ゆり:「私含め全員完了よ」
明:「オーケー。んじゃま行くとしますか」
ゆい達との件から数日後、俺は約束通りゆり達を連れて再びおいしーなタウン…そんでもってゆい達の元を訪れていた。
が……
「あまねちゃん!お店から材料と道具持ってきたよ!」
「うむ、順次屋台と冷凍ブースに運んでくれ!」
「あまね、一先ず明さん用の衣装が完成したって」
「よし!こちらに届き次第明さんに着てもらおう!」
「あまねん!宣伝用意も完了したよ〜!」
「わかった!それはタイミングを見計らって出すぞ!」
なんということでしょう。
現在俺達は町の(いんや、タウンか)広場にて開催されるフードフェスで出店する屋台の準備をしていた。
「ふふふ、みんな燃えてるわね」
「そりゃまぁあんな事があったからなぁ」
一体全体何故こうなったのか、それは2〜3時間前のことだった。
………
……
…
タウン到着後、少し遅い朝飯を食いにゆいの店に行ったら一同が困り顔だった。
「あー、時間改めた方が良かったか?」
「え?あ!いらっしゃいませ!」
「明さん!それにつぼみさん達も!」
「おぉ〜!みんな勢揃いですな〜!」
「すまない、今席を変えよう」
慌ててテーブルの上にとっ散らかっていた物を片付けるゆい達。
テーブルに案内されつつ、ちらっと見えたが何やら図面やらいくつかの書き込みが……増築か改造でもすんのかねぇ。
「わたしは焼き魚定食屋ですね。えりかはどうします?」
「ん〜、今はお肉の気分だから焼肉定食!」
「あははは、がっつり系だね。僕は……豆腐定食かな」
「私は鯖味噌定食を」
「俺も鯖味噌だな」
「はい!かしこまりました!」
それから程なくして運ばれてきた定食を堪能し、食後の茶で一服してから俺達は先程の件をゆい達に聞いてみることにした。
「屋台メシグランプリか」
「はい!前回はマリーちゃんが焼きそば屋台で参加したんですけど今回はあまねちゃんのお店が参加するんです!」
「へぇ、何の店で出んだ?」
「クレープの店を。……ただ問題があって出店出来るかわからなくなってしまったが……」
「その問題って何かしら?屋台が壊れてしまったとか?」
「いえ、屋台は壊れてないんですが…その……」
「あまねんのお兄さん達がね〜」
「お兄さん達…ということはゆあんさんとみつきさんですね?」
「あー、前に明さんと手合わせして燃え尽きちゃった人達!」
「ケッケッケ、そーいやそんなことあったなぁ」
あまねから俺の事を聞いて是非って頼まれたから応じたんだよなぁ。
まぁ、結果はえりかが言ったように揃って俺に負けて真っ白になっちまったがな。
「もしかしてどこか体を壊したの?」
「あぁ…。張り切り過ぎたのが裏目に出てしまい腰を痛めてしまったんだ……」
「おーおー、なんてこった」
よりによって腰とはお気の毒様だぜ。
「クレープ屋は兄さん達で営業する予定だったから…。それにクレープ作りの心得があるのはこの中だとわたしだけだ……」
「マリ男はどーなんだ?あと拓海も」
「マリーちゃんは今クッキングダムに帰ってて拓海はうちの屋台のお手伝いをすることになってるんです……」
「なーるほど、どうりで揃って姿を見てねぇわけだ」
拓海は兎も角、マリ男なら俺…いんや、つぼみ達見たらテンション上がるしえりかともファッション談義に花咲かせまくるからな。
にしても、こりゃ確かに雁首揃えた悩み顔案件になるわな。
グランプリが数日後ならまだしも開催は今日…なんなら数時間後、仮に辞退したとしてももう仕入れちまった材料の処分で更なる問題が出てもはや負の悪循環状態。
……まぁでもよ、ゆい達はかなりのラッキーガール達だと思うぜ?
「事情はよくわかったわ。ゆい、ここね、らん、あまね。貴女達は大事なことを見逃しているわ」
「「大事なことを…」」
「「見逃してる…?」」
「忘れたのかしら?ここに一人でもスイパラに行く程の筋金入りの甘党騎士様がいることを」
「「「「あっ!」」」」
ケッケッケ、そんなに見つめられたら柄にもなく照れちまうぜ。
「それに明は食べるだけじゃなくて作る方も可能…。ましてやクレープなんてお茶の子さいさいよ。ねぇ明?」
「おう。それにゆい達とは同じ釜の飯を食った仲だからな。俺達4人全員協力してやんよ」
「はい!必要とあらば衣装も用意します!」
「大船に乗ったつもりでどーんと任せるっしゅ!」
「グランプリ開催まではまだ少し時間があるよね?その間に細かい打ち合わせを済ませよう!」
「ふふふ、一気に忙しくなるからゆい達も覚悟しなさい」
「「「「はいっ!」」」」
………
……
…
グランプリがスタートしてからそれなりの時間が経つが俺らのクレープ屋はまだまだ繁盛真っ只中。
突貫工事でテーブル席をいくつか設けたのもあるがやっぱ途中からゆりも作る側に配置して正解だったな。
「明さん!追加のフルーツとクリームです!」
「おぅ、サンキューな」
「ゆりさん!新規注文です!」
「えぇ、任せて」
スタートしてからある程度は俺一人でも捌けたが、らんらんの宣伝効果で地元内外から目の保養目当ての同世代が会場にわんさかご来場。
回転率を上げる為にゆりに隣を任せりゃたちまち美男美少女が作るクレープ屋台の図が出来上がり。
更に言うと実は前々からゆりも俺の影響でクレープを含むスイーツを作るようになってな?
ゆりの性格も相まって手際の良さも俺と同等だから油断してっと惚れ直しちまいそうになるってな、ケッケッケ。
「すいません、トロピカルクレープ1つ下さいな」
「はいは〜い!かしこま……はにゃ〜!?」
「む?どうしたらんんん!?」
「おいおい、らんもあまねもどーした」
何やら揃って驚いてるんで気になってそっちを見れば、多少控えめだがそれでも立派なドレスを着たゆいがい……いんや、確かに似てるがゆいじゃねぇ。
そも、今ゆいはここねやつぼみ達と一緒にテーブルサイドの接客をしてるからな。
「ふふふ、サプライズ大成功です♪」
「…その様子だとらん達とは顔見知りの仲みてぇだな」
「はい♪以前彼女達にお世話になりました♪」
……なーるほど、てことはこの子が前に言ってたイースキ島の王女さんってわけか。
「見たところお忍びって感じだが積もる話は後ってことで構わねぇか?」
「はい♪それで構いませんわ♪」
「よーし。んじゃま……」
空いてるテーブルは……ケッケッケ、明さん悪いこと閃いたぜ。
「出来上がったららんに持ってかせるからよ、あまねと一緒に向こうのテーブルで待っててくれや」
「向こう……あらあら♪わかりました♪」
おーおー、すぐさま意図に気づくたぁこの王女さんもいい性格していらっしゃるな。
「てことであまね、エスコート頼んだぜ」
「し、承知した!さ、さぁ、王女様…!」
「ふふふ♪今はマイラで構いませんわ♪」
柄にもなく緊張してる様子のあまねを見続けんのも面白いが……今はお仕事お仕事っと。
「ゆり、トロピカルは俺がやるからそっちはピーチとベリーは頼めるか?」
「いいわよ。その代わりにトロピカルが終わったらパインとパッションをお願いね♪」
「おう、任せとけ」
んじゃま、引き続き……
「飛ばしていきますか!」
「本気…見せるわよ!」
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
マイラ:「あらあら♪貴方様が……。……ふふふ♪」
拓海:「な、なんですか……?」
明:「ケッケッケ、こりゃゆい達からなんか聞いてる感じだな」
オマケ2
〜グランプリ終了後〜
ゆあん:「本当に!今日は助かった!!」
明:「なんてこった、そこまで大袈裟に言わなくても」
みつき:「いやいやー…今回は僕達の…フルーツパーラーKASAIとしての面子もかかってた事だからねー……」
あまね:「フルーツパーラーKASAI一同、明さんに心からの感謝を……」
明:「おぉーう…。まぁ、次来た時に3人の自慢のスイーツをご馳走してくれれば俺はそれでいいぜ」
3人:『明(君、さん)……!』
ゆり:「ふふふ、明は相変わらず素直に感謝されるのが苦手ね」