花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「祝!200話目!」

明:「ここまで続けられたのもみんなの応援があってこそだ。みんな、応援サンキューな」

ゆり:「私達のドタバタ劇はまだまだ続いて行くわ。みんな、これからも応援してね」

全員:『よろしくお願いしまーす!』


〜再会〜

とある日の休日、俺とゆりはコロンから“二人に会わせたい子がいる”と言われ、お馴染みのプリキュアパレスは修練の場に来ていた。

 

てか、ここ(修練の場)は多目的ホールかっつーの。

 

「お、来たなお前ら」

 

「よぉ、裏俺。わざわざお出迎えか?」

 

「まぁな。どうだ?嬉しいだろ?」

 

「あぁ、軽口を叩いてねぇと涙が出てきちまいそうだぜ」

 

「へぇ、涙が出るのか?」

 

「いんや、言ってみただけだ」

 

「ハッ、相変わらずよく回る口してやがるぜ」

 

「フッ、そうゆうお前もな」

 

「ちげぇねえ」

 

「「ハッハッハッハ!」」

 

打ち合わせしてなくてもこの息の合いっぷりは流石は俺の影と言ったところだな。自分の影ながら惚れ惚れするぜ。

 

「ハハ、この二人が揃うとよりいっそう賑やかになるね」

 

「…私はなんだか頭が痛いわ。帰っても良いかしら?」

 

「そいつは困るな。裏俺は兎も角、ゆりは絶対にいてもらわねぇとな」

 

「それならふざけてないで早く用件を言いなさい」

 

「へいへい。んじゃまお二人さん、そろそろ出てきてくれ」

 

裏俺がそう言った直後、裏俺の背後の空間からムーンライトミラージュとダークプリキュアが現れた。

 

「うそ……」

 

あ、でも翼が無ぇ。結構好きだったんだけどなあの翼……

 

「フフフ♪やっぱり驚いているわね♪」

 

「…ブレイドナイトはそうでもなさそうだがな」

 

何故か残念そうな顔でダークプリキュアは俺を見た。…若干性格が変わったか?

 

「一応、これでも結構驚いてるんだがな……」

 

今までの濃い経験のせいで動揺が顔に出なくなっちまったぜ。

 

「そうなのか?」

 

「あぁ」

 

だがお蔭でドンパチ中に感情を読み取られずに済むからありがたいんだけどな。

 

「フフフ、私の言った通りでしょ?」

 

「あぁ。だが、本命であるキュアムーンライトの驚く顔が見れたから良しとしよう」

 

そう言ってふんす、と胸を張るダークプリキュア。

 

やっぱり性格が変わってやがる。

 

「そんな事よりもどうしてダークプリキュアがここに……!?」

 

「お、やっと復活したか」

 

このままゆりが復活しなかったらダークプリキュアやムーンライトミラージュと話を進めなきゃいかんのか心配だったぜ。

 

そして珍しく慌てふためくゆりも中々だな。

 

「ふむ、やはり気になるか」

 

「えぇ、話してもらえるかしら?」

 

「あぁ。それが目的でお前達を呼んだのだからな」

 

そうしてダークプリキュアはこほんと咳払いし、静かに話し始めた。

 

「あれは私が消滅した後の事だった――」

 

 

………

……

 

 

「――と言うわけだ」

 

「なんてこった……」

 

なんとなくそんな気がしていたが、まさか本当に心の大樹があの時消滅したダークプリキュアの粒子を吸収し、かつての俺にしたようにダークプリキュアを回復していたなんてな。

 

ただでさえ自分があんな状態だったってのに流石は母なる心の大樹って言ったところだな。

 

「そう…貴女も心の大樹に助けられたのね」

 

「あぁ。ブレイドナイトとは違い私は肉体が崩壊していたからな。回復するのにだいぶ時間が掛かってしまった。…まぁそのお蔭で私なりに気持ちの整理がついたがな」

 

最後にそう締め括ったダークプリキュアの顔はあの時と同じ様に穏やかだった。

 

「それで性格が柔らかくなったのかしら?」

 

「それもあるが、もしかしたら前に助けたブレイドナイトの心が心の大樹の中に残っていてそれが回復中の私の心と混ざったのかもしれないな」

 

「…明、少し話があるわ」

 

「おーおー、ゆりさんってば恐いねぇ」

 

 

こりゃ早くもダークプリキュアにたいして姉バカ化が来たな。

 

「フッ、安心しろキュアムーンライト。ただの冗談だ」

 

「…そうなの?」

 

「あぁ。お前が良い反応をするからからかってみただけだ」

 

「…そ、そう」

 

「ハッハッハ、こりゃダークプリキュアに一本取られちまったな?」

 

「……ぷい」 (つーん

 

「フッ、見かけによらず中々可愛い反応をするな。これならブレイドナイトがキュアムーンライトを弄るのにも納得出来る」

 

「だろ?いや〜本当に可愛い奴だぜ」 (なでなで、なでなで……

 

「っ〜〜〜!?」 (ぼんっ!

 

 

「おーおー、表俺ってば本当にドSだな」 (ぼそっ

 

「ドSな明と――な表の私、フフフ♪まさに最高の組み合わせ(ベストマッチ)ね♪」 (ぼそっ

 

「なーんか言ったかー?」

 

「「なんにも言ってませーん」」

 

「だよなー」

 

まぁ、仮に何か言ってても無視すっけどな。

 

「…あ…あき……」

 

「ん?…あ、悪い悪い。撫で過ぎたな」

 

「……あっ」

 

撫でるのを止めたらゆりが残念そうな顔をしやがった。

 

「ん?どうしたゆり?もっと撫でて欲しかったのか?」

 

「っ!?バ、バカ!そんなわけないでしょ!?」

 

「へーへー、そりゃ悪かったな」

 

顔を真っ赤にしながら言われるともう一回ぐらい弄りてぇが、そうすると話が先に進まねぇからな。今回はこれでおしまいだ。

 

「……あ」

 

「欲しかったんだな」 (ぼそっ

 

「欲しかったのね♪」 (ぼそっ

 

そこの二人、蒸し返すなっつーの。

 

「…お前達はいつもこうなのか?」

 

「いんや、今回が酷いだけだ」

 

「そうなのか……」

 

若干引いている様だが、慣れれば(嫌でも)笑って流せる様になるからダークプリキュアにはそれまでの間は是非とも頑張ってもらいたいぜ。

 

ん?俺がゆりを弄るのを止めれば良いのではだって?残念、そりゃ無理だ。理由は……察してくれや。

 

まぁ、そんな事よりも……

 

「ダークプリキュア」

 

「なんだ?」

 

「さっき、“お蔭で気持ちの整理がついた”って言ったよな?」

 

「あぁ、もうお前達と争う気はない」

 

「なら、これからはお互いに手を取り合って歩いて行けるって事だよな?」

 

そう言いながらほれ、と手を差し出すとダークプリキュアは驚いていたが、次第に笑いながらしっかりと俺の手を握ってきた。

 

「まったく、お前という奴は……」

 

「まぁそう言うなって。…これからよろしくなダークプリキュア」

 

「ダークでいい。私はもうプリキュア(キュアムーンライト)の影ではないからな」

 

それでも“ダーク”を残すのは、やっぱり父親(英明さん)から貰った名前だからなんだろうな。

 

「そうかい。なら…ってのも変かもしれねぇが、俺の事もブレイドナイトじゃなく明って呼んでくれ」

 

「あぁ、よろしくな明」

 

「おう。んじゃま、お次はゆりの番だな」

 

「えぇ」

 

お節介かもじゃねぇが、この姉妹にはあの時果たせなかった分、特に手を取り合ってもらいたいぜ。

 

「改めて初めましてダーク。私の事も明と同じ様にゆりって呼んで」

 

「あぁ、よろしくなゆり」

 

「えぇ、よろしくねダーク」

 

自分でやらせておいてなんだが、まさかゆりとダークが笑顔で手を握り合う光景をこの目にする事が出来るとはな。心の大樹も中々粋な事をしてくれやがるぜ。

 

「で?これからどうする?ダークと一緒にドンパチでもするか?」

 

「却下。それよりも私はもっとダークと話がしたいわ」

 

「私もだ。無論ゆりだけじゃなく明、お前とも話をしたい」

 

「おーおー、嬉しい事を言ってくれるねえ。それならこっからはパレスのテラスで話し合うとするか」

 

こんな殺風景な場所よりもテラスの方が話も弾むってもんだ。

 

「私は構わないけど、ダークはここ(修練の場)から出られるのかしら?」

 

「あぁ、私はミラージュ達とは違うからな。パレスの中までなら出る事が出来る」

 

「そりゃ良かった。てなわけで裏俺、ムーンライトミラージュ、俺達は行くぜ?」

 

「あいよ。楽しんでこい」

 

「ダーク、明達が帰ったら次は私達とお喋りしましょ?」

 

「あぁ、わかった」

 

「んじゃま、行こうぜ二人共」

 

「えぇ」

 

「あぁ」

 

さっきも似た様な事を言ったが、まさかダークと一緒に話し合う(笑い合う)日が来るとはな。

 

こんなのは俺らしくはねぇが、今日は良い夢が見られそうだぜ。

 

 

【終わり】




オマケ

〜その後〜

明:「そういえばダーク、翼はどうしたんだ?まさか捨てたのか?」

ダーク:「いいや?邪魔だから消しているだけで出す事は可能だ」 (バサッ!

明:「そりゃ良かった。あの黒翼は無くすには惜しいからな」 (ニヤリ

ダーク:「あぁ、私の自慢の黒翼だ」 (ニヤリ

ゆり:「…やっぱり明の心が入ってるんじゃないかしら?」

明、ダーク:『なんてこった』

ゆり:「…泣けるわ」

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