花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「今日の明はいつもよりちょっと軽いかも?」

明:「なんてこった、パンナコッタ」


〜相談〜

とある日の放課後、俺はゆりを屋上に呼び出していた。

 

「お待たせ明」

 

「ん、呼び出して悪かったな。ほれ、缶コーヒー」

 

「あら、ありがと明。随分と気が利くのね」

 

「まぁな」

 

「ふふふ、隣良いかしら?」

 

「おう」

 

「それじゃあ遠慮なく……」

 

お、すっげぇいい匂い。

後、昔から見てたからやっぱりゆりは眼鏡を掛けてねぇ方が魅力的だぜ。

 

「明?どうかしたのかしら?」

 

「ゆりに見惚れてた」

 

「っ!?」 (ぼんっ!

 

おーおー、茹でタコみてぇに赤くなりやが…っと、なんてこった、目の前が急に真っ暗になっちまったぜ。

 

「もしもしゆりさん、ゆりさんよ?貴女のお手々が俺にアイアンクローをしているだが?」

 

しかも然り気無く爪を立てていらっしゃるから痛さ1.5割り増し。

 

俺みたいな野郎とは違ってゆりは女の子なんだから爪は大事にしなきゃいけませんぞ?

 

「…うるさい。今は大人しく食らっていなさい」

 

「そうなるとゆりに相談出来なくなるんだが?」

 

「…アイアンクローされたままでも相談は出来るわ」

 

「それもそうか」

 

俺としたことがゆりに一本取られちまったぜ。

 

「…理解できた様だからこのまま聞くわ。私に相談したい事っていったい何かしら?」

 

「あぁ…、実はももかには俺の秘密を話そうと思ってんだ」

 

「明の秘密……もしかして、明がブレイドナイトである事を!?」

 

「あぁ」

 

「…どうしてももかに話すのか納得のいく説明をしてもらうわよ?」

 

「良いぜ、ゆりがアイアンクローを止めてくれたらな」

 

「…わかったわ」

 

ふぃ〜…これで漸く視界が晴れやかになったぜ。あ〜痛かった。

 

「んじゃま、説明するぜ?」

 

「えぇ」

 

まぁ、秘密を話す理由は至極簡単なんだがな。

 

「先ず大前提として、俺達は選ばれた伝説の戦士だろ?」

 

「えぇ、私やつぼみ達はプリキュア。そして明はプリキュアを護る騎士であるブレイドナイトだわ」

 

「だろ?んで、今でこそこの世界は平和だがもしかしたらこの先、新たな敵が現れるかもしれねぇだろ?」

 

「えぇ……」

 

まぁ、ぶっちゃけた事を言うと俺達もう既に何度も新たな敵さん方と出会ってんだけどな。

 

「そしてこれから先、俺達は今以上にももかと長い付き合いになる筈だ」

 

「…そうね」

 

「だろ?そうなるといつまでも隠し続けるのは無理ってもんだ」

 

しかもももかは普段はあんなんだが、中々どうして意外と鋭い所があるからな。

俺としてはその鋭さを是非とも学力に向けてもらいたいんだが、今のところは望み薄かもな。

 

「そんなももかにたいして俺達がいつまでも下手に隠し続けてたらいつか勘違い(誤解)が生まれ、最悪の場合俺達の関係に皹が入るかもしれねぇからな」

 

「確かに明の言う事は分かるけど、よくそこまで考えられるわね……」

 

「まぁ、これらの事は俺の程一方的な考えであって必ずそうなるとは限らねぇんだけどな」

 

「それでも可能性としては充分説得力があるわ」

 

「そりゃどーも。俺も柄にもなく熱弁した甲斐があったぜ」

 

「はぁー……」

 

「おいおい、なんだその“どうして明はこうゆう時でもそうゆう事を言うのかしら”的なため息はよ?」

 

そんなため息を吐かれたら明さん悲しくて泣いちまうぜ。

しくしく。めそめそ。

 

「…一字一句当てないでほしいのと、分かっているのならちゃんとしてくれないかしら?」

 

「バーロ、俺がちゃんとした真人間になったらつまらねぇのはゆりがよーく知ってる筈だろ?」

 

何せ、幼稚園からの付き合いなんだからな。

言葉にしなくても伝わる何かがあるってもんだ。

 

「っ、それはそうだけど……」

 

「それにゆりだって真人間な俺よりも、今みたいに砕けた俺の方が好きだろ?」

 

「……そうね。認めたくはないけど明の言う通りだわ」

 

おーおー、随分と“間”があったなこんちくしょう。

 

「それに……」

 

「ん?」

 

なーんか嫌な予感……

 

「明は普段は軽いけど、本当は“友達思いの優しい人”だと言うところもね」

 

「…泣けるぜ」

 

よりにもよってそこを突いてきやがるか。

 

「ふふふ、明は本当にももかの事が大切なのね」

 

「それはゆりも同じだろうがよ。てか、その温かい目は止めろ」

 

なんてこった、ゆりさんってば凄く楽しそうにしてらっしゃいやがる。

こりゃ、さっきの仕返しも兼ねてやがるな。

 

「あら、照れているのかしら?」

 

「ほっとけ。それよりもゆりはどーすんだよ」

 

「勿論、私も話すわ。ももかを護る為にもね」

 

「そーかい。なら、この際だからつぼみ達にも話させるか?」

 

「そうね。それが良いわ」

 

「オーケ。そうと決まればこのままつぼみ達に事情だけでも説明しに行くか?」

 

「………」

 

なーんでこのタイミングで黙る。

 

「…ん、」 (ぽふ

 

そして何故俺の肩に寄り掛かる。

 

「折角だからもう少しだけこのままで……」

 

わぁーお、さっきよりもいい匂い&キューティー。

 

「明……」

 

そして腕に当たるももかと同等の弾力プライスです。

 

「俺は構わねぇが、随分と急にしおらしくなったな」

 

まぁ、ゆりの気持ちは分からんでもねぇけどな。

 

「察しなさいよ、ばか……」

 

「へーへー、そりゃ悪うござんした」 (なでなで

 

今までのらりくらりとはぐらかしていたが俺達は互いの事が――だからな。

 

「んっ…あき……♪」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜その後〜

ブロッサム達:『気づいてた(んですか、の)!?』

ももか:「うん!だいぶ前から!」

ナイト:「なんてこった……」

ムーンライト:「泣けるわね……」


オマケ2

〜改めて……〜

ももか:「やっぱりムーンライトの服装はえっちぃですな〜♪」

ムーンライト:「っ!?」

ナイト:「それは俺も同感」

ムーンライト:「っ〜〜!?」 (真っ赤っか〜!


オマケ3

〜オールスターズの場合〜

ももか:「やっぱりなぎさちゃん達もそうだったんだね!」

ナイト:「まぁな」

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