つばめ:「勿の論!書く内容はまだ大まかな流れだけだけどもう決まってるっしゅ!」
ゆり:「うふふ、楽しみだわ」
とある日の放課後、俺はファッション部には行かずに高等部の屋上に来ていた。
「………」
まぁ、“屋上に来ていた”つっても可愛い子に呼び出されたとか、俺の事が気に入らねぇ輩に呼び出されたとかの青春の一頁を飾る様な出来事じゃなく、ただ何と無く来ただけなんだけどな。
「…んく、んく、んく……」
現に今もベンチに座りながら自販機で買った缶コーヒー(無糖)で夕焼けを見ながら一服してる最中だからな。
「ふぃ〜……」
あん?
オッサン臭いって?
バーロ、これが俺のスタイルだっつーの。
「ふふふ、おサボりさん発見ね」
「ん?」
急に後ろから聞こえた声が気になったんで振り返ってみると、いつの間にかゆりが来ていた。
この俺に気配を悟られずに来るとはゆりも中々やるようになったな。
これはもうどこぞのアサシン先生と同じ圏境A+のスキルだな。
「よぉ、ゆりも一緒にどうだ?」
「あら、私もおサボりの共犯にするつもりかしら?」
おーおー、言ってくれるねぇ。
「生憎、今日俺が部活を休む事は昼過ぎにえりかに伝えてあるからサボりじゃねぇんだわ。てか、この時間帯にここにいるゆりの方がサボりなんじゃねぇか?」
「残念だけど、私も今日は部活お休みしたの」
「そうかい。なら、休みもん同士仲良くしようや」
「えぇ。隣良いかしら?」
「おう。どーぞどーぞ」
んじゃま、俺は少し端に寄ってっと、
「ほれ、ゆりの分のコーヒー」
「ありがとう明。よくもう一本持っていたわね。もしかして私が来るってわかっていたのかしら?」
「いんや、さっき自販で買った時に当たったから持ってただけだ」
いくら直感に定評がある俺でも流石に未来予知なんざ出来ねぇっつーの。
「そう、それじゃあ明が当てたお祝いとして乾杯でもしましょうかしら?」
「んや、それだけで乾杯するにはちょっくら物足りねぇから、茜色に染まるこの景色にも乾杯しねぇか?」
「ふふふ、意外とロマンチストなのね」
「うっせっての。ほれ、乾杯」
「えぇ、乾杯」
“コツン……”
やっぱグラスじゃねぇからムードのねぇ音だが、まぁ、それもまた一興ってな?
「んく、んく、んく……」 (ちらっ
「ん…ん…ん……」
眼福眼福。
「ふぃ〜……って、なーにニヨニヨ笑ってんだよ」
「ふふ、ごめんなさい。缶コーヒーを飲んでる姿がやけに板についていたものだから」
「なんてこった、俺ってそんなに老けて見えんのか?」
今まで色んな事をして実年齢よりも年上…それこそ二十代前半扱い(認識)されるのは初中後だったが、まさか缶コーヒーを飲む姿までもか……
「老けてって言うよりも、明の場合はなにか、こう…“出来る大人の余裕”みたいなものを感じるわ」
「おーおー、齢17にしてもうそんな扱い(認識)されるなんて俺も随分と男が上がったな」
やっぱブレイドナイトとして戦ってきた激動の月日が俺を成長させたのかねぇ。
「その常に絶えない飄々とした軽口も明に出来る大人の余裕を感じさせるのかもしれないわね。“♪〜♪〜”あ、ちょっとごめんなさい」
「ん?メールか?」
「えぇ、お母さんからみたい」
「なんか火急の知らせか?」
「いいえ、お誘いのメールよ」
「お誘い?…あ、“もしよかったら今晩はうちで夕飯を食べてかないかしら?”って事か?」
「えぇ、まさにその通りだけど明は大丈夫?」
「あぁ、今日はまだ夕飯を何にするか考えてなかったからな。喜んでそのお誘いに乗らせてもらうぜ」
「わかったわ。それじゃあ……送信っと」
「んじゃま、待たせるのも悪いし、今日はもう帰るとしますかな」
あ、よっこいしょういちっと、
「ほれ、お手をどうぞ、お嬢様」
「ふふふ、ありがとう、素敵な
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
ゆり:「ところで明?」
明:「ん?」
ゆり:「今日は何で部活を休んだのかしら?」
明:「なんか今日は珍しく気が乗らなかったからだ」
ゆり:「ふふふ、そうゆうのって時々あるわよね」
明:「あぁ。…んで?ゆりはどうして休んだんだ?」
ゆり:「それは秘密♪」
明:「…泣けるぜ」
ゆり:「うふふ♪」
オマケ2
〜出歯亀〜
『ほれ、お手をどうぞ、お嬢様』
『ふふふ、ありがとう、素敵な
ダーク:「甘いな」
ムーンライト影:「甘いわね♪」