花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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明:「遂に50話目に到達したな」

ゆり:「ふふふ、今回はどんな事が起きるのか楽しみだわ♪」


〜妖精〜

とある日の休日、俺とつぼみ達は薫子さんと英明さんに呼ばれ植物園に来ていた。

 

「ふふ、おはようみんな」

 

「今日は急に呼び出したりして申し訳ない」

 

「いえいえ、気にしないでください。どうせ家でのんびりするかパレスで暴れるかの二択しかなかったんで寧ろ助かりましたよ」

 

『あははは……』

 

「ふふふ、相変わらず明はやる事が両極端ね」

 

「それが俺だからな。…と、すいません、話が逸れましたね。今日はいったいどんな理由で俺達を此所へ呼んだんですか?」

 

「ふふ、実はみんなに会わせたい子がいるのよ」

 

『会わせたい子?』

 

『で(すぅ、すっ、しゅ)か?』

 

「あぁ、その子だよ」

 

英明さんがそう言った直後、俺は頭上から何かの気配を感じ、上を見たんだが……

 

「くっ〜!」

 

俺の視界は謎の声と共にブラックアウトした。

 

『っ!?』

 

「…何が起きた?」

 

「くっ〜」

 

「わぁ〜!!かっわいい〜!!」

 

視界を塞がれて詳しくは分からんが、さっきの謎の声といつきのテンションから察するに俺に顔面アタックしてきたこの“何か”はどうやら生き物みてぇだな。

 

「ゆり、俺の顔に張り付いてるのは何だ?」

 

「ふふふ、引き剥がしてみたら分かるんじゃないかしら?」

 

「そーかい。なら遠慮なく」

 

この“何か”に爪が無い事は今のゆりの言い方で確認出来たんで、俺は文字通り遠慮なく引き剥がして“何か”の正体を確かめた。

 

「なんてこった ……」

 

「ふふ、ご対面ね」

 

「あははは、流石の明君もこれには驚いた様だね」

 

俺へ顔面アタックをしてきた“何か”の正体はシプレやコフレ、ポプリやコロンと同じタイプの妖精だった。

しかも驚いた事にこの妖精の見た目はコロンの紫色の部分を黒色に変えただけで後は殆ど同じ。

 

「くっ〜」

 

妖精で黒色、

もしかしてコイツはの正体はダ『えぇ〜〜!?』…っと、ビックリしたぜ。

 

「シプレ達以外にも妖精がいたのですぅ!?」

 

「もしかして新しいプリキュアが現れたのですか!?」

 

「はっ!?分かったですっ!新しいプリキュアはきっとももかさんですっ!」

 

「うっそ〜!もも姉がプリキュア!?そうなるとあたしの存在感が無くなるじゃん!?」

 

「ぷ〜!いちゅきはポプリよりもこの子の方がしゅき(好き)なんでしゅか!」

 

「ち、違うよ!?確かにこの子も可愛いけどボクはポプリの方が大好きだよ!!」

 

おーおー、こいつは見事にパニック状態だな。

 

「あははは、みんな元気だね」

 

「えぇ、お蔭で冷静になれるわ」

 

「俺もだ」

 

地下の書庫にあるサバイバル関係の本に“人は集団行動時に何かしらのアクシデントやトラブルが起きると《騒ぐタイプ》と《冷静になるタイプ》の二種類に分かれる”的な事が書いてあったが、成程、確かに今の状況はそれと一致してるな。

 

 

―わー!わー!―

 

―ぎゃー!ぎゃー!―

 

 

「でも、これは少しうるさいかしら?」

 

「なら落ち着かせるか。…ッ!」

 

 

―ゾクッ!!―

 

 

『っ!?』 (びくっ

 

「よお、頭は冷えたか?」

 

『は…はい…ごめんなさい……』

 

「ん、分かればよろしい」

 

やれやれ、みんなのお兄さんは大変だぜ。

 

「ふふ、今のは中々鋭い闘気だったわ」

 

「あぁ、武術の心得がない私ですら感じる事が出来た」

 

「ふふふ、流石は明ね」

 

「くっ!」 (パチパチ

 

なんてこった、妖精の拍手が泣けるぜ。

 

「んじゃま、話を戻しますがこの妖精はいったいどうしたんですか?」

 

「ふふ、明君ならもう分かっているんじゃないかしら?」

 

『えっ!?』

 

「あら、そうなの明?」

 

「まぁな。コイツを見た瞬間俺の直感が教えてくれたぜ。この妖精の正体は“ダーク”だ」

 

「…フッ、流石は明と言ったところだな」

 

『えっ!?』

 

驚いた面をしているつぼみ達を尻目に漸く(?)ちゃんと喋った妖精ダークは自身を掴んでいる俺の手から離れ、そして……

 

 

―ボン!!―

 

 

「フッ……」 (ドヤッ

 

 

見事な、そりゃもう見事なドヤ顔を決めて馴染みの姿(人型)になった。

 

『ダークが妖精にな(りました、ったっしゅ、った)……!?』

 

「でも、いったいどうして……」

 

「フッ、想像していた通りの良い反応…と言いたいが、やはり明はあまり驚いていないな」

 

「まぁな。今日までの人生で色々な事を色濃く経験してきたからよ、こうゆう事にはもう慣れちまったぜ」

 

ついでに言うとこの世界を侵略しようとする輩にもな。 (メタ

 

『あははは……』

 

「…流石は明ね」

 

「あぁ、たいした男だ」

 

「そりゃどーも。…んで、ダークが妖精になった事には心の大樹と関係あんだろ?」

 

『えっ!?』

 

「ほぅ……」

 

「ふふ、明君はもうそこまで分かっているのね」

 

「凄いな、それも経験からくるものなのかい?」

 

「それもありますが、前に修練の場に行った時にダークが外に出てみたいって言ってきたんでその時に話したんですよ。“ダークはミラージュ側じゃなくて妖精寄りの存在だから、もしかしたら心の大樹の力で……”って」

 

つっても、それはあくまで可能性の話だから確証はなかったんだけどな。

 

「でも、現に今ダークは妖精になっているわよね?と言う事は……」

 

「あぁ、そうなんだろうな」

 

いやはや、流石は心の大樹。

俺達の想像を遥かに越えた存在だぜ。

 

「フッ、お前達のお蔭で心の大樹が以前とは比べ物にもならない程成長して力が増したらしくてな?その力で予てから願っていた私の想い()を叶えてくれたんだ」

 

「そうだったの…。ふふふ、おめでとうダーク」

 

「想いが叶って良かったな」

 

「あぁ、ありがとうゆり、そして明……」

 

ダークの想いがいったいどんな想いのか気にはなるが、ダークのこの幸せそうな顔を見ちまったら聞くのは野暮ってもんだよな。

 

「んじゃま、前にも言ったが改めてよろしくなダーク」

 

「ふふふ、よろしくねダーク」

 

「わたしも!」

 

「あたしも!」

 

「ボクも!」

 

「シプレも!」

 

「コフレも!」

 

「ポプリも!」

 

「ボクも」

 

「私も」

 

「私からも」

 

「…ありがとうみんな。私の方こそこれからよろしく頼む……」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜その後〜

明:「ちょい質問。どうして妖精時の姿がコロンと似てるんだ?」

ダーク:「なんだかんだで一番見ていた妖精がコロンだったからな。妖精になる時の姿として参考にさせてもらった」

明:「成程」


オマケ2

〜パートナー〜

明:「折角黒色の妖精になったんだからこれからは俺のパートナー妖精にならねぇか?」

コロン:「あははは!遂に明にもパートナーが出来たね」

ゆり:「ふふふ、おめでとう明、ダーク」

明:「おう、サンキューな」

ダーク:「あぁ、ありがとう」


オマケ3

〜疑問〜

ダーク(妖精):「くっ!」 (ぺしぺし

ゆり:「ダークは妖精になっても普通に喋れるのよね?」

ダーク(妖精):「あぁ」

ゆり:「ならどうして……」

ダーク(妖精):「私もよく分からないが、どうやら妖精になると言ってしまうみたいだ」

ゆり:「…口調みたいなものかしら?それじゃあ明の頭をぺしぺししているのも?」

ダーク(妖精):「これはスキンシップだ」 (ぺしぺし

ゆり:「ふふふ、可愛いわね」

明:「…泣けるぜ」


オマケ4

〜翌日の菖達〜

菖:「ん?アレって……」

ももか:「明君がゆりっぺと同じ種類のぬいぐるみ持ってる!?」

瑠璃:「おぉ〜!所謂ペぐぅ!?」

月、萌:『静かに!』

ももか:「ぶ〜!私もぬいぐるみ欲しい〜!」

月音:「そ、それなら明君に頼んでみたら良いんじゃないかな?」

萌香:「そうだな。ももかが頼めば明は二つ返事で作る筈だ」

菖:「あははは……」

瑠璃:「むぐぅ〜〜!」


オマケ5

〜体質故に〜

菖:「………」

ダーク(妖精):「………」 (ぬいぐるみのフリ中

菖:「安心して。“君の事も”みんなには秘密にしておくよ」

ダーク(妖精):「…あぁ、ありがとう博士」

菖:「…あ、やっぱりそう呼ばれるのか」

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