つばめ:「…今日はハグプリやらないからね」
明:「…成程な」
とある日の休日、俺はダークに呼出されてお馴染みの場所…修練の場に来ていた。
「うぃーっす、来たぞ…って、いねぇのかよ」
なんてこった、人が家でのんびりしてる時に心の大樹回線を使って呼出したくせにほったらかすとはな。悲しくて泣けてくるぜ。
「おーいダークー、いねぇのかー?」
“シーン……”
「…そーいえば前にもこんな事があったな」 (※25話〜土産〜)
確かあん時はムーンライトミラージュが…
「もらった!」
…今みたいに後ろから不意打ちを仕掛けてきたんだよな。
てか、不意打ちを仕掛けてんのに声を出したら意味ねぇっつーの。
「ハアァァ「おっと、フリーズだぜ?」っ!?」
ケッケッケ、流石のダークも振り返りながら召喚されたハートフルブレイドを眼前に突き付けられたら動きが止まるわな。
「…私の敗けだ」
「ケッケッケ、不意打ちを仕掛けてくるたぁ随分とお熱い挨拶だな」
「…こうすれば明が喜ぶとムーンライトミラージュから教えてくれたから早速実践してみたんだ」
「なーるほど」
どうやらまたムーンライトミラージュがダークにいらん事を吹き込んだみてぇだな。
「だが、不意打ちを仕掛けたのに明には通用しなかったな」
「うまく気配を消してても声でモロバレだったからな。もし次やる時はその二つに気をつけてやれよ?」
「あぁ、わかった」
ダークはムーンライトミラージュや裏俺とは違って人の言う事を素直に聞く子だからお兄さんは嬉しいぜ。
「で?今日はいったいどんな理由で俺を呼出たんだ?」
「あぁ、実は……いや、その前にハートフルブレイドを納めてくれないか?」
「ん?…あ、悪い悪い。突き付けられたままじゃ話辛ぇよな」
物騒なブツはアクセサリーに戻してっと。
「んじゃま、理由を聞かせもらおうか?」
「あぁ。…実はミラージュ達が今日は誰もここに来なくてな?話し相手がいなくて退屈していたんだ」
「ん?裏俺とムーンライトミラージュはどうした?戦闘狂(暇人)の彼奴等なら呼べば直ぐに来るんじゃねぇか?」
他のミラージュ達の話だと、あの二人は初中後…それこそ俺やゆりが来る来ない関係なしにここに来ては世間話(?)に花咲かせたりドンパチしてるらしいからな。
「あぁ、確かに呼んだらナイトミラージュが来たが、“悪い、今日はムーンライトミラージュと先約があるから”と伝えに来てそのまま彼女の空間へと行ってしまった」
「成程、だから二人共いねぇのな」
俺が言うのも何だが、わざわざ言いに来る辺り裏俺は変な所で律儀な性格してやがるな。
「…そういえば、空間の割れ目が閉じる直前にムーンライトミラージュがウインクをしてきたがアレにはいったいどんな意味が?」
「さぁ?俺にも分からん」
大方“今日は裏俺とお楽しみ”って意味なんだろうが、まだ日が高いのに随分とお盛んだな。
あ、でも、ムーンライトミラージュの空間はいつも夜みてぇなもんだから関係ねぇか。
「…何となくだが明はウインクの意味を理解している気がするな」 (じぃー……
「おいおいダークさんよ、そんなに見つめられたら俺ってば恥ずかしくて照れちまうぜ」
「…相変わらず口がよく回るな」
「それが俺だからな。んで、これからどうする?世間話に花を咲かすも良し、ドンパチするのも良し。俺はダークに合わせるぜ?」
「そうか。なら、先程の続きを…と言いたいところだが、今日はもう勝負する気がないのでな。私と一緒に世間話に花咲かせてもらうぞ?」
「OK。なら、パレスのテラスに行こうぜ?」
彼処なら景色日当たり共に最高のロケーションだから話も弾むってもんだ。
「ふむ、そうなると紅茶と菓子が欲しくなるな」
「安心しろ。こんな事もあろうかと確り用意してきたぜ」
「フッ、急な呼出にも関わらず用意の良い奴だな」
「結構、鍛えてますから」 (シュッ!
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
ダーク:「ほぉ、これが例の苦いハーブのクッキーか」 (もぐもぐ
明:「あぁ、またゆりとももかに食わせようと作ったやつだ」
ダーク:「私に食べさせて良かったのか?」
明:「あぁ、まだまだ大量に作ってあるからな」 (ニヤリ♪
ダーク:「フッ、悪い奴め」
明:「ケッケッケ」
オマケ2
〜同時刻・ムーンライト影の空間〜
ムーンライト影:「…はぁ♪…はぁ♪…はぁ♪……」
ナイト影:「おーい、大丈夫かー?」
ムーンライト影:「…はぁ♪…はぁ♪…はぁ♪……」
ナイト影:「あー…こりゃあちっとばかし飛ばし過ぎたな」