ達メンバーは……凄いよな。
マナは生徒会長
六花は生徒会書記
ありすは実家の財閥令嬢
真琴はアイドル
亜久里は……前にマナに聞いたら真琴が住んでた異世界の王女さんの善の心から誕生したって言ってたから、王女の善心で良いか。中々ハードだな。
そう言えば、レジーナって言う悪の心から誕生した女の子がいるとも聞いたな。
聞いた時は驚いたがまぁ、大丈夫だろう。マナが“レジーナはあたしの大切な友達だから大丈夫!”って言ってたしな。
てか、真琴と亜久里は異世界出身だったんだな。
そこに関してはあまり驚かなかったな。…慣れか?
それに例え出身が違くても友人である事には変わりないからな。
…あ、驚いたと言えばアレだ。
亜久里の変身後の姿。
アコと同じ年代なのに変身したら急成長するからな。
成長した姿は俺やゆりと同じぐらいか?
今度会ったら失礼承知の上で聞いてみるか。
………
……
…ん?
「此所は……」
気が付いたらいつの間にか俺は大貝町駅に来ていた。
マナ達の事を考えていたから無意識に来てしまったようだ。
「どーしたもんか……」
………
……
…
―…ぐぅ〜……―
「…ぶたのしっぽ亭行こ」
そうゆうことになった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
“ぶたのしっぽ亭”
マナの祖父、宗吉さんが初代、そして現在二代目としてマナの父、健太郎さんが店長として経営している大貝町で美味いと評判の洋食屋だ。
以前初めて此所へ来て、店の一番人気の品であるオムライスを食べた時には、あまりの美味さに御代わりしてしまった。
店は洋食屋だが、洋食以外も作れるらしい。
和菓子とか。
「到着っと」
…あー。やっぱ町で評判の店だからな。中の賑わいが外まで聞こえてくる。席が空いているかどうか不安だぜ。
そう思って階段を登った直後、
「いってきま〜す!!」
―バンッ!!―
店の扉を勢いよく開け放ってマナが出てきた。
「あ、明さん!お久し振りです!」
「おう、久し振り。…此れから出掛けるのか?」
「はい!此れからありすの家でお菓子パーティーです!」
「ほうほう、パーティーとな」
それは興味深い、
確かありすはお嬢様。
となるとお菓子も普段食べる事が無い良いとこのお菓子があったりするんだろうな。
「明さんも来ます?」
「ん〜……」
扉が開け放たれたままだから店内の様子が見える。
想像通り、中は賑わってる。
こりゃ今回は諦めた方が良さそうだな。
うむ。
「迷惑でなければ」
「迷惑どころか寧ろみんな大喜びですよ!」
「そりゃ良かった」
「じゃあ早速行きましょう!」
「扉を閉めてかなくて良いのか?」
俺は扉を指差し、それを追ってマナは開け放たれたままの扉を見てあはは、と苦笑いして扉を閉めた。
そして俺の手を掴み、
「それじゃあ改めて、レッツゴー!!」
全速力で走り出した。
てか、速っ!?
プリキュアに変身してないのにこの速さって!?
しかも俺の体、浮いてるし!?
「うおりゃあぁぁ〜〜!!」
誰かお助け〜〜
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マナが走り出してから数分間経ったのだがマナのペースは落ちず、俺の体は未だに浮いたままだ。
「もしもしマナさん、マナさんよ。ありすのお家はまだですか?」
最初こそ驚いたが、直ぐに馴れてしまった。
「ほら、もう見えてきましたよ!」
と、言ってマナは前方を指差した。
どらどら?
「…わぁお」
ずいぶんとまぁ豪勢なお屋敷が前方に。
今からあのお屋敷に行くんだろ?
いやはや人生何が起こるか分かったもんじゃないな。
「それよりマナさんよ。そろそろ速度を落とさないと門にぶつかるんじゃねぇか?」
ほれ、門との距離が残り数メートルに。
「大丈夫!」
そう言ってマナは走るのを止めブレーキをかけた。
うん、かけたのは良いんだが…
―キキィーー!!!!―
何で車の如くブレーキ音が靴から聴こえるんだ?
火花出てるし焦げ臭い。
…あ、でも止まり始めたな。
……5……4……3……2…
―キキィー……―
門との距離残り1メートル辺りでマナは止まった。
「セーフ!」
「うぉ!重力が」
留守中だった重力が漸く家(俺の体)に帰ってきた。
「明さん大丈夫でしたか?」
「まぁなんとかな。マナの方こそ靴、大丈夫なのか?」
「大丈夫です!」
火花出てたし、焦げ臭かったのにか……。
「ありす〜!来たよ〜!今回はなんと!明さんも一緒〜!!」
―一緒〜!!…いっしょ〜!…しょ〜…しょ〜…しょ〜…―
エコー……、
てか、滅茶苦茶恥ずかしいんだが……。
「態々大声で叫ばなくてもインターホンとかがあるだろう」
俺がインターホンを探してたら、
―わかりましたわ〜!…わ〜…わ〜…わ〜…―
と、屋敷から返事が……。
ありすさん、貴女もですか……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
その後門が開いたので俺等は屋敷へ入りメイドさんに茶会の部屋まで案内してもらった。
「此方に皆様お集まりしてます」
「あ、ありがとうございました」
案内を終えたメイドさんは失礼しますと言ってスカートを翻し去っていった。
流石はメイドさん。
洗練された無駄の無い立ち振舞いだ。
「さて、これ以上待たすのも悪いし中に入るか」
「はい!」
―バンッ!!―
俺が扉を開けるよりも早くマナが扉を開けた。
「みんなお待たせ〜!!」
「…頼むからもう少し静かに開けてくれ」
心臓と耳に悪い。
「ふふ、御待ちしてましたわ、マナちゃん。そして明さん、お久し振りですね」
「おう、久し振り。悪いな、急に参加させてもらって」
「いえ、普段とは違う楽しさがあるので嬉しいですわ」
「そりゃ良かった。六花達も久し振り。今日はよろしくな」
「はい。お久し振りです明さん。道中マナが迷惑かけませんでしたか?」
………。
「女の子、しかも自分より年下に此所まで体が浮く程の速さで引っ張られるという恐ろしい体験はしたな」
「……恐かったシャル」
あ、シャルル。
「体が浮く程……」
「マナ……」
「…あはは。急いでたから」
「全くマナは相変わらずですわね」
「いや〜それほどでも〜」
『…………』
「あは…あははは……」
『…………』
「ごめんなさい」
『よし(ですわ)』
まぁいくらマナでも俺等四人(俺、六花、真琴、亜久里)の無言の圧力を前にしたらそうなるわな。
「ふふ。今日のお茶会も楽しくなりそうですわ」
そう言ってありすは紅茶を口にしながら楽しそうに此方を見ていた。
その一言で片す辺り流石はありすと言ったところだな。
ブレが無い。
「ふわぁ〜やっとマナが来たケル」
「明もいるビィ」
「うぅ〜アイちゃんにまた耳を噛まれる夢を見たでランス」
あ、静かだと思ったらラケル達寝てたのか。
さっきの音で起こしたか?
「よぉラケル、ダビィ、ランス。起こしたか?」
「アイちゃんと一緒に寝てたら何か大きな音が聞こえたケル」
やはりか。
「マナが犯人シャル」
「マナ〜」
「あははは…ごめんラケル」
「ランスちゃんよく眠れましたか?」
「ありす〜アイちゃんにまた耳を噛まれる夢を見たでランス」
「それは恐かったですわね。よしよしですわ」
「ランス〜」
やはりラケル等妖精達がいると賑やかになるな。
だが、一番賑やかになるあの空飛ぶ赤ん坊がいないな。
そう思った直後、
「あき!あき!」
―ぼふっ―
その赤ん坊−アイちゃんが俺の頭の上に乗ってきた。
―ポキッ―
あ…首が……
「アイちゃんも起きたビィ」
「…明さん今小気味良い音しましたけど大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。問題ない」
真琴にそう返しアイちゃんを頭から下ろし抱き抱えた。
「あき?」
「久し振りなのは分かるが、次からは急に頭に乗るのは止してくれ。分かったな?」
「アイ!」
「素直でよろしい。ほれご褒美のたかいたかーい」
「アイ♪アイ♪」
「…何気に明さん」
「…アイちゃんあやすの上手」
「面倒見の良い素敵なお兄さんですわ」
「…お兄さんって言うよりも」
「お父様ですわね」
『それだ!!』
「…泣けるぜ」
いくら俺でも流石に傷付くぞ。
そう思っていると視界の端でセバスチャンさんがありすに何かを報告しているのが見えた。
「お嬢様」
「わかりましたわ。…皆さんお茶会の用意が完了したようなのでそろそろ始めましょう」
ふと、部屋の中を見渡すといつの間にか茶会のセッティングが出来上がっていた。
てか、ビッフェスタイルかい。
「凄いですわ!いつもよりケーキやお菓子が豊富ですわ!!」
わぁーお
亜久里の目が輝いてら。
「今回は明さんも参加するのでいつも以上に国内の評判の品を用意しましたわ」
「あ〜何か気を遣わせたようで悪いな。準備大変だったろ?」
「お気にする心配はないですわ。ですよね?セバスチャン」
「お嬢様の仰る通りです明様。それに四葉財閥の執事たる者、この程度のことが出来なくてどうします?ですからどうぞ、明様も茶会を楽しんでください」
…さいですか。
なら言われた通り茶会を目一杯、腹一杯楽しみますかな。
「オラ亜久里、少しは自重してケーキ取りやがれ」
「ふ、このケーキの生クリームの様に甘いですわ明さん。此所は戦場…それ故に慈悲は無いのですよ」
「上等だ。このケーキのビターの様に苦い思いさせてやら」
「さっきまでお父さんだったのに急に子供が二人に……」
「しかも微妙に上手い事を……」
真琴と六花が何か言っている様な気がしたが気にしないことにした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
アイちゃんはシャルル達と遊びだし、俺達は茶会を楽しんだ。そしてセバスチャンさん協力の元、いつの間にか始まっていた亜久里とのケーキの大食い対決は俺のギブアップで終わりを迎えた。
「あ、明さん紅茶どうぞ」
「サンキュー」
六花から紅茶を受け取り一服。
「ふぃ〜食った食った」
「明さん結構食べましたね」
「今日は朝から何も食ってなかったからな」
「それでも20皿は凄いですね」
「見ていて気持ちの良い食べっぷりでしたわ」
「…気持ち良いか?あたしは胸焼けするぞ?」
マナや六花、ありすに真琴が各々そう言ってくる。
「俺で胸焼けなら亜久里だとどうなるんだか」
視線の先には勝負を終えたにも関わらず現在進行形でケーキを食ってる亜久里の姿が。
「健闘を讃えますわ。このわたくし相手に彼処まで渡り合えたのですから。いずれまた勝負したいものですわ」
わぁお。
逸そ清々しい程上からの物言いだぜ。
「亜久里ちゃんのにはもう馴れましたから」
「あらま。…それにしても亜久里、よくそんなに夢中でケーキ食べれるな」
「わたくし、事ケーキに関してはいくらでもいけますわ。まさにお腹が宇宙ですわ」
「宇宙って…また随分大きく出たわね」
六花に同意。
「そうかい。因みに俺の腹は途中だ」
「消化の?」
「そ」
暫くはケーキは食えないな。
「にしても、ケーキや菓子勿論、飴玉もこれまた大量にあるな。……げ、納豆餃子飴…」
飴玉を入れてあるバケットの中を漁っていたら偶然見付けてしまった。
あの飴を……。
「御存じでしたか。そちらは大阪で一時期話題になった飴玉ですわ」
「ひぃ!?」
悲鳴の先を見れば、それまで楽しそうに食べていた真琴の顔が恐怖に染まっていた。
その反応で分かった。
「真琴…食った事があるんだな…」
「明さんもあるんですね…」
「あぁ。中学の修学旅行で大阪に行った時にな。…忘れはしない…てか、忘れたくても忘れられないあの強烈な味……」
「分かりますその気持ち……」
「「…………」」
―ガシッ!―
互いに無言の後俺と真琴は手を握りあった。
おぉ、同志よ。
「経験者同士、友情が芽生えたわね……」
「あの時もそうでしたがそんなに強烈な味なのですか?」
ありすよ、それを聞くのか。
「気になるのなら、お一つどうぞ」
「どうぞどうぞ」
「遠慮しますわ」
こんにゃろバッサリ断りやがった。
と、ここでケーキを食うのを止めた亜久里が会話に参加してきた。
「明さんは分かりましたが、真琴はいつこの飴を食べたのですか?少なくともわたくしがお茶会に参加してる時は無かったと記憶してますが?」
わぁお……
すんごい皿の数。
何皿あるんだ?1、2……あぁもうめんどくせ。
「確か…妖精学校に行く前のお茶会の時に」
あ〜、妖精学校か。
久々に聞いたな。
「妖精学校?聞いたことないですわね」
「そっか、あの時まだ亜久里ちゃんと会ってなかったもんね」
「あの後少ししてから亜久里ちゃんと会ったもんね」
「そうでしたわね」
マナ達も懐かしむ様に話しに入ってきた。
「そう言えば、あの時に明さんや他のプリキュア達と初めて会ったんですよね」
「あぁ、そうだな」
「あの時はまさかあんなに先輩プリキュア達がいるとは思わなかったわ」
「俺はプリキュアとは違うけどな」
「とても貴重な体験が出来ましたわ」
「まぁ色々とあったがな」
「…納豆餃子飴……」
「おーい真琴ー、戻ってこーい」
「むぅ〜、何ですのこの疎外感。…何があったのか教えてもらいますわ」
「う〜ん、どこから話そっか?」
「ソリティアでお茶会してる時からで良いんじゃないかしら?」
俺が真琴の肩を揺すってる傍らでマナ達は亜久里に話し始めた。
「それではお話しますね」
お前ら少しは真琴の心配してやれよ……。
「……っは!?」
お、戻ってきた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
途中から俺と真琴も話しに加わって亜久里に話した後紅茶で一服。
うむ、美味なり。
「成程、その様な事があったのですね」
「はっはっは。まさか人生で二回も結晶化させられるとはな」
「以前にもあったんですか……」
「おう」
あの時はキュアフラワーに助けられたんだっけ。
感謝感謝。
「でも無事でなによりですわ」
「最後は皆でパーティーして楽しんだもんね」
「むぅ〜、わたくしもパーティーに参加したかったですわ」
「残念だったね亜久里ちゃん」
「しっかし本当にお菓子美味かったよな。レシピ貰って作ろうかと思ったぐらいだし」
俺がそう言った直後、皆が一斉に此方を見た。
「…怖いんだが?」
「明さんお菓子作れるんですか?」
「菓子、ケーキ、パフェ辺りは一通り。まぁ後、普通に料理作るし」
「料理も、ですか」
「あぁ。和洋中なんでもござれ」
あ、そうだ。
「ありす」
「大丈夫ですわ。ですよねセバスチャン?」
「はいお嬢様」
「…まだ何も言ってないんだが」
「明さん、どうゆうこと?」
マナ達はまだ分からんのね。
「茶会の礼だ。何か作ってやるよ」
それを聞いたマナ達はぽかーんとしていたが、徐々に理解してきたのか顔が緩み始めた。
「やったー!」
「良いんですか明さん」
「有難う御座います」
「楽しみですわ」
「ういうい。じゃあちゃちゃっと作ってくるわ」
「では屋敷の者に案内させます」
セバスチャンさんはそう言って先程のメイドさんを呼び、俺はメイドさんと一緒に部屋から退出した。
………
……
…
さて、厨房へ来たわけだがやはり屋敷と言うだけあって大きくて広いな。
後、厨房は真っ白。
驚きの白さ!
「先程菓子やケーキやパフェ等が作れると聞いたので、必要な材料や道具は粗方用意しておきました。不足があれば即手配しますので」
…またまた出たよ。恐ろしい程の手際の良さが。
「それから、此方のエプロンを使ってください」
とメンズエプロンを受け取った。
「何か申し訳ないですね。短時間で彼是用意していただいて」
「お気にする心配はございません。それに四葉財閥のメイドたる者、この程度のことが出来なくてどうします?」
…さっきも似た様なのを聞いたな。
この屋敷の従者は皆それを言うのか、材料や道具の確認をしつつそう思った。
「うし、全部揃ってら」
確認を終え先程受け取ったエプロンを着き作り始めた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
数分後
出来上がった品を保冷させ銀盆に乗せ蓋をして台車でマナ達のいる部屋へと戻った。戻った俺を迎えるは腹を空かせた雛達。……なんつって。
「お待っとさん」
「あ!明さんエプロンしてる」
あ、脱ぐの忘れてた。
「サイズはやはり大丈夫な様ですね」
「…言われてみれば確かにジャストサイズだな、このエプロン」
まさか見ただけでサイズが分かったのか?
…えりかじゃあるまいし、そんな事が……
「ふふ」
…あった。
ありす、恐ろしい子!
…とまぁ冗談はさておいて。
「ほれ、俺手作り苺パフェおあがりよ」
盆を外せば中には鮮やかな色合いのパフェが八個あった。
『わぁ!!』
「下段はヨーグルト、フレーク、苺ジャムの構成。上段は苺アイスとバニラアイス、その周りをカットした苺で柵状に囲み真ん中に生クリームをかけてラスクを刺してみた。ま、結局はシンプルな苺パフェだけどな」
「それでも美味しそう!」
「でも何故八個なんです?しかも一個だけ大盛りが…」
六花の言う通り、一個だけ他のパフェより苺や生クリームの量が大盛りである。
「五個はマナ達。二個はセバスチャンさんとメイドさん。残りは俺」
「なんと!私達の分もですか!」
「彼是用意していただいて御礼です」
「良かったですね二人共」
「はい。有難う御座います明様」
「有難う御座います」
「いえいえ」
「で、この大盛りは誰のなんですか?」
「あぁ、それは亜久里のだ」
「わたくしですか!?」
「そ、亜久里にちょっと聞きたい事があってな。場合によっての保険用に」
「わたくしに聞きたい事?何ですの?」
「まぁそれは追々聞くとして、まずはパフェ食おうぜ」
マナ達が早く食べたくてうずうずしてるしな。
「ですわね」
亜久里も納得したので皆でパフェを食べ始めた。
『美味しい(ですわ)!!』
「ほっほっほ。美味ですな」
「素敵。甘くてとっても美味しいわ」
ん〜素材が良いってのもあるが我ながら中々に美味しいのが出来たな。
………
……
…
その後俺やマナ達、メイドさんとセバスチャンさんはパフェを食べ終えた。
そしてメイドさんは仕事があると言って、セバスチャンさんは新しい紅茶を用意すると言って部屋から退出した。
当然亜久里は今だパフェを食べている。
「はぁ〜美味しいかった〜」
「今日は何だか良い夢が視れそうね」
「とても美味しかったですわ」
「明さん有難う御座います」
「苺の甘酸っぱさと生クリームの絶妙な滑らかさ、完璧ですわ」
「ういうい。喜んでもらえて恐悦至極で御座いますと」
凄いな亜久里。
俺等よりも量多いのにもう半分も食い終わってら。
「それでわたくしに聞きたい事とは何ですの?」
あぁそうそう。
あの事を聞くために亜久里のだけ量多くしたんだもんな。
じゃあ聞くとするか。
「亜久里はプリキュアに変身すると見た目が急成長するだろ?あの姿って何歳ぐらいなんだ?」
「あ、それあたしも気になってた」
「わたしも」
「わたくしもですわ」
「あたしも」
「あ、マナ達も気になってたんだな」
「その事でしたならいつか聞かれると思っていましたわ」
そうして亜久里はパフェを食うのを一旦止め俺等に言った。
「そうですわね。あの姿は17歳のイメージですわ」
「17歳、…と言うと高校生」
「明さんやゆりさんと同い年ね」
成程。俺の予想が当たったか。
「嬉しいねぇ高校組が増えるのは」
「お三方共、大人びていてとても素敵ですわ」
「あたしは最初三人共大人だと思ってた」
うむ、喜んでいいのか否か悩み所だな。
「それだけわたくしの大人のレディーとしての振る舞いが完成してると言う事ですわ」
亜久里は自慢気にそう言ってるが今現在パフェを夢中で食べている姿は大人のレディーには見えなんだ。
まぁ小学生だしな。
「それで明さん」
「ん?」
「何故わたくしのパフェが大盛りなのですか?」
「いや、女の子に年齢の話しはタブーなんだろ?だから無礼の詫びにな」
「…流石明さんですわ。レディーに対するマナーがなってますわ」
「そりゃどーも。…て、おい。口に生クリーム付いてるぞ」
そう言って俺はテーブルに置いてあるナプキンで亜久里の口を拭いた。
「うぅ!……わたくしとしたことが恥ずかしいですわ……」
「逃げやしないから落ち着いて食うんだな」
「はい…ですわ……」
うむ。素直でよろしい。
「…ねぇ?」
「うん。やっぱり…」
「面倒見の良い素敵なお兄さんですわ」
「…お兄さんって言うよりも」
『お父さん、だよね』
また言われるとは……。
「お父様、パフェお代わりですわ!」
………
「泣けるぜ」
【完】
亜久里の変身姿に関して調べたら“15歳前後(キャラクターデザインの担当者は17歳前後のイメージと語っている”と書いてあったので17歳にしました。
ワートリの小南がお嬢様学校にいる時の猫被りが亜久里(又はキュアエース)口調だったら面白そう (≡ε≡)