花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「訳あって3日で書き上げ!」

明:「そんでもネタは相変わらず潜んでるけどな」


デリシャスパーティ編

悩んでいるとタイミングを測ったかのように何処からともなく何やらいい匂いが。

 

「この匂いは……米と味噌汁か?」

 

犬よろしく匂いの元を辿ってみるとなんということでしょう、路地の角っこなのに意外な店がおっ建ってやがりました。

 

「へぇ、握り飯と味噌汁の専門店か」

 

こんな場所でものぼりを立てず店を構えるたぁ中々の自信があんだろうな。

 

まぁ、自信だけじゃなく今の俺みたいに匂いに釣られた奴をゲットする狙いもあるかもしれねぇが。

 

「……握り飯と味噌汁、悪くはねぇが腹の空き具合からみてもちっと食いごたえあんのが望ましいとこだな」

 

例えば弁当とか定食とかな。

 

「……あ」

 

このタイミングで何処ぞの想像力がすんげぇ赤い奴よろしくヒラメキーモンが。

 

「ケッケッケ、あそこへ行けば定食だけじゃなくデザートも堪能出来るじゃねぇか」

 

なんなら前行った時に気になってたアレにも挑戦してみるか、どうせ行くのは俺1人だからな。

 

そうして俺は早速駅へと歩き続け、その後駅に着き電車に乗りガタンゴトンと揺られて数十分後、目的地であるにおいしーなタウンに着いた。

 

「さてっと、んじゃま行くとしますな」

 

目指すは定食屋はなごみ亭!

 

「ケッケッケ、ついでに拓海がいたら近況報告聞いとくか」

 

 

………

……

 

 

土産用にどの食いモンにするかも考えといた方が吉だな。

 

食い意……俺の土産を特に楽しみにしてる奴が2人もいるからな、ケッケッケ。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「…おーおー、なんてこった」

 

何度見ても存在感ある招き猫に圧倒されつつもおいしーなタウンにやって来た俺。

 

記憶を頼りに定食屋…なごみ亭を訪れたらまたまたなんということでしょう、入り口に本日臨時休業の張り紙が貼ってあるではありませんか。

 

それに中から何やら機械音が響いてるってことは改修工事の類なんだろうな。

 

「まぁ、無理ならしゃーねぇ。他の店に行くか」

 

ここがやってねぇなら第二候補のあの店に…ん?

 

「………」

 

何やらふと視線を感じたんでそちらを見てみると、なごみ亭の真隣の福あんから出てきた拓海とバッタリエンカウント。

 

目と目が合ったらナントヤラってな。

 

「よぉ、デートか?」

 

「違います!というか会って早々それ聞きます!?」

 

「ケッケッケ、お約束ってモンだから気にするな」

 

まぁ、あまね情報だと最近ようやく一歩進んだらしいがな。

 

茶化してぇ気持ちは大いにあるが俺と違って初々しく進んでもらいてぇもんだぜ。

 

「…ところで、今日は明さん1人だけなんですか?」

 

「おぅ、斯々然々以下省略でな。飯食いに来たらこの有様ってわけだ」

 

「あー……」

 

「んで?拓海はデートじゃなかったらどこへ行くつもりだったんだ?」

 

「俺はこれから昼食いに……あ、よかったら一緒します?」

 

「ん?いいのか?」

 

こりゃ渡りに船ってもんだ。

 

それにこの町に住んでる拓海なら俺よりもいい店をいくつか知ってそうだしな。

 

あ、ここねとらんとあまねの店は抜いてな?

 

なごみ亭同様、その3軒がいい店なのは明さんもとっくに知ってることだからよ。

 

「はい。どうせまだ行く店も決めてなかったんで……それに」

 

「それに?」

 

「勉強や戦士としてのこと、……そ、それに恋愛相談にも乗ってもらいたいので」

 

おーおー、まさか拓海の方からその話しをしてくるとは。

 

こりゃ一歩進んだだけじゃなく他の何かもあったな。

 

「おぅ、大船に乗ったつもりで任せとけ。なんなら次にデートする時のプランも授けてやろうか?」

 

何故なら俺の頭の中にある10万と3000冊の本棚は伊達じゃねぇってな、ケッケッケ。

 

「…参考までにご教授願います」

 

「オーケーオーケー。んじゃま、先ずは腹ごしらえだ。拓海、ガイドよろしく頼むぜ」

 

「うっす。…あ、やっぱりフルーツパーラーには」

 

「もちろん行くに決まってんだろ」

 

「さっすが明さん…まるでニ◯リル様だ……」

 

「なんてこった、人を駄女神様と一緒にすんじゃねぇよ」

 

流石に加護は授けられねぇが、明さんはちゃんと悩めるモンの力になってるっての。

 

「どっちかってぇとフ◯ンリルだろ。俺の凄さは」

 

「あー……明さんってよく狼扱いされてますもんね。納得っす」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜その後〜

ゆい:「こんにちわ〜!…あ!拓海!それに明さんも!」

ここね:「お2人もここの新作のお団子セットを食べに来たんですか?」

らん:「いやいや!明さんは絶対“アレ”を食べに来たんだと思う〜!」

あまね:「成程、“アレか”。フフッ、フルーツパーラー菓彩の店員として勝負です明さん!」

明:「なんてこった、“アレ”ってなんぞや?」


オマケ2

〜翌日の昼休み〜

明:「てなわけで、お土産は無料券でゲットしてきたおいしーなタウン特製ふりかけセットだ。これで飯をたらふく食え食え」

つぼみ:「わぁ!ありがとうございます!」

えりか:「チョイスが渋いけどありがと〜!」

いつき:「フルーツパーラー菓彩の裏メニュー軍艦パフェ……」

ゆり:「ふふふ、明を相手に撃沈してしまったのね」

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