花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「…つばめです。近所のブックオフに行ったら魔法プリのDVDが奇跡の魔法とキュアモフルン込みで全巻が売られていたとです。喜んで良いのか悪いのか正直複雑な心境とです……」

明:「…なんてこった」

ゆり:「…懐かしいわね」


〜発散〜

とある日の休日、俺は修練の場でムーンライトの欲求の捌け口(ドンパチ相手)になっていたんだが……

 

「…ふふ…ふふふ……」

 

「おーい、ムーンライトさーん?」

 

今回は俺も素手で応戦し、やり始めてから体感で一時間くらいが経過した時からムーンライトが壊れちまいやがった。

 

「…ふふ…ふふふ……」

 

「なんてこった……」

 

一応心配になって話し掛けてもご覧の通り、俺を見ながら笑ってるだけでなんも応えてきやがらねぇ。

 

しかも今のムーンライトのその姿があまりにも不気味なもんだから最初は応援(或いはヤジ飛ばし)していたミラージュ達も怯えて殆んど引っ込んじまいやがった。

 

唯一この場に残ってんのは……

 

「ナイト!今がチャンスよ!」

 

「そうだぜ表の俺!とっととトドメさしちまえ!」

 

ムーンライトミラージュとナイトミラージュぐらいだ。

 

って、俺らかい……

 

「…お前らは引っ込まないんだな」

 

「えぇ、こんな面白い勝負を見逃すわけにいかないもの」

 

「だな」

 

「…さいで」

 

俺が言うのも難だがここは敢えて言わせてもらおう。

 

「…この戦闘狂共め」

 

「フフフ、たとえ影でも私達は貴方達。本質的な所は何も変わらないわ」

 

「そうゆう事だ。…それよりも表の俺、」

 

「んだよ」

 

「後ろ後ろー」

 

「あ?後ろ……うぉ!?」

 

何処か懐かしい言い方をしたナイトミラージュの言う通りに後ろを見るとムーンライトが俺に迫って来ていた。

 

「勝負中に余所見するなんて随分余裕なのね!」

 

「「ガンバれガンバれナーイートー!」」

 

「うっせぞテメェら!」

 

「ハアァァァァッ!」

 

「ちぃ!」

 

雄叫びを挙げながら怒濤の連続突きを繰り出すムーンライト。

 

それに対抗して俺も反撃の一撃を繰り出す。

 

そこからは互いに一進一退の攻防が続いた。

 

「ハアァァァァッ!!」

 

「オオォォォォッ!!」

 

横一文字……止めた。

 

右から掌底……止められる。

 

蹴りのフェイントを入れて正拳突き……止める。

 

真空踵落とし……膝を折りつつも止めきる。

 

前蹴り……後ろへ跳んで躱す。

 

続いて神速の突き……内側から拳を払って逸らす。

 

回転した勢いの裏拳……また止めた。

 

今度は脇腹狙っての蹴り……腕を盾にして止めた。

 

殴る、防ぐ、突き、躱し、蹴り、受け、払い、弾き、連撃、流す、返す、利用する、止める……

 

「フフフ、本当に楽しそうに戦う二人だわ」

 

「あぁ、見てるだけでも血が滾ってくるぜ!」

 

止める、殴る、受け流す……

 

一瞬たりとも止む事のない互いの連撃。

 

蹴る、躱す、突く……

 

「ハアァァァァッ!!」

 

殴る、流す、利用する……

 

「…速く、もっと速く」

 

ムーンライトには悪いが俺の頭ん中で、勝負の事はどうでもよくなっていた。

 

ただ、全身全霊でこの瞬間を楽しむ。

 

その為に、速く…もっと速く……

 

突く、弾く、止める、蹴る、利用する……

 

「オオォォォォッ!!」

 

永遠に続くかと思ったこの勝負だが、遂に決着をがつける時が来た。

 

「オラァ!」

 

「っう……」

 

鎧通しの要領で防御の上からお構いなしに放った掌底の威力にムーンライトが一瞬だが動きを止めた。

 

「もらったぜ!」

 

その瞬間を逃す程甘くない俺は更にムーンライトの懐に入り残る力の全てを左手に込め、そして……

 

「戦迅狼破!!」

 

狼の形をした衝撃波を放った。

 

「つぅ…あぁ!?」

 

ムーンライトは耐え様としたが流石にゼロ距離からの攻撃には為す術もなく吹き飛ばされそのまま倒れた。

 

「…ふぃ〜、勝ったぜ」

 

「フフフ、流石はナイトね」

 

「ぶっつけ本番でやるなんて相変わらず無茶な奴だな」

 

「まぁーな。…おーい、大丈夫かー?」

 

一応心配になって寄ってみるがムーンライトは倒れたまま起き上がろうとしなかった。

 

「…大丈夫じゃないわよ。まったく身体を動かせないわ……」

 

「そりゃあゼロ距離でモロに食らったからな」

 

「…初めて見た技だったけど、いつの間にあんな技を覚えたのよ」

 

「この間菖から教えてもらった。確か名前は“獅子戦吼”って言ってたな」

 

「…気のせいかしら?私には狼に見えたし、名前も違かったわよ?

 

「そりゃあ俺流にアレンジしたからだ」

 

「…アレンジ?」

 

「あぁ、菖はその技を教わった時に“最も身近な強い動物をイメージしろ”って言われたんだと」

 

「…成程、ナイトはそれが狼だったのね」

 

「あぁ、今まで散々言われてきたからな」

 

「…名前はナイトが考えたのかしら?」

 

「中々良い感じだろ?」

 

「…そうね。…ふふふ、本当にナイトは」

 

「無茶苦茶な奴てか?」

 

「…えぇ、まったくもってその通りだわ」

 

そう言いながらムーンライトは笑い出したんだが、ボロボロの姿で地面に倒れたまま無邪気に笑う姿ってなんつーかグッとくるもんがあるな。

 

「…ふふ、ふふふふふ……」

 

「楽しそうだな」

 

「…えぇ、今日は本当に楽しかったわ。ナイトの言葉を借りるなら“楽し過ぎて狂っちまいそう”だわ」

 

…実際に今日のムーンライトは狂っちまってたけどな。

 

「…ナイト、今日はありがとう。お蔭で楽しかったわ」

 

「気にすんな。俺も楽しかったからよ」

 

「…ふふ、次やる時はあの技を破ってみせるわ」

 

「そうか。…因みに戦迅狼破は一日一回、しかもブレイドナイトに変身した時しか使えねぇ技だ」

 

だが菖は生身で獅子戦吼を放てるらしいんだよな。

 

いったい何故なんだ?

 

あれか、特別な修行または一子相伝の奥義的なもんか?

 

なら仕方ねぇな。

 

「…ふふふ、わざわざ技の弱点を教えてくれるなんて随分と優しいのね」

 

「紳士だからな」

 

頭に括弧書きで“狂った”が付くけどな。

 

「…そう、それなら紳士様、一つ頼み事をしても良いかしら?」

 

「ん?」

 

「…まだ動けないから私を外へ運んでくれないかしら?」

 

「良いぜ。んじゃま早速……」

 

「…きゃ!?」

 

おーおー、随分と可愛いらしい声を出すじゃねぇか。

 

「あらあら、あの場面で迷わずお姫様抱っこを選ぶなんて流石は貴方の表ね♪」

 

「ひゅーうひゅーう♪」

 

「って、なんで口で言うのかしら?」

 

「口笛が吹けねぇんだよ」

 

「嘘ね」

 

「何故バレた」

 

「バレバレよ」

 

「なんてこった……」

 

………、

 

ほんと、この二人は随分とテンションが高いな。

 

しかもまた漫才みたいなやり取りをし始めやがった。

 

もうこれ以上相手すんのは面倒だから放っておいても良いよな?

 

てか、ナイトミラージュを見てわかったが普段の俺ってあんな感じなんだな。

 

「…ナイト」

 

「ん?」

 

「…少し寝ても良いかしら?」

 

「あぁ、着いたら起こしてやるよ」

 

「…ありがとう」

 

「気にすんな」

 

「………」

 

「………」

 

「…ねぇ、ナイト」

 

「ん?」

 

「…ううん、なんでもないわ。お休みなさい」

 

「あぁ、お休み。ゆっくり休めよお姫様?」

 

「……ばか」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜その後のゆり(自室にて)〜

ゆり:「…ん……んんっ……」

【ゆりへ、ちょっと散歩しに行ってます。コロンより】

ゆり:「…あき……んんっ………あきぃ……」


オマケ2

〜その後の戦闘狂〜

ムーンライト影:「…フフフ♪表の私?またベットから落ちるわよ?」

ナイト影:「ん?どうかしたか?」

ムーンライト影:「いいえ、なんでもないわ。さぁ、始めましょう♪」

ナイト影:「あぁ、さっきの勝負のせいで身体が疼いて仕方ねぇぜ」

ムーンライト影:「フフフ♪戦闘狂ね」

ナイト影:「お互いにな?」

ムーンライト影:「………」

ナイト影:「………」

ムーンライト影:「ハアッ!!」

ナイト影:「オラァ!!」
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