ゆり:「いらっしゃい。丁度クッキー焼いてたところよ」
行き先を決める前に公園でちと小休止。
缶コーヒーお供にぼけっとしてたら何やらいい香りが漂ってくるじゃねぇか。
「この香りは……パンか?」
しかも焼き立て+バターの香りっつー凶悪な2コンボ仕様のな。
「あー、確か朝の朝刊にパン屋のチラシが入ってたな」
よく見てなかったがちょいとしたイベントの告知だった筈だ。
「……パンか」
これまで何度か自家製のを作ってっが中々理想の仕上がりになんねぇんだよなぁ。
その流れでダークもパン作りに火が点いてフランスパンとベーコンエピを極めようと独自にアレコレしてるしよ。
「……そーいや最近食った手作りパンの中でアレがかなり美味かったな」
作り手の名前と一緒で白くてふわふわもちもち、そんでもって優しいお味……
「……折角の機会だからレシピを貰うのもアリか」
んでマスターすれば俺のレパートリーも増えるし新たな味のパンも作れるようになるかもしれねぇもんな。
「よし、そうとなりゃ善は急げだぜ」
そうして俺は早速駅へと歩き続け、その後駅に着き電車に乗りガタンゴトンと揺られて数十分後、目的地であるソラシド市に着いた。
「さてっと、んじゃま行くとしますな」
目指すは虹ヶ丘家!
「……事が事だから流石に何か手土産用意すっか」
………
……
…
そーいや、アイツはもう赤ん坊じゃねぇって言ってたな。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
到着早々ショッピングモールで手土産を物色していたらなんということでしょう。
偶然立ち寄った紅茶専門店に見知った奴がおりましたとさ。
「うーん…どの味が合うかな〜……って、せいね〜ん(青年)!」
そ、プリキュアオールスターズの中で唯一俺のことをそう呼ぶ聖さん家のあげはさんがな。
てか、俺とほぼ変わんねぇくせにまだ青年呼び続けんのな。
「よぉ、暫くぶりだな」
「だね〜!見たところ1人っぽいけど……もしかして私達に会いに来たとか?」
「達って言うよりはましろに会いにってのが正解だな」
「ましろんに?」
「おう、実は……」
カチカチツルツルピキピキドカンならぬ斯々然々以下省略。
今後はあげはみたいにタブレット紙芝居すんのもアリかもな、ケッケッケ。
「あっはは!青年もタイミング良い時に来たね〜」
「ん?そーなのか?」
「そーそー!丁度ましろん家でくもパン祭りをすることになっててさ、私が買い出し担当になってるってわけ」
「なーるほど、だからここにいたのか」
パンと紅茶は相性抜群だし、紅茶の香りで場の香りも華やかになるって薫子さんも前に言ってたもんな。
「そーゆーこと!あ、よかったら青年も来て一緒にくもパン祭りしようよ!その方がもっとアゲアゲになるからさ!」
「おーおー、そりゃ素敵なお誘いだな。是非とも参加させてもらうぜ」
そうすりゃレシピだけじゃなくて作ってるところも見れてより上達が早まるからな、願ったり叶ったりたぜ。
「オッケー!それじゃあもうちょっと買い出ししないとだから青年にも協力してもらうよ!」
「おう、荷物持ちには慣れてるし目利きにも自信あっから任せとけ」
伊達にゆりやももかそんでもってダークと買い物してきてねぇし、一昨日もダークと一緒にスーパーの特売戦争に挑んで中々の戦果を上げたばかりだからな。
「さっすが青年!それじゃあ早速だけど紅茶はどれにしたらいいと思う?あ、この中にお気に入りのがあったらそれでもオッケーだから!」
「ん、どらどら……」
リフナ、ニルギリ、ディンブラ、ウバ……って
「シルバーニードルズ…だと……!」
俺がよく行く希望ヶ花の専門店でも多くて2〜3個、しかも棚に置いてねぇ方が多い茶葉じゃねぇか……おそるべしソラシド市……
「個数良し、値段良し、他の茶葉も……良し。とりあえず、この店での買い物はこれでいいな」
手早く会計も済ませついでに店主にニードルズの事を聞き込み。
なーるほど、ニードルズに関してはこっちで買う方がお得だな。
「お待っとさん。次はどこ行くんだ?」
「次はましろんに頼まれた物だから……2階だね!」
「あ、全員から何かしら頼まれてんのな」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
その後、全員分の頼まれ事も無事に終えた俺らはあげはが運転する車(確かピヨちゃんって言ってたな)に乗ってご帰宅中だ。
「…やっぱこーゆー時に足(車)があると便利だな」
普段する買い物は徒歩で帰る前提の量しか買わねぇから、今回みてぇに持ちきれなく程の買い込みは新鮮っちゃ新鮮だぜ。
「でしょでしょ?青年も1年経ったら乗れる歳なんだし早めに候補を決めといた方がいいじゃない?あ、因みに言うとこのピヨちゃんは一目惚れで選んじゃった!」
「へぇ、それで買ったと?」
「そ!前に話したかもだけど私も一時期モデル仕事やってたからその時に貯めてお金とモデル仕事とは別でやってたバイトで貯めたお金でね!」
「なーるほど」
出会って早々に知ったがあげはってほんとバイタリティーすんげぇ奴だよなぁ。
チームの最年長としてのアレコレだけじゃなく自身の夢にも真正面にぶつかり合ってよ……
「……そりゃ確かにイケてるお姉さんだな」
「お、何々?青年も漸く私のことを“お姉さん”って慕う気になっちゃった? 呼んじゃう?“あげはお姉さん”って呼んじゃう〜?」
「まさか。絶対に呼ばねぇよ」
「えぇ〜!青年ってばひど〜い!」
「酷かねぇ酷かねぇ。俺のことを青年って呼ぶのを止めたら呼んでやるかもな」
そも、まりあさんと違って一度呼んだらその後も何かとお姉さんムーブしてきそうな気がするからな。
確かに年齢的にはお姉さんだが、俺的にあげははそうじゃねぇんだわ。
「ぶ〜ぶ〜!青年の意地悪〜!」
「おう、よく言われるぜ」
なんなら昨日言われたばっかだな。
いやー、あまりの悲しさに明さん思い出し泣きしちまいそーだぜ。
「むぅ〜…私の方がお姉さんなのに〜……」
「大人しく諦めろ。…ところで話し変わるんだけどよ」
「…う〜何々?」
「その三つ編みヘアー、新鮮味があって中々似合ってんぞ」
実はコレ、専門店で会った時から思ってたこと。
ゆり達にも言えることだが、普段見慣れてるヘアースタイルから変わるだけで印象もガラリと変わるのって中々面白いモンだよな。
「っ!?そ、そうゆうことって最初に言うとお姉さん思うんだけど!?」
「ケッケッケ、揺らぐな揺らぐな。アゲアゲでイケてるお姉さんが崩れるぞー」
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
ソラ:「お帰りなさいあげはさん!それに明さんも!」
ましろ:「お話はあげはちゃんから電話で聞きました。くもパンのレシピ、いくつかご用意してあります!」
ツバサ:「結構買い込みましたね…あ、僕も持ちますよ!」
あげは:「ありがと少年♪」
エル:「ご機嫌よう明さん。今日は是非楽しんでいってください♪」
明:「おーう、よろしく頼むぜ」
オマケ2
〜次の日の昼〜
明:「てな訳で昨晩から作ったくもパンがコチラだぜ」
つぼみ:「もうお作りになられたんですか!?」
えりか:「さっすが明兄!それじゃあいっただっきま〜す!」
いつき:「あはは、まっしぐらでかぶりついたね」
ゆり:「ねぇ明、私にもレシピ貰えるかしら?」