花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

178 / 852
途中で話が浮かばなくて気分転換にツタヤで5と5GoGoをレンタルしまくってたら書くの忘れてました。

すんませんしたm(__)m


ハピネスチャージ編

「…散歩しよ」

 

何処に行くかは散歩しながら追々考えるとしよう。

 

そう決めた俺は家から出た。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

たどり着いたはこの町で色々と馴染みのある丘。

 

「良いな……」

 

空は蒼く澄み渡り、風は強過ぎずだかそれでいて弱過ぎない心地好い。

さらに此処からは町を一望する事が出来る。

 

此処でピクニックしたら最高だろうな。

弁当食べたり、菓子食べたり、遊んだり、笑いあったり。

絶対に賑やかで楽しいだろうな。

 

―ぐぅ〜―

 

…あ、腹鳴っちまった。

そう言えば何も食ってないもんな。

…何かないか

 

服のポケットを彼是探していると、

 

「お?ハニーキャンディ発見」

 

ズボンのポケットに入っていたハニーキャンディを発見した。

 

「では早速」

 

包みを外し、

 

―ヒョイ!―

 

頭上へ投げて、

 

―パクッ!―

 

口でキャッチ。

 

危険だから良い子は真似すんなよ?

 

「ぉぉ〜相変わらず美味いなこのキャンディ」

 

………、

 

このお味

しあわせハピネス

やばやばい

ハニーキャンディ

すごごごごーい

 

ふむ。

字余り、季語無し、自由律……失敗だな。

んな事より

 

「…キャンディ食ったら益々腹減ってきたな」

 

どーしたもんか。

 

空を見ながら俺はまた彼是考える。

 

ハニーキャンディ……ゆうこ……大森……大盛り……ご飯……

 

その結果

 

「ゆうこの家に行くか。確か弁当屋って聞いたからな」

 

そうゆうことになった。

 

そうと決まれば俺は町へと戻り駅へ向かい、

その後、電車に乗りガタンゴトンと揺られて数十分、俺はぴかりが丘駅に着いた。

 

「よし、行くか」

 

目指すは、おおもりご飯!

 

………

……

 

何でこんな菓子が…

 

…一袋だけ買ってくか。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

偶然見つけた駄菓子屋である意味で衝撃的な菓子を一袋だけ買い、俺は目的地へと歩いていた。

 

すると、

 

―〜♪〜♪♪〜―

 

何処からか聴き馴染みのある歌が聴こえてきた。

 

「意外と近いな。……此方の方からだな」

 

耳を頼りに歩いて行き、

そして見つけた。

視線の数メートル先に歌いながら歩いているゆうこの後ろ姿が。

 

「おーい、ゆうこー」

 

「?…あ、明さん」

 

気付いたゆうこは律儀にも俺が近付く迄その場で待っていてくれた。

 

「よぉ、久し振りだな」

 

「はい、お久し振りです。今日は一人ですか?」

 

「あぁ。つぼみ達は部活メンバーと女子会に行ってるからな」

 

大方、次のファッションショーのデザインでも考えてんだろうな。

 

「そうなんですか。明さんは何故この町に?」

 

「腹減って以前ゆうこから貰ったハニーキャンディを食ったら余計に腹減ったからゆうこの店に食べに行こうとな」

 

「そうなんですか。あ、わたしも今お弁当の回収が終わって家に帰る所でしたから一緒に行きます?」

 

見ればゆうこは弁当の入った袋を両手に各々一袋ずつ持っていた。

 

「おう。案内宜しく」

 

「わかりました」

 

そうして俺等はおおもりご飯へ向けて歩き出した。

 

道中世間話をしていたらゆうこが俺の持っている袋に気付いた。

 

「明さん、その袋は?」

 

「ん?あぁ、此所へ来る途中の駄菓子屋で見つけたから買った」

 

そう言って俺は袋から菓子を出しゆうこに見せた。

 

「あ、プリキュアスナック」

 

「ん?知ってんのか」

 

「今、ひめちゃんや子供達の間で人気のお菓子なんですよ」

 

ひめもかよ。

 

「人気なのは菓子かカードか考えどこだな。…てか、この三人やカードに描かれてるプリキュアは本物のなのか?企業が創ったとかじゃなくて」

 

結構気になるとこなんだよな。

 

「勿論本物のプリキュアですよ。この三人は各々アメリカ、フランス、インドで活躍しているプリキュアメンバーの子達なんですよ」

 

「そうなのか」

 

プリキュアも遂に世界進出か。

だがこの子、以前俺等がフランスに行った時には見なかったけどな。

俺等が帰った後に出てきたのか?

 

…てか、

 

「プリキュアの認知度高過ぎやしないか?」

 

「戦ってる姿をテレビ中継されてますから」

 

「マジかよ…」

 

「戦い終わりにインタビューされる時もありましたから」

 

「…下手したら正体バレるだろ」

 

「因みにこのオマケのカード、わたし達が描かれてるのもあるんですよ」

 

「…許可とか権利とか色々と突っ込みどこが満載だな。てか、恥ずかしくないのか?」

 

「ん〜、平気ですね」

 

「…そうかい」

 

と、此所で俺はふと考えてみた。もし自分の戦ってる姿をテレビ中継されたり、インタビューされたり、菓子にプリント、オマケのカードに描かれていたら……

 

………

……

 

下手したら恥ずかしさのあまり暫くの間、戦線から離脱するな。うん。

 

「どうしました?」

 

「いんや、何でもねぇよ」

 

そう返し菓子を袋に入れようとしたらある文字を目にした。

 

“なっとうぎょうざ味”

 

………、

 

よし、ひめにあげよ。

 

「明さん、着きましたよ」

 

ん、いつの間にか到着してたか。

 

「ただいま〜」

 

「お邪魔します」

 

「帰ってきたか」

 

店内は客はおらず、赤い髪の青年だけが俺等…ゆうこを出迎えた。

 

「?後ろの男は?」

 

「あ、紹介するねファンファン。此方は御剣 明さん。プリキュアではないけど同じ仲間よ」

 

「おい、ゆうこ」

 

「大丈夫ですよ明さん。ファンファンはこうみえて妖精ですから」

 

「…マジか」

 

「あぁ。本来の名は“ファンファン”だが今の姿の名は“ファントム”だ。よろしくな」

 

「了解。俺の事はまぁ気軽に呼んでくれ」

 

「分かった。宜しくな明」

 

「おぅ。宜しくなファントム」

 

俺は持っていた袋を置き、俺等は握手をした。

 

「………」

 

「………」

 

「明さん?ファンファン?」

 

「強いな」

 

「お前もな」

 

握った瞬間、こいつは強者だと本能で理解した。

 

「何れ手合わせ願おう」

 

「おう。いいぜ」

 

『フッフッフッ……』

 

と話していたら、ゆうこがふと時計を見た。

 

「そろそろ行こうかしら」

 

「ん?何処へ?」

 

「いおな家の道場だ。そこでめぐみ達が稽古しているから見に」

 

と、ファントムが説明してくれた。

 

「ほぅ、何やら楽しそうな予感がするな」

 

「明、顔が好戦的過ぎるぞ」

 

「おっと、失礼」

 

「明さんも行きます?」

 

「是非」

 

ゆうこにそう答えた直後、

 

―ぐぅ〜……―

 

腹の虫が鳴いた。

 

「行く前に何か食いもんを……」

 

「ファンファン、確か厨房にお弁当が一つ余ってたわよね?」

 

「あぁ。明、それで良いか?」

 

「OK」

 

「分かった。ちょっと待ってろ」

 

ファントムが厨房に取りに行ってる間、俺はゆうこに言われて椅子に座って待っていた。

 

程なくしてファントムが弁当を持ってきた。

 

「持ってきたぞ」

 

「サンキューな。…おぉ旨そう」

 

蓋を開ければ中には食欲をそそる品々が。

 

待たすと悪いからちゃちゃっと食うかな。

 

「ゆうこ少しだけ待っててくれよ」

 

両手を合わせて

 

では、

 

「頂きます、と」

 

………

……

 

「ごちそうさまです、と」

 

「明さん、どうぞお茶です」

 

「サンキューな」

 

ずずっ……ふぃ〜、満足満足。

 

「随分早く食べましたね」

 

「そうか?」

 

「あぁ。丁度三分だ」

 

「でも綺麗に食べきってるわ」

 

子供ん時に躾られたからなぁ。

 

あ、

 

「ゆうこ弁当代は…」

 

「あ、お代はいいですよ。余ったお弁当ですから」

 

「や、茶を取りに行った時にファントムから聞いてもう払ったぞ。な?」

 

「あぁ。此所に」

 

そう言ってファントムは弁当代が入ったズボンのポッケを軽く叩いた。

 

「よかったんですけどね……」

 

「店の品だからそこは払わないとな。な、ファントム?」

 

「あぁ」

 

さて、食い終わった事だしそろそろ行くか。

 

「じゃあゆうこ、いおなの道場に行くか」

 

「はい。…ファンファンはどうする?」

 

「俺はこの後弁当の片付けや料理の修行があるから遠慮しておく」

 

「分かったわ。じゃあ行ってくるね」

 

「行ってくるぜ」

 

「あぁ行ってこい」

 

俺は再度菓子が入ってる袋を持ち、そしてゆうこといおな家の道場へと向かった。

 

「明さん、食後のハニーキャンディはいかがですか?」

 

「くれ」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「此所か」

 

暫く歩き続けて目的地へ辿り着いた。

 

―ハッ!ハッ!ハッ!―

 

「おぉ、すげぇ」

 

気合いと言うか覇気と言うか、門の中からそうゆうのがビシビシと伝わってくる。

 

―よし、今日は此処まで!皆お疲れ様だ!帰ったらゆっくり体を休ませろよ!―

 

―押忍!―

 

「あ、終わった。ゆうこ悪かったな」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

「なら良かった。さて中に入るか」

 

門の中に入れば丁度、稽古場から帰って行く門下生達。

 

「皆お疲れ様。稽古終わりにハニーキャンディいかがですか?」

 

ゆうこはそう言ってポッケからハニーキャンディを取り出した。

 

…よくそんだけの数が入ってたな。

 

「押忍!おい野郎共!ゆうこさんがまたハニーキャンディ持ってきてくれたぞ!」

 

『うぉぉ〜!!』

 

…ノリ。

 

「ところでゆうこさん、隣の方は?」

 

「此方、わたしやいおなちゃん達の友人の御剣 明さん」

 

「宜しくな」

 

『押忍!よろしくっす!明さん!』

 

「おう」

 

「いおなちゃん達はまだ道場にいるかしら?」

 

「押忍!めぐみさん達と居残り組手をしてると思います!」

 

「ありがと」

 

『押忍!それでは失礼します!』

 

そして門下生達は帰っていった。

 

「結構濃いがノリが良くて賑やかな門下生達だったな」

 

「皆、うちに来た時ご飯沢山食べてくれるから大好きです」

 

「まぁ体育会系の食欲は凄いからなぁ……」

 

道場に向かいながら頭の中でデフォルメ姿の体育会系な友人達が食べまくる光景を浮かべながら俺はそう思うのだった。

 

―よ〜し、わたしも食べちゃうぞ〜!けって〜い!―

 

―お供しますのぞみさん!―

 

…何故か体育会系じゃないのぞみとうららが出てきた。

 

出てけ、確かにお前らも大食いだが今の話は体育会系、お前らは呼んでねぇっつーの。

 

―あ〜!シュークリーム〜!―

 

―カレーソースたこ焼き〜!―

 

のぞみは兎も角、うららのソレは止めろ。

食欲がまったく湧かねぇ。

 

「あ〜ゆうこ〜やっと来た〜」

 

声が聞こえ意識を戻せば道場から胴着を着たひめが出てきた。

 

「お疲れ様、ひめちゃん。はい、稽古終わりのハニーキャンディ」

 

「やった〜!」

 

まだあったのかよ。

 

「ゆうこ遅かったね。…あ、明さんも一緒でしたか。お久し振りです」

 

「おう」

 

「え?明さん?どこどこ?」

 

ゆうこからキャンディを貰って喜んでたひめは後から来て、同じく胴着姿のいおなの言葉を聞き辺りをキョロキョロと。

 

「いや、目の前いるから」

 

「え?…あぁ!いつからいたの!」

 

「最初っからゆうこの隣にいたが?」

 

「あははは…。気付かなかった」

 

ひめぇ……。

 

「それより明さん、今日はどうして此所へ?」

 

「腹減って偶然持ってたハニーキャンディ食ったら余計に腹減ったからゆうこん家のご飯食いに来た。んで、おおもりご飯でファントムから皆が此所で楽しそうな事をしてると聞いたからゆうこと一緒に来たわけだ」

 

「成程。そうゆうことでしたか」

 

「そ。…ところでめぐみと誠司は?まだ組手の最中か?」

 

そのわりには道場が静かだが。

 

「ほほぉう」

 

気付けばひめが道場の戸に隠れる様に中をニヤニヤしながら見ていた。

 

「ひめちゃん何してるの?」

 

「まぁ見れば分かるって」

 

俺とゆうこ、いおなは顔を見合わせ疑問に思いながらもひめの様に中を見た。

 

「なーるほど」

 

「あっ」

 

「あらあら」

 

「でしょでしょ」

 

上から順に俺、いおな、ゆうこ、ひめだ。

中を見ると道場の隅で互いに胴着姿のめぐみが誠司に膝枕をしていた。

 

「ほうほう膝枕とな。めぐみったら、中々の技を」

 

「でも何で膝枕をしてるのかな?」

 

「相楽くん、自分のお腹を擦っているから組手中にめぐみから一撃を貰ったんじゃない?」

 

―ゴメンね誠司。つい張り切っちゃって―

 

―いいから。もう気にするな。それに中々いい膝蹴りだったぜ―

 

「ほら」

 

「ホントだ。しかし腹に膝蹴りか…。めぐみのやつエグい技を出したな」

 

その後も俺等は二人を見ていたが、めぐみが視線に気付いたらしく此方を見た。

 

「よぉ。めぐみ、誠司久し振りだな」

 

気付かれたから俺等は中へと入った。

 

「あ、お久し振りです明さん」

 

「えっ!?あ、明さん!?」

 

めぐみは平然としてたが誠司は少々取り乱し居住まいを正した。

 

『ニヤニヤ』

 

「な、何だよその目は!?」

 

「いや〜別に何も〜」

 

「ふふふっ」

 

「相楽くん応援するよ」

 

「うぅ、…そ、それより明さん!今日はどうして此所へ!?」

 

誠司よ、あからさま過ぎるぞ?だがまぁ、れ以上弄るのは可哀想だから話に合わすか。ちっと説明し飽きてきたが。

 

「それが……」

 

斯々然々以下省略だ。

 

「成程。そうゆうことでしたか」

 

「おう。…あ、そう言えば、ひめに土産あったんだった」

 

ほらよ、と持っていた袋をひめに渡した。

 

「わたしに?何々?」

 

受け取ったひめは直ぐに中を見た。

 

「おぉ〜!プリキュアスナック!」

 

「味を見ないで買ったがよかったか?」

 

「全然大丈夫!ありがと明さん!」

 

そう言ってひめは早速食べ始めた。

 

あ、ひめは普通に食えるんだな。なっとうぎょうざ味なのに。

 

てか、大口開けていっぺんに食っちまったよ。

 

「さ〜て、オマケのカードは誰かな〜?」

 

「確かひめはこの間、ボンバーガールズプリキュアのカウボーイハットを被った子が当たったんだよね?」

 

「そう!レアのレアが手に入ったんだよ!」

 

あぁ。パッケージのこの子か。

 

「あ〜!?」

 

「誰が当たったんだ?」

 

「キュアテンダー!?初めて当たった!?」

 

「え!?お姉ちゃん!?」

 

と、大声で驚くひめといおな。

 

ん?今…

 

「あ、やっぱり気付きましたか明さん?」

 

「あぁ。いおなに姉が居たんだな。しかもプリキュアしてるとは」

 

「ひめ、いいなぁ…わたしもお姉ちゃんのカード欲しいな…」

 

「…何かいおなのキャラ変わってないか?」

 

「いおなちゃん、ああ見えてお姉ちゃんっ子なんですよ」

 

「それは意外」

 

あ、そうだ。

 

「なぁ、いおな?お前の姉ってどんな人なんだ?」

 

「お姉ちゃんは強くて優しくてオシャレで、しかも勤勉家で友だちも多くてひとりの女性として、素晴らしいお姉ちゃんです!!」

 

「おぉう……」

 

想像以上の勢いに思わずたじろいでしまった…。

 

「まりあさんもいおなちゃんや誠司と同じく空手をやってるんだよね」

 

ほぅ。

 

「今まで一回も勝てた事が無い」

 

ほぅほぅ。

 

「俺もだ」

 

ほぅほぅほぅ。

それはそれは……。

 

「是非とも勝負してもらいたいぜ」

 

「でもまりあさんって確か今、アメリカに居るのよね?」

 

「あらら残念」

 

「お姉ちゃん帰ってこないかな…」

 

いおながそう呟いた時だった。

 

「あら、丁度良いタイミングに帰ってきたみたいね」

 

と、後ろから声が。

 

「この声は…」

 

全員で後ろを見ると、一人の女性が旅行バック片手に立っていた。

 

「ひょっとして…」

 

「お姉ちゃん!!」

 

おい、いおな。

俺が喋ってる途中だろうが。

 

そんな事お構いなしにいおなは姉の元へと行った。

 

「お姉ちゃん!」

 

「もぅ、いおなったら急に抱き着かないでよ」

 

「お姉ちゃんいつ帰ってきたの?」

 

「数時間前にね」

 

「いつまで此所に居られるの?」

 

「その事なんだけどね。向こうも落ち着いたから帰ってきたの」

 

「それじゃあ…」

 

「えぇ。これからはわたしも此所で暮らすわ」

 

「やった〜!!」

 

ん〜…いい話だがいおなのキャラが凄い事になってるな。

 

「めぐみちゃん達も久し振りね。元気にしたかしら?」

 

「はい!」

 

「お久し振りです!」

 

「毎日元気にお腹いっぱいご飯を食べてます」

 

「押忍!まりあさんお久し振りです」

 

「うんうん。良かった。…それで、貴方は?」

 

そういや自己紹介してなかったな。

 

「どうも。いおな達の友人の御剣 明です」

 

「貴方が明君ね。いおなから手紙で聞いてるわ。わたしは氷川まりあ。宜しくね」

 

「此方こそ宜しくです」

 

そして俺とまりあさんは互いに手を出し握り合った。

 

「…強いわね」

 

「…そちらこそ」

 

「そうだ、折角お姉ちゃん帰ってきたんだしわたしと勝負しよ!」

 

「あ、俺も良いですか?」

 

「う〜ん、そうね……。なら、こうしましょう」

 

どうしましょう?

 

「いおなと明君が勝負して、勝った方と勝負するわ」

 

あらま。

 

「分かったわお姉ちゃん。明さんもそれで良いですか?」

 

「あぁ。構わないぜ」

 

「決まりね。…あ、誠司君。明君に更衣室の場所と胴着を」

 

「押忍。明さん此方へ」

 

「あいよ」

 

俺は誠司に連れられて道場から一旦退出した。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

胴着に着替え終わった俺が道場へ戻ってきたら既にめぐみ達は道場の隅へと移動していた。

 

「頑張れ、いおなちゃん!明さん!」

 

「やばやばいよ、ゆうこ!どっちを応援すれば…」

 

「どっちも応援すれば良いんじゃないかしら?」

 

「なるほど!」

 

道場の中央には既にいおなが。

 

「審判はわたしが務めるわ」

 

「お願いします。まりあさん」

 

そして俺はいおなの対面に。

 

「明さん、手加減無用ですからね」

 

「あぁ。全力でいかしてもらうぜ」

 

そして俺等は構え合図を待つ。

 

「始めっ!」

 

いくぜ!

 

………

……

 

おっと!

きかねぇ、なっと!

 

………

……

 

「それまで!勝者、明君!」

 

「ふぃ〜。勝った」

 

「…ま、負けた……」

 

「お疲れ様二人とも!」

 

「すごごごーい!明さんいおなに勝つなんて!」

 

「まぁ鍛えてますから」

 

「お疲れ様いおなちゃん。はい、ハニーキャンディどうぞ」

 

「うぅ…ありがとぅ…ゆうこ。…ガリガリ…あまぁい…」

 

「さて、落ち込んでる所悪いがまりあさんとの勝負は俺がするぜ」

 

「はぁい…分かりましたぁ…」

 

「ふふっ。じゃあ準備してくるわね」

 

そう言ってまりあさんは道場から一旦退出した。

 

「うぅ…何で明さん、あんなに動けるんですか。刀持ってないから勝てると思ったんですが」

 

うぉ、未だにいおなからどんよりオーラが…。

 

「まぁ、刀が使えない時があっても動ける様に徒手空拳、鍛えたからな」

 

懐かしいぜ…。

馴れるまでゆりや明堂院の師範にどんだけボコボコにされたことか……

 

「…そうだったんですか」

 

「だけどやっぱり刀を使うのが殆どだったからな。だからいおなとの勝負、最初は動きづらかったぜ」

 

「でも明さん、途中から動きが良くなりましたよね」

 

「相楽くんも気付いてたのね」

 

「あぁ。ズレが消えた分、動きが冴えていた」

 

流石、空手をやってるだけあるな。

 

「そうなの?誠司」

 

「わたしにはそんな風には見えなかったけど?」

 

めぐみとひめには分からないか。

 

「お腹いっぱいになって全身に力が湧いた感じね」

 

あぁ、やっぱそう解釈づけるのな……

 

「御待たせ明君」

 

お、まりあさんの着替えが終わったか。

 

「いえ、大丈夫です」

 

「そう?それじゃあ早速始めようかしら」

 

「あ、わたしが審判を務めます」

 

「おう、頼むないおな」

 

そして俺とまりあさんは中央へと移動し向かい合った。

 

「互いに悔いの無い様、全力で挑みましょう」

 

「分かりました」

 

そして俺等は構え合図を待つ。

 

「始めっ!」

 

直後、まりあさんが鋭い一撃を放ってきた。

 

「シッ!」

 

「っと…」

 

防ぎはしたが、それでも腕にはダメージが。

 

この速さと重さ、中々手強いぜ。

 

だが、

 

「オラッ!」

 

いおなとの勝負のお陰で体は冴えてるぜ!

 

「ぐっ…さっきも思ったけどまるで獣の一撃ね」

 

「それ誉めてます?」

 

俺等は尚も互いに攻防を続けながら会話した。

 

「得手である刀を使わずにこの動き、中々の物よ」

 

「あ、聞いてたんですか」

 

「明君みたいなタイプとは始めて戦うわ」

 

「まぁ普通でしたら我流には行きませんからね」

 

「でもこの勝負、わたしが勝たしてもらうわ」

 

直後、まりあさんの攻めの鋭さが増してきた。

なら、俺も飛ばしていくぜ!

 

「まりあさんには悪いけど、そう易々と負ける気はありませんからね!」

 

「望むところよ!」

 

その後、俺とまりあさんさんはより激しく攻めぎあった。

 

………

……

 

『…はぁ…はぁ……』

 

「…まだいけるわよね!」

 

「…もちろん!」

 

『ハアァァァァッ!!』

 

………

……

 

そして、

 

「それまで!この勝負、引き分けとする!」

 

引き分けと言う結果を迎えた。

 

「だぁー…勝てなかったか…」

 

「ふふっ、楽しかったわ。また勝負しましょうね」

 

勝負が終わり、俺とまりあさんは互いの健闘を讃え握手した。

 

「明さん、まりあさんお疲れ様です」

 

「二人とも凄すぎ!」

 

「ひめちゃんの言う通り、凄すぎてもうお腹いっぱいですよ」

 

「まさか明さん、お姉ちゃん相手にあんなに渡り合えるなんて……」

 

めぐみ達は目を輝かせながらそう言って近付いてきた。

 

…ん?

 

「リボン、ぐらさん、いたのか。全く気付かなかったぜ」

 

めぐみ達に紛れてリボンとぐらさんがいた。

 

「無理もないですわ。門下生達が帰るまでずっと隠れていたんですの」

 

「お嬢ちゃん達が中々呼びに来ないから来てみたらこのタイミング。まりあと明が勝負してやがったぜ」

 

成程。

 

「それにしても流石は明さんですわ」

 

「あぁ、まりあ相手にあそこまで渡り合えるとはな。やっぱり明は強い漢だぜ。まりあもそう思うだろ?」

 

「えぇ。確かに強いわ。身も、そして心も」

 

「…その辺で勘弁してくれます?何かむず痒くなってきた…」

 

「あ!明さんが照れてる!」

 

「ほほぉう!明さんの意外な素顔が!」

 

「煩い黙れ」

 

「あ、ちょっと顔が赤いですね」

 

………、

 

「明さんて意外とウブ?」

 

「みんなその辺にしておけよ…」

 

「ふふっ、可愛いわね明君」

 

「まりあさんもですか…」

 

何か今日一番のダメージを負った気がする。

 

「明さん、もう一回勝負してください!」

 

「俺もお願いします」

 

「俺もだ」

 

いおな、誠司に続いていつの間にか来ていたファントムからも勝負の申し出が。

 

「ファンファン、来れたのね」

 

「あぁ。思いの外早く終わったからな」

 

「明君、どうする?」

 

「俺は構いませんよ」

 

こうなったらとことんやってやるぜ!

 

そう意気込み俺は好戦的に笑うのだった。

 

 

【終わり】




ハピネスチャージのキャラソン“友達という魔法”誠司が中々のイケボイスでびっくらした。

只でさえ色々良しなのに更に歌良しとか、誠司、完璧!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。