ゆり:「気になる人は調べてみてね」
明:「さぁ、検索を始めよう。キーワードは?」
ゆり:「“月影ゆり”“来海ももか”“ももゆり”“霧生満”“PANPAKAPAN”“リアルモーゼ”よ」
明:「面白い、ゾクゾクするねぇ」
とある日の昼休み、珍しく朝寝坊して弁当を用意出来なかった俺と、自身の仕事は無かったが家の仕事が忙しく弁当を用意する時間がなかったさくらさんからお金を渡されたんで登校中に買おうと思っていたが、俺やゆりと話している内にその事を忘れてしまい結局飯を買い損ねてしまったなんともまぁ、おっちょこちょいなももかと一緒に高等部の購買に来ていた。
なんてこった、説明が長過ぎるぜ。
「♪〜♪〜♪〜」
そしてももかのパン選びも長い。
俺は購買に来て早々に適当に選んだパン5〜6個と苺牛乳を買ったがももかは未だに何を買うか悩んでやがる。
「ジャムパン〜コッペパン〜ミルクパン〜どれにいたしますか〜♪」
「見事にパンオンリーの歌だな」
「なんとなく今はパンを食べたい気分なの〜」
「成程な」
だが、無理もねぇか。
中等部の頃からそうだが明堂院学園の購買はオーソドックスなの以外にもバラエティー豊かな食いもんが売られているからまさに選り取り見取り、あっちこっち目移りしちまうってわけだ。
そういえば今気づいたんだが、“選り取り見取り”って言葉だけ聞いたら緑色の一種みたいな感じがするよな?
選り取り見取り(緑)、黄緑、深緑ってな?
「…クックック……」
我ながらなんともまぁ、くだらねぇぜ。
「およ?明君どうした〜」
っと、顔に出てたか。
「ちょっと思い出し笑いをな。…それで?目当てのもんは買えたのか?」
「ん〜、それなんだけどね、ちょっと明君にも選んでほしいの」
「ん?どれどれ……」
「えっとねぇ……」
―…ざわ…ざわ……―
「…ん?」
今何か聞こえた様な気が……
「それでね〜……」
―…み…に……!―
―…ぇ!…す…ん……!―
―…く……フフ……!―
何やら周りの奴らが言ってやがるな。
どれ、ちょっと意識を集中して……
―…クソッ!御剣が横に……!―
―…どけぇぇー…もう少しで見えんだからよ……!―
―…来海さんの太もも、そして……フフフ……―
「………」
どうやら奴らの狙いはももかみてぇだな。
だが、太ももとは……?
「ん〜、どれが良いかな〜?」 (ぐぐぐっ……
―…おぉっ!?……―
「……そう言う事か」
今のももかの姿勢は中腰、そしてその状態から更に前のめりになってっからスカートが……。
成程、通りで普段はスパルタ人(ベルセルクでも可)と化している奴らが大人しかったのはその為だったのか。
―…おぉ〜!もう少し……!―
まったく、お前達のその気持ちはわからなくもねぇが……
―…あぁ〜〜……!!―
これ以上はご遠慮願おうか。
「ねぇ、明君はどっちが良いと思う?」
「ん?…あぁ、今ももかが右手に持ってる方」
「それじゃあこれで決定〜!…って、なんで私の後ろにいるの?」
「ちょっとしたバリケードみたいなもんだ」
「バリケード?」
そ、チラリ防止のバリケード。
オマケに睨みつけて奴らを威嚇。
下手な事したらただじゃ済まさねぇからな。
「……あ、」
なんてこった、どうやらももかもバリケードの意味に気づいちまったか。
「明君……」
「そんな事より速いとこ会計して教室に戻ろうぜ?これ以上時間を掛けるとゆり達に申し訳ねぇからな」
「うん。ありがとう明君……」
「ん、気にすんな」
さて、これでどうにか危機は去ったがこれは結構厄介だな。
戻ったらゆり達に言っておいた方が良さそうだな。
「…やっぱり明君って……」
「ん?俺がどうかしたか?」
「…ううん、なんでもない!さぁ早く戻りましょ♪」
そう言ってももかは俺の手を掴み走り出した。
「それ〜♪」
「ちょ、まっ、走りづれぇから引っ張んなっつーの」
「えへへ〜♪」
おーおー、こりゃまた随分と満面の笑みでらっしゃるぜ。
「あーき君♪」
「ん?」
「ううん♪呼んだだけー♪」
「へーへー、そうかい」
「えへへ〜♪」
【終わり】
オマケ
〜その後・教室にて〜
明:「と言うわけで、今後購買に一人で行く時は周り…特に背後に注意してくれ。後、中腰や前のめりもな?」
ゆり:「えぇ、わかったわ」
瑠璃:「ラジャー!」
萌香:「了解だ」
菖:「…購買に行くだけなのにこんなに厳重になるなんてね」
月音:「…女の子は大変だね」
ももか:「〜♪〜♪〜♪」 (はぐはぐ、もぐもぐ……