明:「つっても、オリジナルとは設定が多少違うけどな」
ゆり:「ふふふ、誰が出るのか楽しみね♪」
とある日の昼休み、俺達は各々の弁当のおかず交換をしたりしながら今日の朝、瑠璃に起こしたある事で盛り上がっていた。
「いや〜それにしても朝のルリルリは凄かったよね〜」
「うん。中々の爆走っぷりだったもんね」
「あの勢いのせいで周りの人達が吹き飛ばされないか心配だったよ」
「フッ、一瞬だが瑠璃の姿がコンボイに見えたな」
「ふふふ、私もよ」
「今ここに、瑠璃の新しい渾名が誕生した!」
まぁ、萌香や俺は半分弄りながらだけどな。
「うぅ〜…だって今日は寝坊しちゃったんだもん……」
「およ?昨日は夜更かししたの?」
「うん。久し振りにお兄ちゃんが帰ってきたから嬉しくてつい、話し込んじゃってね〜」
「へぇ、龍星さん帰ってきたのか」
「うん!昨日の夕方にね!」
確か龍星さんと最後に会ったのは去年だったか?
龍星さんが何かしらの任務で海外に行くって瑠璃から聞いたから最後に一本勝負をお願いしたんだよなー。
まぁ、結果は相打ちで引き分けだったけどな。
…あ、そういえば説明し忘れてた。
龍星さんってのは名前からわかる通り瑠璃の兄さんで、“K−1の元世界王者にしてバリバリの現役自衛官”っつー、ある意味俺以上にハイスペックの持ち主だ。
「でも、お兄ちゃんったら久し振りに帰ってくるなりいきなり抱き着いて“瑠璃成分補充〜!”って言うんだよ?もっと他に言う事があると思わない?」
「あはは……」
後、龍星さんはかなりのシスコンだ。
以前瑠璃の魅力について聞いたら一時間以上説明された時は珍しく冷や汗をかいたぜ。
「久し振りに会えて嬉しいのは充分わかるけど、お兄ちゃんもいい年だし私ももう高校生だから恥ずかしいんだよね〜……」
「良いじゃないか。それだけ龍星さんが瑠璃の事を大切に思ってる証拠だろ?」
「うぅ〜…それはそうだけど〜……」
「フフフ、私もそうだが兄や姉はいくつになっても弟や妹が可愛いくて仕方ないんだ」
「そういえば萌香は心愛の事が」
「あぁ、大好きだ」
「だよなー」
「僕も心愛ちゃんの事が大好きだよ」
「…月音には聞いてねぇっつーの」
一応説明…つっても龍星さんの時と同じにパターンだが、心愛ってのは俺らの一個下の後輩で萌香の妹だ。
低身長とツインテールが揃った“THE 妹”な心愛は姉である萌香と萌香の彼氏である月音の事が大好きな子で、三人で仲良く登下校してる姿は周りから“親子”と呼ばれてたり呼ばれてなかったりする。
因みに心愛は初見で俺を恐がらなかった数少ない奴の一人だ。
「むぅ、ならば月音は私の事は大好きじゃないのか?」
「ははは、勿論萌香さんの事は大好き…いや、愛しているよ」
「フフフ、私も月音の事を愛しているぞ」
はい、ミュージックスタート。
ダバダバダ〜♪
「萌香さん……」
「月音……」
「萌香さん……」
「月音……」
「萌香さん……」
「月音……」
「…また始めたわね」
「…どうする明君?」
「んなの、無視するに決まってんだろ」
それにどうせ見つめ合うだけでそっから先には進まねぇんだから放っておいても
二人の気が済むまでやらせてやるに限る。
「…心愛ちゃんも大変だよね。もしかしたら俺達以上に二人のアレを見てるんだからさ」
「や、流石にもう慣れてんだろ。それに心愛からしてみれば未来の姉夫婦がイチャイチャと愛を育み合ってるだけなんじゃねぇか?」
「…成程、流石は明君。冷静だね」
「バーロ、慣れただけだ」
「そう…。あ、話は変わるけど明君も可愛い妹達がいるよね?」
「あぁ、いるな」
それも沢山。
いや〜お兄さんまいっちまうぜ。
「明君がつぼみちゃん達と楽しく騒いでる姿をよく見るけど、まるで本当に兄妹みたいだよ」
「そりゃどーも」
「兄妹と言えば!明君って妹におねだりされたらなんでも買ってくれそうよね!」
「わかりますぞももっち!」
「そうなの明君?」
「んー…なんでもじゃねぇが、少しぐらいはな?」
実際、今まで何度か妹分の
「さっすが優しい明お兄ちゃん!ねぇねぇお菓子買って〜!」
「ジュース買って〜!」
「…いつからお前等は俺の妹になったんだよ」
『今から!』
「なんてこった……」
「だから明お兄ちゃん洋服買って〜!」
「ケーキ買って〜!」
「買うもんを変えるな」
「自家用ジェット機買って〜!」
「土地買って〜!」
「買うスケールがデカ過ぎだ」
「バック買って〜!」
「コート買って〜!」
「んなのサンタにでも頼め」
「サンタ買って〜!」
「寧ろ狩って〜!」
「サンタクロースハンター……」
「そのまま過ぎて面白味が無いわね」
「うっ……」
「ドンマイ博士。…さて、ももかに瑠璃?そろそろふざけるのを止めるか俺に狩られるか、どっちがお好みだ?」 (黒笑
『ひぃぃぃぃ!?』
「自業自得ね」
「あはは……」
「まったく、やれやれだぜ」
ほんとこの二人は…おや?
―月音、今度の日曜は何処へ行こうか?―
―それじゃあ“あの場所”へ行こうよ―
―“あの場所”か。…フフフ、月音も中々ロマンチストだな―
―あはは、ロマンチストな僕は嫌い?―
―いいや、大好きだ―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
―萌香さん……―
―月音……―
『まさかの二回目!?』
「お姉様とお兄様は放っておいたら何回でもやるわよ?」
「へぇ、やっぱりそうなのか」
『え?…あっ!?心愛ちゃん!?』
「やっほ〜」
『いったいいつの間に!?』
「え?ついさっきだけど、もしかして気付かなかったの?」
『うん(えぇ)……」
「そっか〜。明さんは気付いてたから先輩達も気付いてたと思ったんだけどね〜」
『常識外れの明(君)と一緒にしないで!』
「…え〜っと、元気出して明さん」
「…泣けるぜ」
【終わり】
オマケ
〜覇波家の朝〜
瑠璃:「お〜に〜い〜ちゃ〜ん〜!!」
龍星:「ん?どうした瑠璃?」
瑠璃:「私の目覚まし時計勝手に止めたでしょ!?」
龍星:「あぁ、止めたな」
瑠璃:「な・ん・で!?」
龍星:「んなの、瑠璃の寝顔が天使みたいに可愛いかったからに決まってんだろ!」
瑠璃:「まさかの逆ギレ!?」
龍星:「瑠璃の寝顔が天使みたいに可愛いかったからに決まってんだろ!」
瑠璃:「二回も言わないで!…にぎゃあぁ〜!?遅刻する〜!?」